「仕事が締め切りまで終わらない」
「なる早でやってくれと言われる」
「リスケするけれどさらにトラブルが…」
こんな経験はないでしょうか? 仕事術本『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』が解決のヒントをくれる内容だったので、ご紹介したいと思います。
- どんな本?
- 仕事が終わらない理由とは?
- 時間を制することのメリット
- ロケットスタート時間術とは?
- 1日をロケットスタート時間術で考える
- 長期の仕事の場合はどうするのか?
- 複数の仕事が並行している場合どうするのか?
- 明日やることリストを作っておく
- おすすめ度7 ☆☆☆☆☆☆☆★★★
どんな本?
著者の中島聡さんはプログラマーで、米マイクロソフト本社でWindows95の開発に携わった。「ドラッグ&ドロップ」を普及させたことや、「右クリック」の概念を生み出した。ちょっと経歴が凄すぎないですか!?
そんな中島さんの仕事術本。「ロケットスタート時間術」と名付けられた方法は、すぐにでも実践できる内容が詰まっていました。
仕事が終わらない理由とは?
仕事が終わらないという状況は誰しもが経験ありますよね。著者は、仕事が終わらない理由を3点に絞っています。
- 1.安請け合いしてしまう
- 2.ギリギリまでやらない
- 3.計画の見積もりをしない
うっ…、心当たりがありすぎて胸が痛い。そして「なるはや病」から脱却することを推奨しています。
「この仕事頼むぞ」「いつまでに仕上げらればいいでしょうか?」「なるはやで!」
こんなやり取り、あるあるですよね。
日本人も「この仕事2週間で終わらせて」と言われたら2週間で終わらせるように努力するはずです。なるはや病は、日本人の潜在的な能力を引き出さずに抑圧する、悪い病気です。なるはや病は何の意味も理由もない、ただの悪習慣です。
「なるはや」というのは、スケジュール管理しないということと同義。
まるで暗闇のトンネルを行進するかのように。これを「トンネリング」といいます。 トンネリングにはまった人は、処理能力が落ちているうえに、出口の光が見えていないので疲弊していきます。結果、仕事は終わりません。
そう、スケジュールを立てないまま、しかも進捗チェックをしないままの状態ほど、恐ろしいことはありません。
最後には徹夜すればなんとかなる。ラストスパート志向で根性でがんばって終わらせようとするも、結局締め切りが守れない。再度締め切りを設定するも、別のトラブルで守れない・・・。
時間を制することのメリット
仕事が終わらないのは、仕事のやり方がおかしいから。トラブル発生しても大丈夫なように、余裕を持って仕事に取り組まなくてはいけないわけです。
著者は石膏の彫刻の例を出します。まつ毛など細部から彫り始めるのではなく、大きく輪郭を荒削りする。プロトタイプを作ることから始めるべきということ。
要は時間を制することが大事。どんなメリットがあるのか?
- リスクを測定できる
- 目に見える形のもの(プロトタイプ)を素早く作ることができる
- 誤差に対応できる
締め切りの概念も変えるべきと主張しています。
締め切りに間に合わせようと考えていても、締め切りには間に合いません。しかし、締め切り前に締め切りがあると考えると間に合います。締め切りを狙ってはいけないのです
ロケットスタート時間術とは?
さぁ、ここからが実践編になります。
例えば、上司から10日で終わらせるようにと、仕事の指示があったとします。どうすればいいのか?
- 1.見積もりのために2日割り出しで使う。
- 2.その2日間はロケットスタート期間。2日で仕事をほぼ完成まで仕上げていく
- 3.ほぼ完成まで進めることができなかった場合、危機的な状況だと認識する。スケジュールの見直しを提案する。
はぁ、これってめちゃくちゃ感覚が違う。2日でほぼ完成まで進めるべきとは…。残り8日間もあるんですよ。『ドラゴンボール』の「20倍界王拳」をイメージせよとまで言います。
- 時間に余裕があるときにこそ全力疾走で仕事する
- 締め切りが近づいたら流す
ラストスパート志向を矯正するために、スタートダッシュに全力をかけるべきなのですね。
1日をロケットスタート時間術で考える
1日もロケットスタートの概念を取り入れているそうです。
著者は朝4時からロケットスタートしていると言いますが、外部要因の締め切りが設定できたり(家族が起きてくる前に終わらせる)、話しかけてくる人がいないため集中できるそうです。
仕事の方法はまとめると次の4点に集約されると言います。
- すべての仕事をスタートダッシュでこなして、絶対に終えられる納期を導き出す
- 最初の2割の期間を「見積もり期間」としてもらい、実際には、仕事量の8割を終える
- 最初の2割の期間で8割の仕事ができなかったら、期限を延ばしてもらう
- 「仮眠を取る」と「マルチタスクをやめる」で、仕事の効率を上げる
長期の仕事の場合はどうするのか?
長期の仕事の場合は「まずは仕事を縦に切れ」。
1冊の本を作る場合、1年かかったりしますが、以下のように分けていきます。
- ①原稿の執筆→5か月
- ②その修正→3か月
- ③著者と編集者のチェック・印刷工程→4か月
さらに縦に3つに切り分けていきましょう。
- 5か月(150日)の仕事=50日×3つ
- 3か月(90日)の仕事=30日×3つ
- 4か月(120日)の仕事=40日×3つ
最後に2週間程度にまで切り分けていきます。
- 50日の仕事=16日×3つ
- 30日の仕事=10日×3つ
- 40日の仕事=13日×3つ
16日かかる仕事は、打ち合わせ、企画まとめ、執筆、手紙を書くなどがありますが、それぞれロケットスタートで進めます。
複数の仕事が並行している場合どうするのか?
複数の仕事が並行している場合は、「1日を横に切れ」。
まずは1日を朝・昼・夜の3つに切り分けます。
- 朝 1冊目の編集
- 昼 2冊目の編集
- 夜 3冊目の編集
この中で20倍界王拳から流しの時間術を使っていくわけです。3日目以降は10倍界王拳から流し。つまりは、ロケットスタート時間術を3つ並べた状態で、それぞれ使っていくわけです。メールや電話への返事などの雑務は流しの時間にこなしていきましょう。
あとは、マルチタスクはしないこと。1冊目の仕事をしているときに、2冊目・3冊目のことは考えずに、集中していくことが効率良い仕事の秘訣のようです。
明日やることリストを作っておく
夜寝る前に明日やることリストを作っておきましょう。
- 左端にチェックボックスを書く
- その右に仕事の内容を書く
仕事は15分ほどで終わる単位で切り分けておくこと。
これで明日朝からタスクに取り掛かることができ、午前中にはリストがきれいになっている状態を目指せばいいのです。
おすすめ度7 ☆☆☆☆☆☆☆★★★
シンプルだけど実用的。かなり使える仕事術でした。
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