『傲慢と善良』は、映画化も決まった人気小説です。藤ヶ谷太輔、奈緒のダブル主演作になります。
タイトルどおり、傲慢とは?善良とは?といった問いが、読んでるとグサっと心に刺さってくるんですね。他人事ではいられなくなるんです…。さすがの辻村深月作品。累計発行部数が90万部を突破しているのも納得です。
『傲慢と善良』について、あらすじやネタバレを交えて解説していきます。
『傲慢と善良』映画化
映画『傲慢と善良』は、2024年9月27日に公開されます。藤ヶ谷太輔、奈緒がダブル主演を務めます。
『傲慢と善良』あらすじ
西澤架は、学生時代から恋人を欠かすことはなかった。結婚適齢期になっても恋人がいたが、結婚するとなると、踏み込めず、破局を迎えてしまう。思いを引きずるものの、そこから婚活アプリを活用するようになる。
そして、真実という恋人ができたのだが…。ある日、真実が行方不明になる。その前から真実はストーカーの被害を訴えていた。架は、真実の実家や故郷を訪ねて、過去に向き合うことになる。そこで明かされる真実とは?
『傲慢と善良』登場人物
- 西澤架(藤ヶ谷太輔):坂庭真実と婚約する。行方不明になった真実の行方・過去を探っていく。
- 坂庭真実(奈緒):架の婚約者。ある日、行方不明になる。
- 庭坂陽子(宮崎美子):真実の母親。真実を溺愛している。
- 美奈子(桜庭ななみ):架の女友達。
『傲慢と善良』ネタバレ
『傲慢と善良』について、ネタバレで紹介していきます。
起:婚約者が行方不明に…
ある日、架が学生時代の友人と飲んでいると、恋人の真実からストーカーの被害を訴える電話がかかってきます。心配した架は真実を自宅に呼び、それから同棲することになり、婚約にいたります。
しかし結婚式直前、真実が姿を消してしまいます…。
架は、真実の実家や警察にも連絡するものの、行方がつかめません。真実がかつてお見合いした男性をストーカー犯と疑っていたことを思い出した架は、当時警察に通報しなかった自分を責めます。一方で、真実の両親は世間体があり、大げさに騒ぐことを望まないようです。
架は、結婚相談所の小野里さんに協力を求め、独自に真実の捜索を始めます。
承:真実の過去に迫る
真実は群馬県庭で臨時職員をしていましたが、父親の口利きによる腰掛け仕事でした。恋人もいなかった真実は、母の陽子の計らいで結婚相談所に入会します。しかし、陽子が紹介した高学歴の男性や、自分で選んだ男性とうまくいかず、両方を断っていました。
架は失踪した真実を探す過程で、この2人はストーカーではないと確信します。一人はすでに結婚し子どももいる良き夫婦でした。もう一人は実直な独身男性でした。
そんな矢先、架の友人の美奈子から「真実がストーカー被害に遭っているのは嘘で、架に結婚を促すためのトリックではないか」と言われます。
転:ストーカー被害の真実
真実が失踪する前日、彼女の退職祝いの場に偶然居合わせた友人の美奈子たちが、真実のストーカー被害話は嘘だと見抜いていました。さらに架が真実を70点の相手と評していたことを告げられ、屈辱を感じた真実は言い返すこともできずにいました。
この出来事がきっかけとなり、真実は行き場を失い、宮城県の被災地ボランティアに参加していたのです。そこでは写真修復や地図作りのバイトをしながら、周りの人々と馴染んでいきます。
美奈子たちから真実のストーカー話が嘘だと知らされた架は、怒りを覚えつつも、その事実を認めていきます。
結:2人の再会
宮城の被災地ボランティア中、真実は、前に写真館で見た誰かの結婚式の舞台である神社を発見します。写真の持ち主探しに一役買えたことで、真実は喜びを感じます。
真実は自身の過去を打ち明けます。そして、架に連絡をとります。
数ヶ月後、宮城に架がやって来ます。真実は、架の発言や美奈子たちとの付き合いの辛さを訴えます。
架はすべてを許し、再びプロポーズします。真実はそれを承諾し、出会った神社で2人だけの結婚式を挙げます。今度こそ幸せをつかもうと願うのでした。
傲慢とは?善良とは?
架と真実、2人の思いはすれ違っていたことがわかってきます。誰が誰と釣り合うのか、そんなことを考えることこそが傲慢でしかない。そして善良というのは、表層的なものではない。
読めば、これまでの恋愛や人間関係での感情を思い出すことは、間違いないと思います。ぜひ読んでみてほしい傑作です!