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『アフター・ビットコイン』仮想通貨の未来には何が待っているのか?

ビットコインはバブルなのか?

本命はブロックチェーン技術だとして、ビットコインの脆弱性を指摘しています。

著者はかつて日本銀行に勤務し、大学教授への転身後も決済システムについて研究していた中島真志さん。

仮想通貨の限界と可能性をまとめています。

ビットコイン後の世界には何が待っているのでしょうか?

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ビットコインは通貨なのか?

そもそもビットコインは、通貨なのでしょうか?

貨幣の三大機能は、

  • 一般的交換手段
  • 価値の尺度
  • 価値の保蔵手段

ということになりますが、これにビットコインは3つとも当てはまります。

ビットコインはそれぞれある程度の役割を果たしていて、通貨に近い機能を持っているんですね。

ただ、かなり限定的だと本書では指摘しています。

たしかに交換手段としては、投機目的が先行して、モノを買ったりするのにはそれほど使われていません。

何よりも通貨としてではなく、資産として利用されていることが問題で、そこにビットコインの限界があると見ています。

ビットコインのダーティーな側面とは?

仮想通貨の未来について、著者はかなり懐疑的な立場を取っています。

前述した投機目的の色合いが濃いのと、仮想通貨のマイナス面があることが、理由です。

マイナス面として、ビットコインがダーティーなイメージを持った3つの事件が紹介されています。

目次

シルクロード事件

アメリカで違法薬物などを不正に販売しているサイト「シルクロード」で起こった事件。 ビットコインが決済で使われていました。

ビットコインの匿名性が、犯罪者に悪用されたケースとなります。

マウントゴックス事件

当時、仮想通貨の取引所として最大手だったマウントゴックスで起こった事件。ビットコインおよそ470億円分が消失し、原因は外部からのハッキングだとされていました。実は、マウントゴックスの社長カルプスが自作自演での横領だったことが判明。仮想通貨に対する大きな信頼損失となりました。

ランサムウェア事件

2017年、ランサムウェアという身代金要求型ウィルスがばらまかれました。

これは企業のシステムや個人のパソコンをウイルスに感染させて、復旧したければ身代金を払え!と要求するものでした。

身代金はビットコイン。負の側面を見せてしまった事件でした。

ビットコインの仕組みとは?

ビットコインの特徴も、分かりやすくまとめられています。

発行上限が決まっている

まずは、発行上限が2100万BTCと決まっていること。

ビットコインのプログラム内であらかじめ決まっていて、これはビットコインをインフレに強いものにするためとしています。

コインが大量発行されて、価値が下がることを抑えているんですね。

これは、反対にビットコインがデフレになりやすいことを示しています。モノの価値よりもビットコインが強くなる傾向があると、著者は解説します。

これはビットコインが交換手段ではなく、投資目的になっている理由にもなりますよね。

上限が分かっていることで、ビットコインがラスト・デイを迎えると、マイニングに対しての報酬もなくなります。

マイニングはビットコインの信頼を担保するので、マイニングする人がいなくなるのでは?と予測しています。

4年ごとにリワードがある

リワードは、約4年ごとにマイニングに対する報酬が減ること。

マイニングにかかるコストがかかりすぎる可能性があるので、報酬をガクンと減らす施策が打たれます。

ビットコインが凋落する理由

ここでビットコインが凋落する理由を、本書からまとめてみます。

  • ダーティなイメージの広がりと信頼性の低下
  • 保有・採掘・取引構造の偏り
  • 発行上限やリワード半減の仕組みのもつ弊害
  • ブロックサイズ問題と分裂騒動
  • 仮想通貨に対する規制導入の動き
  • 健全なコミュニティ作りの失敗
  • バブル的な兆候

ビットコインの雲行きが怪しくなってきますね。

中央銀行がデジタル通貨を発行する!?

著者がビットコインの将来性に懐疑的なのは分かりました。では、その先にどんな世界が待っているのでしょうか?

銀行が仮想通貨を発行する未来を考えています。

現金型デジタル通貨

現金型デジタル通貨とは、中央銀行が銀行券を電子化すること。中央銀行が発行主体となるわけです。通貨単位が国内の通貨単位となります。

全体のシステムの運営についても中央銀行が行うので、仮想通貨の分散型とはまったくの真逆の思想になります。

ただし実現するには、かなりハードルが高そうです。

オープン型ブロックチェーンだと、悪意の参加者が出て来る可能性があります。
またマイニングを誰がするのでしょうか?さらにリワードも問題になります。

銀行は、中抜きするだけの存在になり、存在価値が揺らいでしまいます。

ハイブリッド型デジタル通貨

もう1つの方法が、ハイブリッド型デジタル通貨です。

銀行と中央銀行の2階層でブロックチェーンで管理します。中央銀行がRSコインを発行し、銀行が取引用帳簿を管理するという体制になります。

メリットとしては、デジタル通貨の発行を中央銀行が行い、顧客への小売を銀行に任せることができます。また取引件数も高い処理が可能になるでしょう。

おすすめ度7☆☆☆☆☆☆☆★★★

ビットコインの未来予測本として、かなり重厚な内容になっていました。

銀行側の動きが気になってきます。仮想通貨がどこに落ち着くのか、手がかりになる一冊でした!

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