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『スタンフォード式 最高の睡眠』科学的エビデンスに基づいた睡眠メソッドを学ぶ

寝不足でカラダがだるい…。

睡眠の質を上げたいというのは、誰もが思うところではないでしょうか。本書の目的はズバリ「あなたの睡眠を、あなた史上最高にする」こと。睡眠研究の権威であるスタンフォード大学での知見を軸に、究極の睡眠メソッドが伝授されます!

本書をざっくりまとめると…

  1. 睡眠は量ではなく質で決まる
  2. 最初の90分が勝負の分かれ目
  3. 体温と脳のスイッチを操ればグッと深い90分が手に入る

最初の90分で睡眠の質は決まる!

眠りについての悩みは「量」では解決しない、と本書では言い切ります。

最高の睡眠とは、脳・体・精神を最高のコンディションに整える、「究極的に質が高まった睡眠」となる。

睡眠の質が上がることでのメリットを確認すると…

  • 寝ているだけで自律神経が整う
  • グロースホルモンが分泌する
  • アンチエイジングにもなる。
  • 脳のコンディションがよくなる

めちゃくちゃメリットありですね。

睡眠の質は、「最初の90分」が勝負の分かれ目になるそうです。体温と脳のスイッチを操れば、グッと深い90分が手に入るわけです。

3つの体温スイッチ

ここから具体的な方法を見ていきます。

体温スイッチを入れるためのポイント

質の高い睡眠を手に入れるためのポイントは、「皮膚温度」と「深部体温」の差を縮めること。

  • 「皮膚温度」は手足の温度のこと
  • 「深部体温」は体の内部の温度のこと

入眠前に「皮膚温度」は上がり熱を放散し、「深部体温」を下げているんですね。この差が縮まっていることがスムーズな入眠につながります。

睡眠までの以下のようなサイクルになると理想的。

  1. 覚醒時、体温を上げてパフォーマンスを上げる
  2. 「皮膚温度」を上げて熱放散すると、「深部体温」が下がり入眠しやすい
  3. 黄金の90分は体温下げて眠りの質を上げる
  4. 朝が近づくにつれ体温上昇し、覚醒へ

よくドラマの場面で出てくる、冬山で眠くなるのはなぜか? これも「皮膚温度」と「深部体温」の関係で説明できます。

「深部体温」が下がると、入眠のスイッチが入り体はガタガタ震えだす。体温維持のため筋肉を動かして熱生産を始める。これで脳へのエネルギー不足になってしまうんですね。脳は自律神経を動かし、それ以外はスリープ状態に。これが眠くなる理由になるそうです。

体温スイッチ1 就寝90分前の入浴

「深部体温」は上がった分だけ大きく下がろうとするので、「深部体温」を一時的に上げる。下がった「深部体温」が元に戻るのは90分。寝る90分前に入浴するとスムーズに入眠できる。

例えば、0時に眠るなら、90分前の22時30分に入浴終了しておくといいわけです。すぐ寝たいなら、「深部体温」を上げすぎないように、シャワーがベスト。

体温スイッチ2 足湯に秘められた驚異の熱放散力

足湯は、足の血行をよくして熱放散を促してくれるので、入浴と同等の効果があるそうです。体温上昇させずに深部体温を下げるのに貢献してくれます。

靴下履いたまま眠るのはNGで、足からの熱放散が妨げられる。これだと深部体温が下がりにくくなるんですね。

体温スイッチ3 室温コンディショ二ング

室温を熱すぎず寒すぎず調整しておくことで、体温効果を上げていきます。

ちなみに寝具については、かけ布団よりも敷布団のほうが材質による影響があるそうです。沈み込むより高反発の方が深部体温が低くなる。また、そば殻まくらは通気性があっておすすめだそうです。

2つの脳スイッチ

続いては脳スイッチについてです。

脳のスイッチ1 モノトナスの法則

モノトナス(単調な状態)にすることが大切。睡眠前は、刺激のあるものは遠ざけないといけません。ルーティンも大事で眠る前に同じことをするのは効果あり。ここでも静かな音楽など、なるべく刺激がないものを。

脳のスイッチ2 羊の数え方

羊の数え方については驚きの事実が明かされます。日本語だと「1匹、2匹…」と数えますが、英語では「sheep、sheep…」となるんですね。これただ単に数えているわけじゃなかった。「sleep」とも響きが似ているし、数えているうちに眠りに誘われる気がします。日本語だとムリがある(笑)。

覚醒するためのスイッチと戦略

睡眠と覚醒はセット。覚醒するための具体的な方法を本書の中から厳選して学んでいきます。

覚醒スイッチ1 光

体温、自律神経、脳やホルモンの動きも光がないとリズムが崩れて調子が悪くなる。太陽の光を朝は必ず浴びるようにしましょう。

覚醒スイッチ2 体温

外的要因で崩れないようにする。覚醒時はしっかりと体温を上げて活動しておきます。

覚醒戦略1 アラームを2つセット

レム睡眠は90の倍数と言われるが、レム睡眠がいつ出現するかを調べるのは難しいので大雑把すぎる。なので、起床の余白を作るべきだとします。

たとえば7時に起きるとすると、6時40分と7時に目覚ましをセットする。朝方であればレム睡眠の時間は長くなっているし、20分前後でノンレム→レムの切り替えが行われている。このタイミングを狙うわけです。1回目はごく微音で短くすることがコツ。

覚醒戦略2 裸足朝活

脳の上行性網様体を破壊すると寝たような状態になるそうです。裏を返せば上行性網様体を刺激すれば覚醒するということ。

裸足だと皮膚感覚が刺激されて上行性網様体を活性化させることができる。さらに深部体温と皮膚体温の差を広げることができて、覚醒に導きやすいようです。

覚醒戦略3 ハンドウォッシュで目覚める

手を冷たい水で洗うと、深部体温と皮膚体温の差が広がる。朝風呂はお勧めできないので注意を! 体温上昇すると下げようとする働きになるからですね。眠気がくるらしいです。シャワーくらいならOK。

覚醒戦略4 汗だくは避ける

夜よりは朝の方がジョギングは適している。交感神経優位になって活動モードになるんですね。ただし汗だくまで運動すると、体温が上がりすぎて、発汗による熱放散が起きて元の体温より下がるそうです。眠気がやってきちゃいます。朝は早足のウォーキング程度に抑えておくのがおすすめ。

覚醒戦略5 テイクアウトコーヒー

血中のカフェイン濃度は無くなるまで4時間くらい。夜は避けるようにする。朝のテイクアウトコーヒーはお勧め。店員さんとのコミュニケーションにもなり覚醒するということですね。

覚醒戦略6 大事なことをする時間を変える

朝6時〜9時までは集中タイム。著者本人もこの時間帯に頭を使う仕事を入れているそうです。

睡眠の豆知識

カフェイン摂取で眠れなくなる理由

あとはカフェインで眠れなくなる理由も解説。カフェインは「アデノシン」の働きを妨害するそうです。アデノシンは、抑制の働きを持つ神経伝達物質。なるほどですね。

眠る時間の決め方

通常就寝する時間の直前から2時間前あたりまでがもっとも眠りにくいという学説があるそうです。フォビドゾーン(睡眠禁止ゾーン)と呼ばれています。

まずは起きる時間を固定します。起きてから14〜16時間覚醒していると睡眠圧が高まっていく。
たとえば8時に起きたとしたら、22時ごろから睡眠圧が高まっていく。そのあたりが入眠定時となります。

ランチ後の眠気の正体は?

昼を食べたあと、体がだるくなることがあると思います。よく言われるのが、食べ物の消化により血流が腸にいくため、脳にいきわたらないという話。これは著者によると、間違い。血流は、どんなときも脳を優先するというわけです。

この午後の眠気(アフタヌーンディップ)の原因は2つ。

  1. 睡眠負債で睡眠圧が増している。
  2. サーカディアンリズムなどの体内時計の問題。

ランチとは関係ないんですね。とはいえ、昼はなるべく重い食事をとらないようにするのはいいそうで、オレキシンなどの覚醒物質の活動を抑えないように。

おすすめ度7☆☆☆☆☆☆☆★★★

睡眠について網羅された内容でした。さらに具体的な方法が紹介されているので、すぐに取り入れることができるのもポイント高いです。睡眠を改善するための知識を得たいならオススメです!

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