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『ファクトフルネス』10の思い込みから脱し、世界を正しく見る方法を学ぶ

目からウロコとはまさにこのこと。常識に思っていることがどれほどあやふやかなのかを示してくれます。

そもそも僕らは、「ドラマチックすぎる世界の見方」をしているのだなぁと、本書を読んでいてかんいました。事実に即したモノの見方をしていない。

なぜこんなことが起きるのか?そしてどう対策すればいいのかを、本書は人間にまつわる「10の本能」を例にして解説してくれます。

ドラマチックすぎる世界の見方

人間は、世界はどんどん悪い方向に進んでいると思い込みがち。それは精神衛生上よくないし、そもそも正しくないというのが本書の立ち位置です。そう、人間は事実に基づく見方ができない。

分断本能やネガティブ本能、 恐怖本能といったものが人間には備わっているというのです。

例えば、先進国と途上国の割合として、先進国が少ないという思っていましたが、事実はそうではありません。世界のほとんどの人が中間にいるんですね。

5歳まで生存する子供の割合を先進国の定義とすると、2017年には先進国がたくさんあります。先進国が一部で、途上国がほとんどという割合だったのは、なんと1965年。このときのイメージのまま、アップデートされていないわけですね。こりゃ重症だ。

で、著者は、4つの所得レベルを提唱しています。

  • レベル1 貧困
  • レベル2 貯金ができる
  • レベル3 給料もらっている
  • レベル4 裕福な暮らしをしている

レベル1は世界で10億人だそうです。全体的に生活レベルが上がっていることがファクトなんですね。

分断本能を抑えるには?

いろいろなところに分断があると考えるのが、「分断本能」です。

これを抑えるには、大半の人がどこにいるか探すことだと言います。

  • 平均の比較に注意しよう
  • 極端な数字の比較に注意しよう
  • 上からの景色であることを思い出そう

この3つで分断本能を抑えることができると指摘します。

ネガティブ本能を抑えるには?

ネガティブ本能の章では、減り続けている16の悪いことや、増え続けている良いことをデータで示されています。

思い出は美化される、偏った報道、以前に比べた良いと言いづらい空気、これらがネガティブ本能がはびこる原因です。

ギターの数の話はステキでしたね。

1960年には、100万人あたりのギターの本数が200本でした。それがいまでは1万本になっている。

5000人に1本だったのが、100人に1本になっているというわけです。

それだけ生活レベルが上がり、文化レベルが上がった証拠。世界が豊かになっている指標に、ギターの数を使うというのは、なんだかワクワクするし、イメージ湧きやすくないですか。

自然災害で毎年亡くなる人の数は、過去100年で半分どころか25%になっているんですね。これも驚きでした。

地球温暖化で自然災害が増えているのは間違いないでしょうが、多くの人がレベル1の生活から脱することでインフラが強化されることで、自然災害が減っているんですね。余裕のある生活になったことが、災害に備えることにつながるわけです。

過大視本能を抑えるには?

数字を見たときに、事実よりも過大視する傾向があるのが、過大視本能です。これには、比較と割り算が効果があると指摘します。

例えば、2016年は420万人の赤ちゃんが亡くなっているそうで、これだけ聞くとかなりの多い数に感じます。ですが、1950年は赤ちゃんの死亡数は1440万人。

比較すると、2016年の死亡者数の感じ方が変わります。さらに死亡率は2016年が3%なのに対し、1950年は15%。

もちろん比較して数が小さいから、解決しなくていいというわけではありません。ファクトをとらえながら、では次にどういったアクションをとるかを考えていかなければならないのです。

数字を見るときのポイントは以下。

  • この数字は、どの数字を比べるべきか
  • 1年前や10年前と比べたらどなっているか
  • 似たような国や地域のものと比べたらどうなるか
  • どの数字で割るべきか
  • 合計するとどうなるのか
  • ひとりあたりだとどうなるのか

意識しておきたいところですね。

ファクトフルネスのルール

ものすごく刺激的な本で、読む前と後では、世界の見え方が変わるのは間違いないです。情報があふれて情報リテラシーを持つことが大事だと言われる時代に、必読だと感じました。

最後に、ファクトフルネスのルールをまとめておきます。

  • 分断本能を抑えるには…大半の人がどこにいるかを探そう
  • ネガティブ本能を抑えるには…悪いにニュースのほうが広まりやすいと覚えておこう
  • 直線本能を抑えるには…直線もいつかは曲がることを知ろう
  • 恐怖本能を抑えるには…リスクを計算しよう
  • 過大視本能を抑えるには…数字を比較しよう
  • パターン化本能を抑えるには…分類を疑おう
  • 宿命本能を抑えるには…ゆっくりした変化でも変化していることを心に留めよう
  • 純化本能を抑えるには…ひとつの知識がすべてに応用できないことを覚えておこう
  • 犯人捜し本能を抑えるには…誰かを責めても問題は解決しないことを肝に銘じよう
  • 焦り本能を抑えるには…小さな一歩を重ねよう
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