『イカゲーム』シーズン2は、一度は外に出た主人公が、自分の意思で戻っていく話です。前作が「巻き込まれる恐怖」だったのに対して、今回は「選んで入る愚かさ」を描いている。各話を簡単にまとめたうえで、この変化の意味を考えます。
『イカゲーム2』あらすじ
前作のゲームを生き延びた主人公が、その仕組みを止めるために再び同じ場所へ向かいます。今回は自ら参加者として戻り、内側から崩そうとする。一方で、ゲームの運営側にも動きがあり、物語は複数の視点で進行します。
各話あらすじ(簡易版)
各話の流れを簡単にまとめます。詳しい展開は本編でご覧ください。
- 1話:ギフンが主催側につながる人物を探し、再びゲームへの糸口を掴む
- 2話:追う者と追われる者の立場が交錯し、ギフンが決断する
- 3話:ギフンが参加者としてゲーム会場に戻る
- 4話:参加者の一人がギフンに接近し、素性を隠したまま関係を築く
- 5話:チーム戦が始まり、参加者同士の思惑が見えてくる
- 6話:人数をめぐるゲームで、親子や仲間の関係が試される
- 7話:外部からの捜索が動く一方、内部では継続派と中止派が対立する
【感想】「投票」という仕組みが発明だった
シーズン2でいちばん感心したのは、続けるか止めるかを参加者自身に投票させる仕組みです。
前作では、運営が一方的にゲームを進めました。今回は参加者が自分たちで継続を決める。つまり誰かに強制されているのではなく、自分たちで地獄を選んでいる。これは残酷さの質がまったく違います。
それでも止まらないのが怖い
投票のたびに、半分近くが「やめよう」と言います。それでも僅差で続く。この描写が本当に嫌なんですよね。
多数決という民主的な手続きを通しているのに、結果は最悪の方向に進む。手続きが正しければ結果も正しい、とは限らないという冷たい指摘だと思います。
【考察】シーズン2の主題は「善意の無力さ」だと思う
私は、今回の焦点は貧困ではなく、正しいことをしようとする人間の限界だと考えています。理由が2つあります。
理由①ギフンの目的が「救うこと」に変わっている
前作のギフンは、生き延びることだけを考えていました。今回は違います。全員を救うために戻ってきている。
ところが、その善意が毎回空回りするんですよね。助けようとした結果、かえって犠牲が増える場面もある。善意が結果を保証しないということを、丁寧に見せてくる作りです。
理由②主催側にも「説得」の場面がある
もうひとつ重要なのが、運営側の人物が参加者に紛れてギフンと接触することです。
ここで行われているのは暴力ではなく対話なんですよね。人間は放っておけば醜いということを、ギフンに証明させようとする。つまりシーズン2は、人間性をめぐる賭けの話になっている。構図が前作より抽象的になっています。
【考察】前作との違いは「外の世界が描かれること」
今回は、ゲームの外を追う人たちの視点がかなりの尺を占めます。これが賛否の分かれるところだと思います。
テンポは確実に落ちます。ただ、外からは絶対にたどり着けないという無力感を出すには必要な描写でもある。中も外も、どちらも届かない。その閉塞を作るための構成だと考えると、意味は分かります。
『イカゲーム2』は選んで入る地獄の話
というわけで、『イカゲーム2』の感想と考察でした。前作の衝撃と比べると地味に感じる部分もありますが、問いの立て方はむしろ深くなっていると思います。皆さんはどう見たでしょうか。

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