ドラマ『東京タワー』は、大学生と年上の既婚女性の関係を描いた作品です。原作は20年以上前の小説ですが、いま映像化する意味がちゃんとある作りでした。各話を簡単にまとめたうえで、その中身を考えます。
ドラマ『東京タワー』あらすじ
医大生の透が、母の知人でもある年上の女性と出会います。関係が始まってしまった後で、互いの立場と過去が明らかになっていく。友人の恋愛模様と並行して描かれることで、2つの対照的な関係が浮かび上がります。
各話あらすじ(簡易版)
各話の流れを簡単にまとめます。詳しい展開は本編でご覧ください。
- 1話:透が詩史と出会い、惹かれていく
- 2話:2人の関係が始まるが、思わぬつながりが判明する
- 3話:詩史の家庭の事情を知り、透が動揺する
- 4話:距離を置こうとするが、再び引き寄せられる
- 5話:同世代との関係を試すが、うまくいかない
- 6話:2人の時間が続く一方、友人の状況が動く
- 7話:友人の関係が破綻し、対比が鮮明になる
- 8話:透が本心をぶつけ、関係が転機を迎える
- 最終話:2人が最終的な選択をする
【感想】板谷由夏の「大人の側の疲れ」
この作品が成立しているのは、年上側が優雅に描かれていないからだと思います。
余裕があるように見えて、実は追い詰められている。板谷由夏さんは、幸福そうな表情の下に疲れを置いてきます。だから憧れの対象としてではなく、生活を背負った人として見える。ここが原作の映像化として重要な部分だと思います。
2組の恋愛を並べる構成
透の関係と、友人の関係が並行して描かれます。片方は静かで、片方は騒がしい。
同じ「年上との関係」でも、向き合い方がまるで違う。比較対象があることで、透が何を選んでいるのかがはっきりするんですよね。
【考察】この作品の主題は「終わりを前提にした関係」
私は、この作品が描いているのは恋愛の成就ではなく、続かないと分かっている関係の価値だと考えています。理由が2つあります。
理由①最初から未来がない
2人の関係には、最初から将来の選択肢がありません。結婚も、公にすることもできない。
それでも続いてしまう。普通の恋愛ドラマが「どうなるか」を軸にするのに対し、この作品は「どうにもならない」ことを前提に進みます。だから緊張の質が違うんですよね。
理由②透が成長するほど関係が終わりに近づく
もうひとつ、透が大人になるほど、この関係は維持できなくなります。学生だから許されていた部分があるからです。
つまり成長と関係の存続が、真っ向から対立している。切ないのは別れそのものではなく、この構造のほうだと思います。
【考察】タイトルが東京タワーである理由
東京タワーは、どこからでも見えるのに、近づくと大きすぎて全体が見えない建物です。
遠くから眺めるものとしては完璧で、真下に立つと分からなくなる。2人の関係の距離感そのものですよね。そして、古くなっても建ち続けている。この作品の時間感覚とも重なる、良い象徴だと思います。
ドラマ『東京タワー』登場人物
- 小島透(永瀬廉):医学部に通う青年。詩史に惹かれていく
- 浅野詩史(板谷由夏):建築家。透と男女関係に
- 大原耕二(松田元太):透の友人。喜美子を誘惑する
- 川野喜美子(MEGUMI):専業主婦。耕二に惹かれていく
- 白石楓(永瀬莉子):透に思いを寄せる
- 森山由利(なえなの):耕二の彼女
- 川野比奈(池田朱那):喜美子の娘
- 川野裕介(おいでやす小田):喜美子の夫
- 浅野英雄(甲本雅裕):詩史の夫
- 小島陽子(YOU):透の母親
ドラマ『東京タワー』スタッフ・主題歌
- 脚本:大北はるか
- 音楽:近谷直之
- 監督:久万真路、松本喜代美、畑山創
- ゼネラルプロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)
- プロデューサー:残間理央(テレビ朝日)、島本講太(ストームレーベルズ)、岡美鶴(アズバーズ)
- 主題歌:King & Prince『halfmoon』
- 挿入歌:Travis Japan『Sweetest Tune』
- 制作協力:アズバーズ
- 制作著作:テレビ朝日 ストームレーベルズ
『東京タワー』は終わりを前提にした関係の話
というわけで、ドラマ『東京タワー』の感想と考察でした。派手な展開はありませんが、空気で見せるタイプの良作だと思います。皆さんはどう見たでしょうか。
