映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は、アメリカで起きる内戦を描く作品です。
映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』について、ネタバレであらすじを解説していきます!
- 映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』あらすじ
- 映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』ネタバレ解説
- 『シビル・ウォー アメリカ最後の日』監督は?
- 『シビル・ウォー アメリカ最後の日』モデルになったのは?
- 『シビル・ウォー アメリカ最後の日』スタッフ
- 『シビル・ウォー アメリカ最後の日』出演者
映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』あらすじ
連邦政府から19もの州が離脱したアメリカ。テキサスとカリフォルニアの同盟からなる“西部勢力”と政府軍の間で内戦が勃発し、各地で激しい武力衝突が繰り広げられていた。
「国民の皆さん、我々は歴史的勝利に近づいている——」
就任 “3期目”に突入した権威主義的な大統領はテレビ演説で力強く訴えるが、ワシントンD.C.の陥落は目前に迫っていた。
ニューヨークに滞在していた4人のジャーナリストは、14ヶ月一度も取材を受けていないという大統領に単独インタビューを行うため、ホワイトハウスへと向かう。
だが戦場と化した旅路を行く中で、内戦の恐怖と狂気に呑み込まれていくー
映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』ネタバレ解説
ここから『シビル・ウォー アメリカ最後の日』をネタバレありで、徹底解説していきます!
ネタバレ①大統領の暴走
冒頭の大統領の発言では、勝利に近づいていると宣言します。大統領は就任3期目なんですね。これは現代のアメリカでは、大統領の任期は2期までなのであり得ないこと。さらに、FBIも廃止しています。この大統領が民主主義の根幹を揺さぶっていることが、示されます。
アメリカの大統領が2期までになったのは、初代大統領のワシントンから。ワシントンが2期目を終えたとき、3期目は不適当であるとして大統領選に出馬しませんでした。
グラントやセオドア・ローズベルトが3選を試みたこともありますが、実現していません。
ただ、第二次世界大戦中に、フランクリン・ローズベルトが4選を果たしています。戦時中の特殊状況ということで、1951年に憲法修正第22条で、3選は禁止されることになりました。
さらに、大統領は14ヶ月、取材を受けていない状況でした。これはジャーナリストと関わることなく、伝えたいことだけを伝えてきたことを示しています。
ネタバレ②内戦での勢力図は?
内戦が起こってアメリカの連邦政府から、19の州が離脱しています。政府と敵対するのは、テキサスとカリフォルニアの同盟軍・西部勢力=WF(Western Forces)です。
WFの旗は、2つの星と13本のストライプです。13は、アメリカが独立したときの州の数になります。いまのアメリカ国旗にも、13本のストライプがあり、さらに50の星があります。50は今の州の数ですね。
すなわち、WFは2つの州によって、アメリカを支配することを志しているとも言えます。
そしてテキサス州とカルフォルニア州が手を組んでいることも、おもしろい視点になっています。
テキサス州は保守の共和党の支援者が多く、レッドステートと呼ばれます。カルフォルニア州はリベラルの支援者が多く、ブルーステートと呼ばれます。
真逆の2つの州が手を取っているんですね。
ネタバレ③冬のワンダーランド
冬のワンダーランドという看板が掲げられている場所に、死体がポツンとある状態。なにが起こっているのかわからないまま、車で通過しようとすると、狙撃されます。
向かい側の家から、狙撃手が狙っていることがわかります。
そして近くには2名の兵士が、銃を構えていました。
ジョエルが「どこの軍なのか?」と尋ねますが、2名の兵士はわからないと。向かい側の家の狙撃手も、どの軍なのか不明なまま、撃ち合っているのです。
ジョエルが意味がわからないと混乱しますが、2名の兵士は狙われたら、撃たなければならないと、なんの疑問を持っていませんでした。
ネタバレ④どんな種類のアメリカ人なんだ?
本作で緊張感がマックスになったのは、ジェシー・プレモンス演じる兵士の場面でしょう。
ジョエルが交渉するものの、その場にいた仲間のジャーナリストが射殺されます。
そして兵士は「どんな種類のアメリカ人なんだ?」と、1人ずつ質問していきます。
「フロリダ」「ミズーリ」「コロラド」と答えていきますが、上海出身者は中国人だとして、射殺されてしまいます。
おそらく同じように殺された死体が、その場にはゴロゴロと転がっています。
だれが犠牲になるのか、果たして求めている答えは何なのか、まったく意図がわからない恐怖を感じました。
考察:ラストの意味は?
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』では、ラストはワシントンでの銃撃戦が描かれます。
ホワイトハウスにいる大統領のもとへ、WFの兵士たちが迫ります。
大統領の専用車が出てきて、兵士たちが取り囲みますが、リーはホワイトハウス内に向かいます。大統領が残っていることを確信していたんですね。
リーの予想通り、大統領はまだホワイトハウスにいました。
そして、若手のジャーナリスト・ジェシーが、前に出過ぎたことで、リーが守るために銃撃を受けます。リーが倒れながらも、ジェシーはカメラの撮影をし続けます。
これは旅の途中でリーは「私が撃たれたらそれを撮る?」という質問を、ジェシーにしていました。さらにリーはどんなことがあっても、「あなたの選択」だと伝えていたんですね。
そう考えると、ジェシー自身の選択を尊重することで、命を落としたわけです。
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』監督は?
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は、アレックス・ガーランドが監督・脚本を務めました。
アレックス・ガーランドは、もともとは小説家で『ビーチ』が有名ですね。『ビーチ』は、レオナルド・ディカプリオ主演で映画化もされました。
その後2002年、ダニー・ボイル監督の映画『28日後…』で脚本家デビュー。そして『エクス・マキナ』(2015年)で映画監督デビューを果たします。『エクス・マキナ』は、第88回アカデミー脚本賞にノミネートされました。
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』モデルになったのは?
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』のリー・ミラーにはモデルがいます。
まず、リー・ミラーという名前は、実際のジャーナリストの名前です。
リー・ミラーは、モデル活動をして写真家でもありました。そして女性初の従軍記者になっていきました。
リー・ミラーは、戦場に行った結果、うつ病になってしまいます。
さらに本作の制作スタッフが鑑賞していたのが、『メリー・コルヴィンの瞳』です。
メリー・コルヴィンは、1986年から戦場取材をはじめた女性ジャーナリスト。メリー・コルヴィンは、2001年に左目を失明、ミサイル弾を撃ち込まれて破片の影響でした。左目を眼帯していました。PTSDに悩まされます。
最後には2012年シリアで亡くなりました。
伝記映画の『プライベート・ウォー』は、戦場で称賛されて、PTSDになるけど、また戦場に行くという狂気を描いています。
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』スタッフ
- 監督/脚本:アレックス・ガーランド
- プロデューサー:アンドリュー・マクドナルド
- 編集:ジェイク・ロバーツ
- 音楽:ジェフ・バーロウ、ベン・ソーリズブリー
- 配給:ハピネットファントム・スタジオ
- 上映日:2024年10月4日
- 上映時間:109分
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』出演者
- リー・スミス(キルステン・ダンスト)
- ジョエル(ワグネル・モウラ)
- ジェシー・カレン(ケイリー・スピーニー)
- サミー(スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン)
- アニャ(ソノヤ・ミズノ)
- 大統領(ニック・オファーマン)