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「3000万」最終回ラストの意味は?今年ベスト級の傑作ドラマ(ネタバレ考察・あらすじ感想)

ドラマ『3000万』は、安達祐実が主演を務めるサスペンス作品です。

ドラマ『3000万』最終回が放送されました。最終回は、キレ味鋭い結末でした。ドラマ『3000万』最終回について、あらすじ・ネタバレで解説していきます。

NHKで毎週土曜よる10時から放送。

ドラマ『3000万』最終回あらすじ

坂本(木原勝利)逮捕!司令塔を失った祐子(安達祐実)は、義光(青木崇高)の反対を振り切り、ソラ(森田想)と共にボスへの無謀なアタックを試みる。奥島(野添義弘)と野崎(愛希れいか)も決定的な証拠を手に…。

果たしてボスは悦子(清水美砂)なのか?組織の正体は?祐子の運命は?再び平穏は訪れるのか?その場しのぎと欲望が想定外の事態を招いてきた佐々木家の物語、決断と結末は?

引用:公式サイト

ドラマ『3000万』最終回ネタバレ解説

ドラマ『3000万』最終回について、ネタバレ解説していきます。

目次

ネタバレ①闇組織のボスを拘束

坂本(木原勝利)が逮捕され、祐子(安達祐実)とソラ(森田想)は、司令塔を失ってしまいます。

祐子は義光(青木崇高)に、湖で男をフライパンで殴り、池に沈めたことを告げます。「でも、純一にずっとそばにいるって約束したの」と彼女は言います。義光の反対を振り切り、祐子はボスへの無謀なアタックを試みます。

祐子、ソラ、長田(萩原護)は、闇組織のボス・穂波悦子(清水美砂)のマンションに潜入します。そして悦子を拘束することに成功します。

祐子は彼女に、いつからこの仕事を始めたのか、そのきっかけを尋ねます。悦子は冷たく、「雇われの身よ」と答え、キッチンの引き出しを指し示します。そこにハサミがあり、助けてくれれば、すべてなかったことにしてあげると、祐子を誘惑します。「自分のことだけ考えていればいいのよ」と。

ネタバレ②祐子とソラは脱出

一方、坂本は刑事の野崎春奈(愛希れいか)に事情聴取され、上がだれかもわからないと怒りをぶつけます。野崎は「なに言ってるの?組織なんてどこもそんなものでしょ」と反論します。

ボスの部屋の捜索を進めるソラと祐子は、隠し部屋を発見します。金庫の中には大金と名簿がありました。しかし、あやしい動きをしていた長田が裏切ります。ボスの部屋に、組織の末次(内田健司)が入ってきて、祐子とソラが拘束されます。

悦子は2人を殺害しようとしますが、祐子が悦子とのやり取りを録音していて夫に送ったと脅します。祐子とソラは暗い部屋に閉じ込められますが、悦子のハサミがあり、脱出することができました。

そこに警察がやってきて、悦子は逮捕されます。

祐子は、義光に電話をかけます。義光は「こういう慰めが意味がないんだな」と反省しますが、祐子は「意味なくないよ。ありがとう」と伝えます。義光は「とりあえず気をつけて帰って」と伝えました。

警察では、悦子が「わたし一人を捕まえたところで何も変わらない。また誰かが始める。エンドレスよ」と話します。それに対して、野崎は「それはこちらも同じです。追いかけ続けるだけですから」と決然とした態度を示します。

ネタバレ③祐子の決断は?

車内にて、ソラは祐子に尋ねます。

ソラ「おばさんはさ、やり直せるならどっからやり直したい?」

祐子「先にスーパー寄ればよかった。10分、5分でも遅かったらあなたと事故にあわなかった」

ソラは、お金を奪ったのはおばさんだよと言います。

祐子「いつも我慢して、縮こまってイライラしてそういう生活から解放されたいって。勝てなかった、3000万の誘惑に」

ソラ「バカだね」

そして、ソラは警察に出頭します。「自首ってここで合ってますか?」。

義光と純一のもとに、祐子は帰っていませんでした。義光は「だいじょうぶ、絶対なんとかなる」と励ましの言葉を伝えます。

祐子は涙ぐみながら、車のハンドルを握っていました。最後、信号が青になったところで、ターンをして元の道へ戻りました。

祐子の決断は…。

【考察】ドラマ『3000万』最終回 祐子の決断は?

最終回、ずっしりとした内容でした。ラストシーンは非常に余韻を残す終わり方でした。祐子(安達祐実)の選択について、さまざまな考察が広がる形となっていましたよね。祐子はどういう決断をしたのでしょうか?考察していきます。

考察①信号で止まっていた意味

最終回では、祐子が闇組織のボスと対峙する怒涛の展開が描かれていました。そしてラストシーンでは、信号待ちの中で車のハンドルを握りながら涙ぐむ祐子の姿が印象的でした。

この描写は、彼女の心の中で多くの思いが駆け巡っていたことを象徴しているように感じます。

安達祐実さんの表情がアップでかなり長い時間、映されていましたよね。これは祐子が死や逃亡をするのではないかと思わせる深刻さがありました。

だけどそれでも本当に大事なものはなにか、守るべきものはなにか、さまざまな選択肢を考えながら決断に至るまでの葛藤があったのだと思います。

視聴者にも祐子の思考や感情を深く感じ取らせる仕掛けが見事だったと思います。

考察①青になってターンした意味

そして信号が青になって、祐子の車はターンをして戻っていきました。

「戻る」ということは、先ほどの死や逃亡の可能性はないことを意味します。さまざまな思いを抱えながら、祐子は現実に戻ることを決意したのです。

では現実に戻ると決めて、祐子はどうするのでしょうか?これには3つ、可能性があると考えられます。

  1. 自首する
  2. 事実を隠ぺいする
  3. 闇組織をつくる

1が可能性が高いと思いますが、すべてを自白して、これまでを清算しようとしているわけです。罪を認めて警察には自首する。それは家に戻ることを意味しているといえます。

2は、警察には事実を伝えずに戻ろうとしたということです。事実隠ぺいをしながらも、家族のもとへ戻るわけです。

3は、闇組織を作ろうとするパターンです。さすがにそれはないと思いますが、闇組織のボスがいくらでも出てくるという発言から、祐子がボスになろうとしている可能性です。

それぞれ詳細を見ていきます。

自首する

「自主する」というパターンについて考えてみます。結論として、これが最も現実的な選択肢だと思います。祐子がすべてを警察に告白し、罪を認めて自主することで、これまでの過ちを清算する展開です。自主することは、家族の元へ戻るための第一歩でもあります。

このドラマでは、小さな誘惑や気の迷いがきっかけで、どんどん事態が悪化していきました。ラストのソラ(森田想)との会話を振り返ってみましょう。

ソラは「おばさんはやり直せるならどこからやり直したい?」と聞き、祐子は「先にスーパーに寄ればよかった。10分、5分でも遅かったらあなたと事故に遭わなかった」と答えました。

これは、物語の冒頭で起きた事故のことを指しています。しかし、ソラは「でもお金を奪ったのおばさんだよ」と返しました。祐子が選択を誤り続けたことが強調されています。

祐子自身も「いつも我慢して、縮こまって、イライラしていた。そんな生活から解放されたいと思った。3000万円の誘惑に負けてしまった」と語り、自分の弱さを認めています。

同時にドラマ全体を通じて、「やり直すことができる」というテーマも強調されてきました。夫・義光(青木崇高)の歌の歌詞「何度でもやり直せる」や、義光と息子との会話の中で「なんとかなる」という言葉です。

義光は、「先のことを深く考えない楽観的な存在」として描かれており、その姿勢が祐子にとってはイラ立ちを生みましたが、この最悪な状況では必要な姿勢だと感じさせました。祐子は「なんとかする」タイプの人間ですが、「なんとかなる」と信じる心を持つことで、ラストは自首する方向に切り替えられたのだと思います。

また、ソラからもラストを暗示するセリフがありました。ソラは、祐子に向けて「後ろめたいことがあると言いたいことも言えない。自業自得だけど」と話していました。この後ろめたさが、ずっと祐子を苦しめていたわけです。

ラストシーンでは、青信号を待ちながら深く考え込んでいましたが、最終的に彼女は「罪と向き合い、家族の元へ戻る」という決断を下したのではないでしょうか。この選択は、ドラマのテーマとも一致する、希望を感じさせる結末だと思います。

事実を隠ぺいする

警察に事実を伝えず戻ろうとするケースです。

最終回の冒頭までは、事実を隠ぺいしようと、祐子は行動していました。そのため、闇組織の名簿から自分たちの名前を消そうとしていたわけです。お金には興味がなく、息子と一緒にいることが目的だったのです。

ラストでもその思いは変わらず、行動原理として「家族のために」という意識が強く表れているのはあり得るでしょう。このような理由から、2つ目の可能性もあるのではないかと考えられます。

闇組織を作る

「闇組織を作る」というパターンも考えられます。さすがに可能性は低いとは思いますが、完全に否定はできません。

祐子が闇組織のボスに「どうやったらあなたのようになれますか?」と興味を示す描写がありましたし、闇組織のボス自身も捕まった際に「私一人を捕まえたところで何も変わらない。また誰かが始めるだけ」と発言していました。

海外ドラマ『ブレイキング・バッド』のように、普通の人が非合法な世界に足を踏み入れて覚醒していく展開とも通じる部分があります。科学教師が麻薬王になる話のように、祐子が闇組織を作る展開を見てみたい気もします。

しかし、ドラマの方向性やこれまでの展開を考えると、可能性としては低いのではないかと思います。

ドラマ『3000万』登場人物

  • 佐々木祐子(安達祐実):通販サイトの派遣社員。
  • 佐々木義光(青木崇高):祐子の夫で警備員。元ミュージシャン。
  • 奥島誠吾(野添義弘):定年間近のベテラン刑事。
  • 野崎春奈(愛希れいか):奥島のバディ。
  • 弘中文也(山岸門人):奥島の部下。
  • 佐々木純一(味元耀大):祐子と義光の息子。
  • 初山譲(持田将史):祐子のカスタマーセンターの上司。
  • 橋本舞(工藤遥):祐子の同僚。
  • 蒲池(加治将樹):地元のチンピラで、ソラの行方を追う。
  • 長田(萩原護):大学生で蒲池の部下。
  • 坂本(木原勝利):広域強盗事件の指示役。
  • ソラ(森田想):3000万円を持ち逃げ。

ドラマ『3000万』スタッフ・主題歌

  • 脚本:弥重早希子、名嘉友美、山口智之、松井周 from WDRプロジェクト
  • 音楽:渡邊琢磨
  • 演出:保坂慶太、小林直毅
  • 劇中歌作曲・ギター指導:大隅知宇
  • カーアクション:柿添清
  • アクション指導:吉田浩之
  • 警察考証:鈴木和弘
  • 法務考証:梅田康宏
  • 家計考証:水野崇
  • ピアノ指導:藤井尚子
  • 医事指導:冨田泰彦
  • 制作統括:渡辺哲也
  • プロデューサー:上田明子、中山英臣、大久保篤
  • 制作・著作:NHK

ドラマ『3000万』最終回 感想

ドラマ「3000万」の最終回ラストについて考察してきました。このラストには明確な答えがあるわけではありません。「自主する」という可能性が高いと思いつつ、他にもいろいろな解釈があって良いのではないかと思います。

最終回を迎えてしまい、さみしい気持ちになりますね。毎週、ハラハラさせられる展開が続きましたし、人間の心理描写が非常に丁寧に描かれていて、本当に心を動かされるドラマでした。全8話、存分に楽しませてもらいました。

また、このドラマがNHKによる企画で、複数の脚本家が関わる形で制作されたことも意義があったと思います。初期のプロジェクト段階から練られた作品であり、今後もこのような形のドラマ制作が続いていくのではないかと思います。現在も進行中の企画があるかもしれません。

とにかくNHKのドラマのクオリティの高さにはあらためて驚かされました。これからの新作にも期待したいと思います!

ドラマ『3000万』最終回 動画で解説!

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