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【極悪女王】どこまで実話?登場人物のモデルは?髪切りマッチや引退試合の裏話

Netflixドラマ『極悪女王』は、女子プロレスを舞台にした、ゆりやん主演ドラマ。

『極悪女王』はどこまで実話なのか?登場人物のモデルについて解説していきます!

Netflixにて2024年9月19日より配信。

『極悪女王』おすすめ書籍

『極悪女王』をさらに深く楽しむために、おすすめ本はこちらになります。

目次

ザ・ヒール

ダンプ松本の自伝。かなり赤裸々に当時の真相が書かれています。

1985年のクラッシュ・ギャルズ

クラッシュ・ギャルズの喧騒や葛藤が、ノンフィクション作家の柳澤が追っていきます。

『極悪女王』どこまでが実話?

髪切りデスマッチでの事件

ダンプ松本と長与千種の髪切りマッチ。長与千種が負けてしまい、髪を切られます。

実際に観衆1100人、ゴールデンでテレビ放送されました。番組打ち切りが決まったものの、血まみれの女性が、その場でバリカンで坊主にされるわけで、今だと考えられないですよね…。

そして試合後、ダンプ松本は、警備員に顔面を殴られたそうです。警備員を整列させて犯人を探したとか。

さらにダンプ松本が移動するバスを、500、600人が囲んで車体を揺すります。それだけダンプ松本への憎悪があったというわけです。

そもそもこの試合の前に、ダンプ松本は会社に頭がきていて「凶器を使わない」と伝えたのですが、会社側が「頼むから凶器を使ってくれ」「暴れてくれ」と懇願されたと言います。試合のギャラも上がったとか。

ダンプ松本引退試合の裏側

ダンプ松本の引退試合は、1988年2月25日川崎市体育館で、4500人という超満員の観客が集まりました。引退するダンプ松本と大森ゆかりがタッグを組み、クラッシュ・ギャルズと対戦。

長与千種、ライオネス飛鳥、ダンプ松本、大森ゆかりは、花の55年組で同期でした。この4人が同時にリングに上がるのは最初で最後。客の入りも熱気もクラッシュ・ギャルズの全盛期を彷彿とさせました。

ダンプ松本は、会社をいちばん困らせたいと思って、突然引退を告げたんですね。

試合は、ダンプ松本の凶器攻撃が炸裂して終わりますが、そこで驚きの展開があります。

ダンプ松本「長与! お前とは敵だけじゃ終われないんだ。長与こい! こっちへこい!」

なんとダンプ松本と長与がタッグを組んで、あらためて試合がスタート。

これはダンプ松本によると、千種が最後に5分、組みたいと言い出したそうです。ダンプ松本も、試合前に会社側に説得されたとか。

そして長与千種にとっても、この試合は特別なものでした。

「あの試合が終わったとき、やっぱうちの半分は死んだ」

「こういうことをベビーフェースがヒールに対して言うと、ファンの子は怒るかもしれないけれど、これもうちの賭のひとつとして言わせてもらうよ。長与千種にとって、ダンプ松本はかけがえのない人だった。本当に。あの人が引退するときには、長与千種の半分が無理心中せざるをえないほど、ダンプ松本は、長与千種にとってかけがえのない人だった」

引用:『デラックス・プロレス』88年5月号

長与千種とライオネス飛鳥の試合

長与千種とライオネス飛鳥が、シングルで対決する試合。その前日に長与千種が、ケンカ殺法をやろうとけしかけます。

長与千種は芽が出ないまま、終わりそうでした。そこで、自分の得意の空手を使ったプロレスをやろうとします。

「リング上で、長与千種のプロレスをやっておきたい」

「禁じ手のない試合がしたい。殴っても蹴ってもなにをしても構わない」

一方で、ライオネス飛鳥も、追い込まれていました。会社からはこう言われていました。

「お前は確かに強い。技もすぐに覚える。でもお客さんに伝わるものが何もなく、見ていてまったく面白くない」

だから長与千種の誘いは、望むところだったのです。若手の試合とは思えぬ激しい試合をして、自分の強さを松永兄弟と観客の目に焼き付けようとしていました。

ダンプ松本はヒール志望だった

ダンプ松本は、ファン時代からヒール志望だったんですね。会社は大柄なベビーフェイスにさせようとしていました。ダンプ松本は、いじめがあったときも、助けてくれたのがヒールの先輩だったんです。

クラッシュ・ギャルズは人気が出たものの、ヒールがいない状態。デビル軍団も解散危機。

そこで、1984年ダンプ松本が誕生します。

金髪で凶器を使ったヒールを見せたとき、会場のお客さんが「ダンプだ、ダンプだ!」と叫びました。お客さんが叫んだリングネームが当たるジンクスがありました。松永会長が「ダンプ熊谷」という名前にしようとすると、建設会社みたいだから「ダンプ松本」にしたいと要望を出したそうです。

長与千種は天才プロレスラー

長与千種は、天才プロレスラーでした。実力が上のプロレスラーはたくさんいます。しかし、長与千種はスター性があるプロレスラー。たとえ負けたとしても、お客さんの記憶に残るのは、長与千種だったのです。

長与千種は、「お金の稼げるプロになりたい」とはっきりと自覚していました。だからこそ過去のプロレスの試合や男子プロレスの最先端を研究して、自分たちの技に取り入れていました。さそり固めや、正拳突きも、長与千種のアイデアでした。

長与千種のプロレスは、少女たちがふだん眠らせている感情のすべてを引きずり出していったのです。

クラッシュ・ギャルズの確執

クラッシュ・ギャルズの確執は、ライオネス飛鳥の葛藤からはじまります。

ライオネス飛鳥は、歌やテレビ出演、CMに関して、つらくなっていきました。さらに試合でも、コーナーにいる時間が長くなっていきます。長与千種がいたぶられて流血する場面を、ファンが求めたからです。

ジャパングランプリ86で、ライオネス飛鳥は黒い水着で、長与千種と戦いました。これまでの水色ではない色で、決別を示したのです。

試合後、ライオネス飛鳥はマスコミの前で、一切の芸能活動を停止すると切り出します。

しかし、ライオネス飛鳥は迷いのなかへ。先輩のジャガー横田にSOSを出せたことで、気持ちの整理ができます。

そして87年1月4日、後楽園ホール新春興行で、8ヶ月ぶりにクラッシュ・ギャルズが復活したのです。

父親はヒドい人だった


ダンプ松本の父親は、飲む・打つ・買うの人で、ろくにお金も入れなかったそうです。

母親は父親への恨みつらみを日記に記していました。母親は墓の絵を描いて、「五郎のうそつき、裏切り者、早く入れ」と書き記していました。

全女入団までの道のり

ダンプ松本はどんな手を使ってでもプロレスラーになろうとしていました。

スター誕生のオーディションに参加したり、会長に自己紹介のテープを送ったりしていました。

そして6000人のなかから、全女のプロレスのオーディションに通りました。ダンプ松本は、まったく体力テストはできなかったけど、ハキハキ話したら通ったそうです。

ちなみに長与千種はオーディション終わっていて、関係者のつてで入ることができました。

営業部への転属はラッキー

ダンプ松本はなかなかデビューができなくて、免許を持っていたことから、営業部への転属を命じられます。

デビュー組は月給5万円、営業は月給7万円。

1人で宣伝カーを全国で回る仕事でしたが、ダンプ松本としてはラッキーで、会社にまだいてデビューを目指せると思ったそうです。

いじめの標的になっていた

ダンプ松本はデビュー前、いじめの標的にされていました。

亀の置物を背負わされて、亀になれと言われたり、バス移動でハンガーに吊るされたりしたと言います。

なお、長与千種も財布盗んで疑われました。食事して茶碗蒸しを食べて下を向いていたから。

どのくらい稼いでいた?

ダンプ松本は24歳のとき、年収5000万円を稼いでいたそうです。

ただ購入したフェアレディZを、アンチファンに傷つけられたとか。

年間300試合以上をこなした時期もあり、最高年収は6000万円。

それでも全国的な知名度を考えたら、もっと稼いでいてもよかった気がします。

松永兄弟は三兄弟ではなく四兄弟


松永兄弟は、やりたい放題だったようです。

豪邸を新築、1億円のクルーザー購入、秩父の山を買う、さらには移動用のバスを3000万円のベンツの新車にしたと言います。

物販は1000万円くらい稼いでいたのに、選手には還元されませんでした。

なお、松永会長が焼きそばを焼くのは、地方会場でやっていたそうです。

『極悪女王』登場人物のモデルは?

  • ダンプ松本(ゆりやんレトリィバァ):人気悪役レスラー。
  • ライオネス飛鳥(剛力彩芽):人気タッグチーム「クラッシュギャルズ」のひとり。
  • 長与千種(唐田えりか):クラッシュギャルズのひとり。
  • ジャッキー佐藤(鴨志田媛夢):ビューティ・ペア。
  • マキ上田(芋生悠):ビューティ・ペア。
  • ジャガー横田(水野絵梨奈)。
  • デビル雅美(根矢涼香)。
  • 大森ゆかり(隅田杏花):ダイナマイト・ギャルズ。
  • ジャンボ堀(安竜うらら):ダイナマイト・ギャルズ。
  • クレーン・ユウ(えびちゃん(マリーマリー)):極悪同盟。
  • ブル中野(堀桃子):極悪同盟。
  • 影かほる(戸部沙也花):極悪同盟。
  • ラブリー米山(鎌滝恵利)。
  • 松本里子(仙道敦子):ダンプ松本の母親。
  • 松永高司(村上淳):松永兄弟・三男。会長。
  • 松永国松(黒田大輔):松永兄弟・四男。レフェリー「ジミー加山」。
  • 松永俊国(斎藤工):松永兄弟・五男。
  • 阿部四郎(音尾琢真):興行プロモーター兼レフェリー。

『極悪女王』スタッフ主題歌

  • 企画:鈴木おさむ
  • 脚本:鈴木おさむ、池上純哉
  • 監督:白石和彌
  • オープニング:Awich「Are you serious?」
  • エグゼクティブ・プロデューサー:高橋信一
  • プロデュース:鈴木おさむ
  • 制作:Netflix

『極悪女王』のすごさ

『極悪女王』は実話をもとにしたフィクション作品になります。

実話を知ることで、さらに作品の楽しさが増すと思います。

とにかく80年代のすごさを感じてほしい。

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