- 作者: 佐藤ねじ
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2016/10/14
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (4件) を見る
『超ノート術 成果を10倍にするメモの書き方』がワクワクする内容だったので、ご紹介します。
著者は「レシートレター」などを発想した人気クリエイター佐藤ねじさんです。
いったいどのようなノートの使い方をしているのか、実例豊富に手の内を明かしてくれます!
ノート活用の3ステップ
佐藤ねじさんは以下の3ステップで、ノートを活用しているそうです。
- 1.毎日コツコツと、気になったことをノートにメモする(2軍ノート)
- 2.そのなかから、選りすぐりのメモだけを特別なノートに書き写す(1軍ノート)
- 3.選ばれたメモは頻繁に見返し、アウトプットに活用する
使うのは1軍ノートと2軍ノート。すごくシンプルですね。
紙のノートがいいの?
佐藤ねじさんが使っているノートは、ずばり「ツバメノート横罫線」。モレスキン(MOLESKINE)は1軍ノートとして使用するとのこと。
デジタルも活用していて、2軍ノートをEvernoteにすることもあるようです。その場合は、面白いものには「★」を、それほどではないものには「●」をしるしにつけておきます。
ただし、あくまで紙のノートが中心なのは、以下の理由から。
- 毎日のメモを通じて自分の内面を見ることができる
- 2軍から1軍に昇格するうえで、紙上でひねりを加える
ノートが思考のプロセスを示し、見返したくなる仕掛けがそこにあるわけですね。
具体的なノート術
昇格のルール
「この発想は自分の企画でもいつか使える」アイデアだけが1軍ノートへ。基準はアウトプットしてイメージできるか、そしてトキメキがあるか。1軍ノートには精鋭がそろっているわけですね。
種を転がしていく
2軍から1軍ノートに昇格するのは、ただ単に書き移すのではなく、種を転がさないといけません。
種を転がすには、「マインダラート」と「マインドマップ」を組み合わせて発想していきます。
「マンダラマート」とは、3×3のマスを用意し、中央に単語を入れて、周りの8マスに連想できるものを入れていくことで発想を広げていく方法。マスをとっぱらって、「マインドマップ」のように、蜘蛛の巣状にアイデアをつなげていくのが佐藤式となります。
(引用元:書籍『超ノート術 成果を10倍にするメモの書き方』より)
要素を分けていく
本書で紹介されている実例が、新たに猫グッズを考える場合です。アイデア、要素を分けていきます。「猫」と「グッズ」とそれぞれ発想して書き記していくわけですね。
だけど、そこで得たアイデアは、まだまだ接着点が弱い。安易。練り込みが大事になります。
いずれも接着点がちょっと安易なのです。これでは、「おお、そうきたか」という驚きも、「これはいいね」という共感も得られません。要素の組み合わせが意外だと驚きが生まれるのではなく、組み合わせの接着点にひねりがあることで、アイデアとしてぐんと面白さが増すのです
ここで良いアイデアだなと思って止まってる場合が、けっこうあるなぁと。一捻り入れて、アイデアをさらに磨いていかないといけないんですね。
さらに要素を分けていく
良い接着点を探すためには、要素をさらに分解。ジャンジャン掘り下げていかなければなりません。
発想テク「2点接着」
接着点が2つ以上があるか。ねじさんが例として挙げたのが、「猫の顔をかたどったガスレンジ」。
ツマミが猫の目になって、グリルに魚を入れて火をつけると、まるで猫が笑っているように見えてくる。これは、2つの接着点、「魚」と「目」がありますよね。
発想テク「こんな〇〇はいやだ」
アイデアが枯渇しそうなとき、逆張りをしていく。こんな◯◯はイヤだ!と考えてみるという発想テクですね。座るとつぶれてかわいくなる猫のブサ顔グッズなど。
発想テク「配合率を変える」
「猫」と「グッズ」という要素の配合率を変える方法です。「5:5」ではなく、「1:9」にしたら・・・。例えば、踏むと「にゃー」と音が鳴るクッション。ほぼクッションですが、猫要素が1あるという割合。
コンテンツ作りで気をつけること
佐藤ねじさんがコンテンツ作りで心がけていることは…??
人の思い込みを覆すようなコンテンツを作ることができれば、SNSなどで拡散されて、一気に告知効果が狙えます。ところが、そのようなコンテンツを作るには、「○○はこういうもの」という思い込みに気づく必要があります。これがなかなか難しい。なぜなら、人は自分が当たり前だと思っていることには、なかなか気がつかないからです。
思い込みを覆す。ここまでのノート術を見てもわかる通り、簡単にはできないことですよね。
アウトプットって大切
またアウトプットの大切さも指摘しています。
社内のメーリングリストやブログなどを活用して、最低でも週に1回はアウトプットすれば、1年で50回以上も自分のアイデアを外に出すことができます。SNSで1日ひとつ投稿すれば、1年で365個の小さなアウトプットを発表できます。反応がまったくないこともあるでしょう。でも、あるとき社内のメーリングリストにのせたアイデアが別の部署の先輩の目にとまって、「これ、面白いね。今度、クライアントに提案してみるよ」とメールをもらうかもしれません。ブログに書いたエントリーがいつの間にかバズり、「これを広告コンテンツに応用できませんか」という連絡をもらうかもしれません
アイデアは活用されないと意味がありません。だからこそのアウトプットということでしょう。
アウトプットすると、自分が試されてしまう。自分なんて面白くない、たいしたことないんだ……。そんなふうに思っている人には、こう言いたいです。 「ノートを開いてみてください。そこには、あなたのオリジナリティがきっと隠されていますよ」
自分なんて面白くないんじゃないか。この感情、企画を立てるときは常につきまといます。そこでノートが自分にとっての心の友のような存在になるんですね。
打ち合わせでのノートの取り方
ほかにも打ち合わせ時のノートの取り方も紹介されていました。
ベースになるのは、コーネルメソッドです。コーネルメソッドとは、コーネル大学のウォルター・パウク教授が考案したノートの作成法。
◾︎コーネルメソッド法
-
ページの下から5センチほどのところに横線を引き、その下側にサマリーを書く
-
ページの左から6センチほどのところに縦に線を引き、その左側には重要なポイントを、右側には講義の内容を書く
◾︎佐藤ねじ式
-
ページの真ん中に線を引く
-
左側にファクト(事実)や打ち合わせの議事録などを書く
-
右側にはそれに対する自分の考察や、関連して思いついたアイデアを書く
(引用元:書籍『超ノート術 成果を10倍にするメモの書き方』より)
ブルーパドルを目指す
佐藤ねじさんのアイデア発想についての源泉となるのが、「ブルーパドル」を目指すという考え方。
まだ誰も手をつけていないブルーオーシャンは、企画においてもなかなかありません。
だったら、「ブルーオーシャン」ではなく「ブルーパドル」を探せばいいのではないか、というのが僕の発想です。「パドル」とは、「水たまり」という意味です。大きな手付かずの海はそうないけれども、水たまりサイズならわりと簡単に見つけられるはず
おすすめ本
佐藤ねじさんのおすすめ本は以下になります。
- 嶋浩一郎のアイデアのつくり方 (ディスカヴァー携書)
- 考具 ―考えるための道具、持っていますか?
- デザインの輪郭
- 佐藤雅彦全仕事 (広告批評の別冊 (8))
- HUNTER×HUNTER 1-33巻セット (ジャンプコミックス) [コミック] [Jun 03, 2016] 冨樫義博 [コミック] [Jun 03,…
- クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法
- アイデアの接着剤 (朝日文庫)
- 本の逆襲 (ideaink 〈アイデアインク〉)
- やっつけメーキング (田中偉一郎の本 1)
さいごに
アイデア発想術が満載でした。何より実例が豊富で具体的なのがよかったです。
できれば個人的には情報はデジタルで一元化したいので、佐藤ねじさんのノート術を参考にしながら、アイデアの種を蓄えて醸成する場を作りたいと思います。
コメント