コミュニティ作りというのは、これからの時代にとって必須なことなのかもしれない。そう思わせる内容でした。
著者の佐渡島さんはコルクというクリエイターが所属する会社を経営しています。講談社在籍時代に『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』といったビッグヒットの作品を編集していた経験を持ちます。
佐渡島さんは仮説を繰り返してこれからの時代のコミュニティ作りを見せてくれます。ワクワクする内容でした!
- タイトルが英語という大胆さ
- コミュニティ作りの本
- 出版点は孤独は避けられない
- 熱狂だけでは持続しない
- おすすめ度7☆☆☆☆☆☆☆★★★
- 本書内で紹介されているおすすめ本
タイトルが英語という大胆さ
まず感じるのはなんとも大胆な本だということ。
英語タイトルなんですよ。これは嫌がる。社内でも異論があっただろうし、営業が嫌がる、取次も嫌がる、書店だって嫌がる。タイトルだけ見ても、どんな内容かわからないわけで。
だけど、そんな慣習を吹き飛ばそうとする気概を感じます。
オンラインサロンというベースがあるからこそ、書名を英語にできる。それだけ基礎的なファンがいて販売が見込めるわけですね。
コミュニティ作りの本
本書は、コミュニティ作りに関する内容です。コミュニティ作りって今、かなり流行っていますよね。
堀江貴文さん、キングコング西野さん、はあちゅうさんなどがオンラインサロンで人を集めています。著者の佐渡島さんも、コルクラボを運営しています。さらに、本書の編集の箕輪さんも箕輪編集室を運営しています。
現状、コミュニティ作りの本は少ない。事例が少ないし、まだまだ過渡期だからでしょう。そこで、著者は仮説を立てて、オンラインのコミュニティ作りについて検証していきます。
出版点は孤独は避けられない
冒頭は、意外な内容から始まります。
孤独は避けられない
孤独を受け入れながら、つながりを持つにはどうすればいいのか、それがコミュニティ作りを考えたきっかけだそうです。
佐渡島さんは、安心と自由をインターネットなら手に入れることができるとしています。
インターネットはなめらかさを提供してくれるんですね。例にあげているのはAmazon。買い物体験をなめらかにしているし、コンビニの支払いもAmazonGoによってなめらかにしようしています。
ただ、インターネットはオープンすぎて、安心・安全を確保するには相性が悪い。いろいろな思想や意見や立場がごちゃ混ぜになっていて、どうしても相容れない立場の人も同じ空間にいることになります。そこで、ある程度のセグメントされたコミュニティが必要になるというわけです。
熱狂だけでは持続しない
気になるのはコミュニティの継続の仕方。
佐渡島さんは、コミュニティ作りにおいて熱狂は持続しないことに気づいたと言います。安心・安全のほうが大事で長続きすると。コミュニティって熱狂で持続するものだと思っていたので驚きでした。
それぞれの人が、どんな行動をするのか、予想できるようにすること・それがコミュニティを安全・安心な場にするためにすごく重要だ。
「熱狂→拡大→熱狂」これはどこかで破綻するので、「熱狂→拡大→安全・安心の確保」の繰り返しで、持続力が上がるそうです。
そして、安全・安心を確保した後に目指すのは、信仰ではなく信頼。信仰は疑わずに信じること。信頼とは、未来のことについて関係性を築くこと。
信頼関係を築くことが、コミュニティにおいては本当に重要だ。
おすすめ度7☆☆☆☆☆☆☆★★★
コミュニティ作りについてが軸だけど、おすすめ本もいろいろと紹介してくれていて、どんどん本を読みたくなります。こういう本って好きだなぁ。巻末におすすめ本も収録されています。
魯迅のエピソードが好き。魯迅は、医者を目指していたけれど、ある日映画館に足を運んだそうです。そこで、日本兵が中国人を殺している戦争のニュース映像を、周りの中国人が笑っていることに愕然とした。中国に必要なのは単なる医療ではなく、心の医療だと文学の道を目指したそうです。
あと幻冬舎の編集者・箕輪さんとの対談もエキサイティングでしたよ!
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