『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』、尾道三部作など、話題作を世に送り出した大林宣彦。
2020年に逝去しましたが、異端な存在として、日本映画史に刻まれる作品を多く残しました。
大林宣彦の作品世界を知る上で読んでおきたい本をまとめていきます。
大林宣彦おすすめ書籍
大林宣彦の人柄や創作術が見えてくる本を紹介していきます。
『大林宣彦の体験的仕事論』
大林宣彦本のなかでかなりおもしろかったのが、本書です。
大林宣彦の仕事術にフォーカスして、第三者が話を聴きながら、ノウハウにまとめているんですね。
映画監督になるルートは、大学卒業して東宝を受けて助監督から映画監督といったものしかなかった時代。大林宣彦はコマーシャル映像作家として仕事を受けながら、東宝から映画を撮ることを打診されるんですね。
発想がおもしろい。異端でいながらどうやって王道にたどり着いたのか、クリエイターならかなり参考になる仕事論です。
『ぼくの映画人生』
大林宣彦が自らの人生を振り返るエッセイ集。
臨場感がある語り口になっていて、大林宣彦の映画人生をたどりには読みやすい作りになっています。
デビュー作『HOUSE ハウス』について、当時の東宝社長であった松岡功の言葉がよかったです。
「この話全然わからない。だけど、それがいいんでしょうね。どうか私にわかるように作らないでください」
多くの人に支えられて巻き込んで、映画監督として活躍していったことがわかります。
『大林宣彦、全自作を語る』
大林宣彦の『HOUSE ハウス』から遺作『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』まで、本人インタビューを収録しています。
映画監督以前の「マンダム」CMや個人映画作品などにも言及していて、貴重な証言集になっています。
『ユリイカ 2020年9月臨時増刊号 総特集 大林宣彦』
ユリイカの大林宣彦を追悼する特集号。さすがの濃厚な内容で、商業映画デビュー当時の本人インタビューや、大林宣彦と高畑勲の対談など、読み応えがあります。ほかにも、久石譲や赤川次郎、平田オリザからの追悼文も読めます。
多角的に大林宣彦を知りたいなら、手にとっておきたい一冊です。
『最後の講義 完全版 大林宣彦』
あなたは人生最後の日に何を語りますか?NHKの番組で、大学生の若者に大林宣彦が語った3時間を書籍化しています。
映画史に残る映画たちが伝えるものとは?といった映画論だけではなく、平和への思いがまとめられています。
大林宣彦の不思議な世界へ
大林宣彦は尾道三部作によって、青春ものが得意というイメージがありましたが、それだけだと理解してない。
どうやって映画を撮影し続けるのか、パワフルに時代を駆け抜けたクリエイターなのだとわかります。CMクリエイターの地位を上げたということもやっている。知れば知るほど、おもしろい人物で、作品の魅力が増していきます。
コメント