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【24年】湊かなえおすすめ小説15選!最高傑作はどれ?ベスト作品も紹介

『告白』や『夜行観覧車』『Nのために』『母性』『落日』など、ドラマ・映画化された作品がたくさんある湊かなえ。

『告白』での鮮烈なデビュー(正確には短編「聖職者」ですが)は、今でも覚えていますが、かなりの衝撃でした。なんという設定の作品を生み出すのかと。その後も、人間の負の感情を描き、イヤミスの女王とされていて、新刊が出るたびに話題になります。

湊かなえの作品数は多く、どの作品を読めばいいのか迷うかと思いますので、個人的ベストやおすすめ作品を紹介していきます!

湊かなえ 個人的ベスト5!最高傑作は? 

湊かなえの個人的ベスト5を紹介します。どれも読み応えのある作品です。

目次

1位『告白』

森口悠子はS中学校の女性教師であり、娘を校内で亡くてしまう…。終業式の日、彼女はホームルームで、娘の死について語りだす。しかも事故ではなく、このクラスの生徒に殺されたと告白する。

湊かなえの処女作であり、本屋大賞を受賞。やはり外せません。ゾクッとなる展開を見せていくんですね。松たか子主演、中島哲也監督で映画化もされました。

2位『贖罪』

15年前、田舎町で女児が殺害された。女児と遊んでいた4人の女の子たちは、犯人と思われる男と会っていたのに、事件は迷宮入りしてしまう。女児の母は「あなたたちを許さない」と彼女たちに激しく詰め寄る。

十字架を背負わされた4人の女の子たち、それぞれが悲劇の人生を歩むことになるんですね。贖罪の意味を問う作品になっています。エドガー賞の候補にノミネートされた作品。

3位『落日』

映画監督の長谷部から、新人脚本家である真尋は、次の新作について相談を持ちかけられる。15年前に起きた、笹塚町一家殺害事件をモチーフにしたいという要望で、事件は真尋の故郷で起こった。判決も出ていてあまり知られていない事件なのになぜ?

ラストまでたどり着いてほしい作品です。魂の叫びと希望の灯があります。

『落日』はWOWOWオリジナルドラマとして映像化。北川景子主演、吉岡里帆ら出演しています。

– YouTube

4位『母性』

中庭で倒れていた女子高生の娘。母は呆然としながら、「愛能う限り、大切に育ててきたのに」と嘆く。

母の手記と娘の回想が展開されていきます。そして浮かび上がってくる11年前の事件。娘の死は自殺なのか、予想もできないクライマックスが待ち受けています。

5位『望郷』

どうしても読んでほしい短編集が『望郷』です。小さな離島を舞台にして、さまざまな人間模様が描かれていきます。

特に第65回日本推理作家協会賞を受賞した「海の星」がおすすめ。主人公の青年が、真野幸作というおっさんと出会い交流するのですが、シンプルなあらすじながら、しっかり謎を散りばめていて、ミステリー作家としての手腕を味わうことができます。ほかにも人気テーマパークを題材にした『夢の国』も読んでいて、前向きになれる作品です。

湊かなえ おすすめ作品

おすすめしたい湊かなえ作品はまだまだあります。それぞれどういった点が魅力なのか、紹介していきます。

『人間標本』

「人間も一番美しい時に標本にできればいいのにな」。

イヤミス要素がたっぷりです…。なにしろ人間標本ですから。冒頭から不穏な気配が漂います。作家15周年記念書下ろし作品。

『Nのために』

東京の高層マンション48階で、大手総合商社課長の野口貴弘とその妻の奈央子が変死する…。現場にいたのは、小説家志望の西崎、出張レストランのバイト店員である成瀬、そして野口夫婦と交流があった杉下希美。それぞれが誰のために動いているのか?

まるで立体パズルのように緻密に構成された作品。そしてNが誰なのか判明したとき、切なさを感じてしまうこと間違いなしです。

『夜行観覧車』

4年前、分不相応ながら、高級住宅地「ひばりヶ丘」に一戸建ての家を建てた遠藤家。ここでは、街の付き合いや近所の人たちのルールによって縛られ、遠藤家の妻・真弓や娘・彩花は、嫌がらせを受けていた。その後、この街に観覧車ハーバー・アイが完成。遠藤家に理解を示そうとする高橋家に不幸が訪れる。

こういう設定がうまいですよね。高級住宅地という閉鎖された空間での居心地の悪さ。家族のあり方が問われる作品です。

『高校入試』

高校の入試前日。教師の春山杏子は、黒板に「入試をぶっつぶす! 」と書かれた貼り紙を見つける。そして入試当日に、ネット掲示板に試験内容が実況中継されてしまう。いったい誰の仕業なのか?

小さなコミュニティのどろっとした感情が描かれます。

『絶唱』

阪神淡路大震災、そして南の島・トンガを共通点にした四つの短編。

トンガの明るさと、阪神淡路大震災の陰惨な暗さ、このコントラストがあります。湊かなえは海外青年協力隊でトンガに2年間いた経験があるそうで、そのリアルさも感じられます。

『白ゆき姫殺人事件』

化粧品会社の美人社員が焼死体で発見された。偶然にもこの事件の関係者との接点があった週刊誌のフリー記者・赤星は独自に調査を始める。さまざまな人への聞き込みによって、行方不明になった被害者の同僚が容疑者として浮かび上がる。ネット上では憶測が飛び交い、過熱していき、同僚へのバッシングが始まる。

平気で誰もが話を盛ってしまう。そのために起こる悲劇。負の連鎖が止められない展開にげんなりしながら、その真相が明かされていきます。

『未来』

ある日、一通の手紙が届きます。送り主は未来の自分。テーマパーク「ドリームランド」に向かう途中で、中学3年生の章子は手紙を読み返している。

ファンタジー色が強いかと思いきや、かなり暗い内容になっていきます。悪意のある大人によって、不幸な出来事が起こっていくのです。未来に光はあるのか、衝撃度の強い作品です。

『少女』

転校生が親友の自殺を目撃したことがあると告白する。由紀は、自分なら人が死ぬ瞬間を見てみたいと思ってしまう。そして敦子は、死体を見たら、強い自分になれるのではないかと考える。2人はそれぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行くことを決める。目的は、死の瞬間を目撃すること。

高校2年の少女たちの陰惨な夏休みが描かれます。

『ブロードキャスト』

放送部を舞台にした青春もの。陸上を断念した町田圭祐は高校では、なんとなく放送部に入ることになります。放送部では、ラジオドラマ部門で全国大会を目指していくのですが、制作の方向性の違いで、仲違いをすることに。果たしてどのような作品が生まれ、どのような結果が待ち受けているのか?

『ドキュメント』

放送部の町田圭祐らは新たにテレビドキュメント部門の題材としてドローンを駆使して陸上部を撮影していく。

最終章には、感染症が蔓延してそもそも大会に参加できない悔しさも描かれています。がんばってきたものを誰に向ければいいのか、どう昇華させればいいのか、実力を発揮できる場を奪われた憤りを感じさせます。

湊かなえ ドラマ化・映画化

湊かなえの小説は、ほとんど映像化されています。主なものをまとめていきます。

映画『告白』(2010年)

『下妻物語』『嫌われ松子の一生』の中島哲也監督によって映画化。主演は松たか子。興行収入は、38億5000万円と大ヒットになりました。

映画『母性』(2022年)

戸田恵梨香と永野芽郁によって『母性』が映画化。母親と娘の2つの視点で物語は進みます。さらに映画ならでは仕掛けが待っています。

映画『白ゆき姫殺人事件』(2014年)

井上真央、綾野剛、さらには染谷将太、金子ノブアキ、菜々緒、貫地谷しほりといった豪華キャストで展開されます。監督は中村義洋。

人間の心を描く作家

湊かなえは、緻密な構成を駆使しながら、描いているのは人間の心。闇へ落ちていくこともあれば、そこに光を見ることもある。何度も読み返したくなる作品ばかりで、ぜひ読んでみてほしいです。

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