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「100分de手塚治虫」が濃厚すぎたので、取り上げられたマンガ作品をまとめてみた

手塚治虫マンガについて、100分語り合う。かなり濃厚な内容だったので、番組内で取り上げられた作品をまとめておこうと思います。

MC:

ゲスト:

日本発狂

日本発狂

日本発狂

深夜の街を亡霊たちが行進する!? 市郎少年はふとしたことから、現世と来世とを行き来する不思議な少女と出会った。”あの世”で着々と準備が進められている陰謀とは何か!?夏の夜に巨匠が贈る怪奇ロマンの世界!

伊集院光のおすすめ作品。あの世でも戦争していて兵士が足りないから、この世で人が死ぬことを望んでいる。なんとも凄い設定。

リボンの騎士

リボンの騎士 1

リボンの騎士 1

天使のいたずらから、男と女の二つの心を持って生まれた王女サファイアは、ジュラルミン大公のために王位を追われた。王子フランツとの恋もやぶれたサファイアは、リボンの騎士に姿をかえ、大公に復讐を誓うのだった。

定番作品だけど、女装家・ブルボンヌさんの視点から読み解くのはおもしろい。サファイアは、トランジェンダーであり、男と女どちらも楽しむ。この感覚は、エックジェンダーという最新の感覚に近いという。

精神科医斎藤環さんは、本作を美少女戦闘漫画の源流であり、女性が戦う漫画は日本独自だと指摘していた。

MW(ムウ)

銀行員として働く結城美知夫には、裏の顔があった。飽くことなく罪を重ね続け、複雑な関係にある、賀来神父のもとへ懺悔にゆく別の姿が! 秘密毒ガス兵器”MW”を軸に、現代の科学万能主義にメスを入れる問題作。

黒手塚の筆頭作品。結城は「悪魔の子」であり、賀来は「神に仕える存在」。相反する2人が、同性愛に落ちていく姿を正面から描いている。レズビアンがゲイのスキャンダルを守る場面もあるという。

鉄腕アトム

鉄腕アトム 1

鉄腕アトム 1

映画監督・園子温は「線」の美しさを挙げる。手塚治虫はコンパスを使わずに、円が描けたという。円運動に興味があり、動いたときにエロスが出てくる。アトムにエロスを感じるのは当然。手塚自身、はじめは女性ロボットとして考えていた。少年誌だから鉄腕アトムになった。

奇子(あやこ)

復員後、GHQの秘密工作員として働く天外仁郎。久しぶりに帰る天外家は、人間関係が汚れきっていた。呪われた出生を背負い、運命にもてあそばれる奇子。地方旧家、天外家の人々を核に、戦後史の裏面を描く問題作!

奇子という存在により、物語は重層的な展開を見せていく。
手塚治虫はキャラものは描けないと自ら言っていた。だがキャラクターは巧みに描ける。キャラクターは、ストーリーと一体化しているため、別の場面では成り立たない。手塚の作品は、ストーリーそのものが主役になってくる。戦争体験が影響していて、悲劇性を帯びるというのが手塚自身の分析。生命讃歌が込められている。

アポロの歌

アポロの歌 1

アポロの歌 1

神は、近石昭吾に、永遠に解き放されない運命をあたえた–死んで、再び生まれ変わろうとも、ひとりの女を愛し、結ばれぬ恋をするであろう–と……!さまざまな愛の形をえがき、その真実を追求する異色作!

手塚治虫のテーマであった”生命讃歌”の典型的な作品。

火の鳥 鳳凰

火の鳥 4

火の鳥 4

火の鳥 鳳凰編』は手塚作品のなかの最高傑作に推す人も多い。宗教学者であり僧侶の釈徹宗さんは、華厳経との類似を指摘。部分は全体であり、全体は部分である。本作にもマクロな視点とミクロな視点が含まれている。善悪の揺らぎが出てきて、輪廻の思想をマンガで描ている。マンガという多様な記号を組み合わせると、宗教的シンボル性を発揮する。表現することの意味を描いた作品。

歴史に残すべき大作家

小学生のころ、『火の鳥』が図書館に置いてあって、ほぼ読んでいるはず。だけど気持ち悪さや不気味さを感じた。いったいこれは何を描いているのかわからないけど、興味は持続して読んだ記憶がある。

あらためて手塚治虫ってすごいなぁと。大きなストーリーを描ける数少ないマンガ作家で、作風は幅広い。見たこともないストーリーを生み出していて、読まないといけないなと強く思いました。

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