映画『Cloud クラウド』は、黒沢清監督、菅田将暉主演のサスペンス作品です。
映画『Cloud クラウド』について、ネタバレであらすじを解説していきます!
映画『Cloud クラウド』あらすじ
吉井はラーテルというハンドルネームで転売を行って稼いでいた。転売業が軌道に乗ったある日、吉井の前に紙袋マスクの男が突如現れる。
インターネットに書かれたラーテルを憎む書きこみから、吉井は誰かに狙われていると感じ、彼の狂気は周囲を巻きこんでいく。
映画『Cloud クラウド』ネタバレ解説
ここから『Cloud クラウド』をネタバレありで、徹底解説していきます!
ネタバレ①前半・転売屋への恨み
吉井良介(菅田将暉)は、潰れた町工場の殿山からマイナスイオン医療機器を安く買い取り、転売して大儲けしました。しかし、アパートではネズミの死骸が見つかるなど不穏な出来事が続きます。
転売の先輩・村岡(窪田正孝)に対しても、吉井は軽蔑するようになり、オークションサイトの出資の依頼を断ります。
勤務先の工場の社長・滝本(荒川良々)から管理職への昇進を打診されるものの、吉井は断って、仕事を辞めてしまいました。
吉井は、恋人の秋子(古川琴音)と群馬に引っ越し、転売を続けますが、彼女との関係は冷え込んでいきます。
新たに雇った佐野(奥平大兼)との間にも緊張が生じます。窓ガラスを割られる事件や不審な車の出現など、吉井を取り巻く状況は悪化。さらに、偽物のバッグを売ったことで警察に疑われ、転売ビジネスも停滞します。
吉井のハンドルネーム・ラーテルから、ブランドバックを三宅(岡山天音)が購入。三宅は横流ししますが、全部ニセモノだとボコボコにされます。
三宅は、ラーテルのアンチコメントから匿名掲示板にたどり着きます。そこでラーテルに復讐計画を立てていること知ります。
やがて吉井は、滝本や三宅らに狙われて、森の中へ。
ネタバレ②後半・はげしい銃撃戦
吉井良介(菅田将暉)が目を覚ますと、廃工場にいました。
滝本(荒川良々)たちは、吉井を痛めつけ、その様子を全世界に配信すると告げます。
しかし、その時、工場の入り口で復讐メンバーの一人が佐野(奥平大兼)に撃たれました。実は佐野は元暗殺者で、吉井を助けるために銃を持って駆けつけたのです。吉井は佐野に拘束を解かれ、銃を渡されます。
2人は工場内を進み、殿山や三宅と銃撃戦になります。吉井は殿山を撃ち殺し、滝本は逃げる三宅を殺害。滝本や村岡も追い詰めて殺害します。
激しい撃ち合いのあと、吉井は自分が出品した人形が売れたことを確認して喜びます。すると秋子(古川琴音)が銃を向け、クレジットカードを要求。佐野が秋子を撃ち殺し、吉井は悲しみに暮れます。
佐野は、吉井は商売のことだけ考えてくれればいいと伝えると、吉井は「地獄だ」とつぶやきます。
考察①ラーテルの意味とは?
吉井良介(菅田将暉)の転売屋としてのハンドルネームは、ラーテルでした。
ラーテルは、イタチ科の動物です。なんでも食べる雑食で、蜂の巣からはちみつを食べることもあるそうです。
転売屋のなんでも仕入れるという特性が表現されているのでしょう。またラーテルがはちみつを食べるというのも、甘い蜜を吸うといったことを現していると考えられます。ミツバチが大事に作ってきた蜂の巣を横取りしてしまうのは、まさに転売屋ですよね。
だからこそラーテルは憎まれ、復讐されるわけです。
考察②Cloudの意味とは?
映画タイトル「Cloud」はどんな意味なのでしょうか?
Cloudは「雲」という意味ですよね。映画では、実態のない得体の知れなさを感じる人物が登場します。
吉井を助ける佐野は、なにものなのか、最後までよくわかりません。そして吉井は、現実を生きている感覚がないように見えます。会社や恋人に対して、まるで空虚な言動を見せることがあります。さらに吉井は復讐者たちと銃撃戦に突入していきます。
まるで雲のように、現実から浮遊した雰囲気を象徴していると考えられます。
『Cloud クラウド』スタッフ
- 監督・脚本:黒沢清
- 音楽:渡邊琢磨
- インスパイアソング:「Boy Fearless」[Alexandros]
- 製作幹事:日活、東京テアトル
- 制作プロダクション:日活、ジャンゴフィルム
- 配給:東京テアトル、日活
- 上映日:2024年9月27日
- 上映時間:123分
『Cloud クラウド』出演者
- 吉井良介(菅田将暉)
- 秋子(古川琴音)
- 佐野(奥平大兼)
- 三宅(岡山天音)
- 滝本(荒川良々)
- 村岡(窪田正孝)