映画『ラストマイル』は、満島ひかり、岡田将生がダブル主演を務める実写作品です。
ドラマ『アンナチュラル』『MIU404』の世界がつながることでも話題を集めています。
映画『ラストマイル』について、ネタバレであらすじを解説していきます!
- 映画『ラストマイル』あらすじ
- 映画『ラストマイル』ネタバレ解説
- 「2.7m/s→0」「70kg」の意味は?
- 『アンナチュラル』『MIU404』の登場人物はどう出てくる?
- 『ラストマイル』テンション上がる社会派エンタメ作品!
映画『ラストマイル』あらすじ
11月、流通業界最大のイベント「ブラックフライデー」の前夜に、世界規模のショッピングサイトから配送された段ボール箱が爆発する事件が発生。その後、日本中を恐怖に陥れる連続爆破事件へと発展していきます。
誰が、何のためにこの事件を仕掛けたのか? 残りの爆弾はいくつで、今どこにあるのか?
すべての謎が解き明かされたとき、この世界の隠された姿が浮かび上がります。
映画『ラストマイル』ネタバレ解説
ここから『ラストマイル』をネタバレありで、徹底解説していきます!
ネタバレ①大手通販サイトでなにが起こった?
ブラックフライデーが迫る中、大手通販サイト「デイリーファースト」は、西武蔵野ロジスティクスセンターでの効率的な運営に力を入れていました。**このセンターは、社員9人と800人の派遣社員で運営されており、システマチックかつ合理的に動いています。
新しくセンター長に赴任してきた舟渡エレナ(満島ひかり)は、チームマネージャーの梨本孔(岡田将生)と共にノルマ達成に努めていました。
デイリーファーストの目玉商品であるデイリーフォンの販売数が目標でしたが、エレナの元に警察から連絡が届きます。その内容は、デイリーフォンが届いた瞬間に箱が爆発し、受け取った顧客が焼死したという衝撃的なものでした。
エレナはデイリーフォンの出荷を中止する決断をします。現場は大混乱で、それは羊急便にも波及しました。
さらに、その影響は羊急便と業務委託を結んでいる佐野親子にも及びます。佐野親子は、1件配送するごとに150円の報酬を得る一方で、受け取ってもらえないと一銭も稼げない厳しい労働環境に置かれていました。
ネタバレ②過去に起こった事件とは?
デイリーファーストの歪な構造も浮かび上がってきます。**警察が犯人と疑っていた山崎佑は、エレナの前に勤務していた社員であり、かつて「ブラックフライデーが怖い」と言い残して自ら飛び降り、5年間昏睡状態にありました。
エレナもまた、ブラックフライデーを恐れ、精神的に不調をきたしていたことがわかります。エレナはセンター長に就任して3年目、心身ともに疲弊し、休職を経て復帰していたのです。
孔は、ロッカーに残された「2.7m/s→0」と「70kg」という文字を思い出します。この文字は代々センター長の間で受け継がれてきたものでした。
ネタバレ③連続爆破事件の犯人は?
連続爆破事件の犯人は、山崎佑の恋人・筧まりかでした。**山崎佑は、物流サービスに追い詰められて飛び降りたとされていますが、デイリーファーストはその責任を筧まりかに押し付けていました。
「自分が罪を犯したのなら自分が償う。しかし、世界が罪を犯したのなら世界は償ってくれるのか」
筧まりかは大企業の物流サービスと、それを利用する人々が山崎佑を追い詰めたと考え、事件を起こしたと思われます。
ネタバレ④犯人からのメッセージとは?
『ラストマイル』が提示しているのは、だれもが加害に加担しているという現実かもしれません。**
爆弾ひとつで、この世界は動きを止めてしまうことが明らかになりました。解決するには、この世界そのものの根本的な構造を変える必要があることを、突きつけられたのです…。
「2.7m/s→0」「70kg」の意味は?
ロッカーに残された「2.7m/s→0」「70kg」は、ベルトコンベアの速度と耐久重量を示しています。
だれにも止められない、機械のように使役されることへの警鐘を現していると考えられます。
ただ本作では明確な答えはないため、見た人ぞれぞれで考えるべきことなのだと思います。
『アンナチュラル』『MIU404』の登場人物はどう出てくる?
映画『ラストマイル』できになるのが、『アンナチュラル』『MIU404』がどこまでコラボしているのかです。それぞれの関わりを見ていきましょう。
『アンナチュラル』
ミコト(石原さとみ)と中堂(井浦新)のやり取りが印象に残りました。
連続爆破事件の犯人・筧まりかと、中堂はリンクしているんですね。中堂は、亡くなった恋人のために道を踏み外しそうになった過去があります。
中堂は、筧まりかについて「見上げた根性だ」と肯定するのですが、ミコトが否定するのは、その通りだなと思わせられました。 UDIラボも健在でした。
『MIU404』
伊吹と志摩がやり取りしているだけで、テンションが上がりました。
さらに3話で登場した勝俣が機捜にいます。時代の流れと積み上げてきたものを感じさせました。
『ラストマイル』テンション上がる社会派エンタメ作品!
『ラストマイル』はおもしろいのはもちろんのこと、深く考えさせられる社会派エンタメ作品に仕上がっています! ここは脚本・野木亜紀子さんと監督・塚原あゆ子さんのレベルの高い力量を見せてくれたと思います。
実写作品でここまでのものを見られるのはありがたいので、ぜひ劇場で!