石ノ森章太郎について100分で語り合う。「100分de手塚治虫」もアツい内容でしたが、今回もすばらしかった!
石ノ森章太郎がエンターテイナーであることがよくわかる構成で、番組で紹介されたマンガ作品をまとめてみたいと思います。
MC:
ゲスト:
– ヤマザキマリ(マンガ家)
– 夏目房之介(マンガ・コラムニスト)
– 宇野常寛(批評家)
– 名越康文(精神科医)
『さるとびエッちゃん』
ヤマザキマリ推薦。動物と話すことができる謎の少女エッちゃんが主人公。ヤマザキさんによると、虫とか動物と意思疎通したいと思っていて、自分に投影している。
何を考えるかわからずに予測不能で、主人公の内面がない。夏目さんは「手塚さんだったら主人公の内面に悩みを持たせる」と分析していた。
『マンガ家入門』
自分の既存作品を徹底的に分析している。石ノ森さんもマンガの仕組みがわかっているから、27歳でありながらまとめることができた。ノウハウを知ったとしても、石ノ森にそれだけ自信があったという証拠。
『サイボーグ009』
とにかく風貌がカッコよかった。それぞれが能力=欠陥を抱えている。チーム同士でありながら孤独感がある。全身が武器だらけの004が効いていると、名越さんは分析していて、みんなが簡単に共感できるよとは言えない。
「地下帝国ヨミ編」で終わったもの。人間の悪の感情が敵とした時点で、継続するのが難しい。禁断の天使編に足を踏み込んでいく。
『幻魔大戦』
平井和正が原作。おもしろくて読ませる作品だが、投げっぱなしで終わってしまう。
『佐武と市捕物控』
『ビッグコミック』でマンガ家オールスターの戦い。石ノ森はそこで実験をした。浮世絵を使った演出や、斬り続ける演出などを駆使されている。
『仮面ライダー』
東映プロデューサーから仮面をかぶったヒーローを出してほしいと依頼があった。採用案をボツにして異形な仮面ライダーを提案した。
時代を超えたエンターテイナーとしての功績
マンガ家としての偉大さをたっぷり語ったあと、最後に特撮を解説していく流れがすばらしかった。『仮面ライダー』マンガ版のテイストは、実写版によって薄まったけれど、そのあたりを平成ライダーが受け継いでいる。文化遺伝子というものがあり、間違いなく石ノ森章太郎は、時代をまたいだエンターテイナーだということを感じさせてくれた。
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