時間術本って、生産性や効率を高めるノウハウが詰まってると思っていたけど、本書はまったく違いました。
本書が提唱する「メイクタイム」は、自分にとって大事なことをする時間をもっとつくるためのノウハウ。これによって自分の人生を主体的に生きられるようになるわけです。
グーグルに在籍していたジェイクとJZという2人による共著なのですが、随所に入るコメントや書き口がよい。あと全部試さなくていいよーってゆるい感じもよい。完璧じゃなくていいじゃんというテイストなのがよい。
なのにすぐに活用できるので、時間術本としてかなり秀逸な作りになっています。
メイクタイムの4ステップ
メイクタイムには4つのステップがあるんですね。
1.ハイライト その日に優先することを一つ決める
2.レーザー 特別な戦術でハイライトに集中する
3.チャージ 時間と注意力を1日中コントロールする
4.チューニング 1日を振り返ってメモをとる
それぞれを解説していきましょう。
ハイライト 1日の始めに決める
ハイライトとは、長期目標とタスクの中間的なこと。長期目標だと遠すぎるし、タスクだと目の前のことすぎる。
1日の初めにその日のスポットライトをどこに当てるかを考えておくんですね。今日のハイライトはなんだったか?を答えられるようにする。それによって、時間の使い方を自分で主体的に決められるトレーニングになります。
ハイライトの決め方は?緊急性、満足感、喜びのどれかを直感的に決めればいい。60〜90分程度でできることだと、達成できてちょうどいいそうなんですね。確かにできないで1日が終わると、モヤッとします。
ハイライト戦術
- 書く
- 昨日と同じハイライトにする
- 優先順位を明確にする
- 雑事をまとめる
- やるかもしないリストをつくる
- バーナーリストをつくる
- ひとりスプリントをする 同じことを数ステップに分けてハイライトにする
- 時間をカレンダーに入れておく
- 進みが遅くなったらやめる
レーザー 集中するために
ハイライトで時間を取ったなら集中しなくてはならないけどそれが難しい。レーザーという精神状態になることでそれが実現できるようにしていきます。
根底にあるのは、「気を散らさないようにするには、すぐに反応できないようにするのがいちばん」ということ。
レーザー戦術
- 気が散らないiPhoneを試す ソーシャル系、動画系、メール系アプリを削除してウェブも無効にする
- ホーム画面をからっぽにする
- 腕時計をはめる
- ニュースを週一にする
- タイマースイッチでぶった切る
- メールの時間を制限する
- テレビを見ない
- 締め切りを作る
- レーザーサウンドトラックを流す
- 気になることがあればメモしてあとで対応する
チャージ エネルギーを充電する
時間をつくる方法として、エネルギーを高めることを求められます。
チャージは、秘伝のソースのようなもの。バッテリーをチャージしておくことで、ハイライトとレーザーの意味合いが増していくわけです。
チャージ戦術
- 運動する、がんばりすぎないで
- 歩きまわる
- がっつり食べる
- ダークチョコレート主義を通す
- 気軽に瞑想をする
- 仲間と過ごす
- 寝室を寝る部屋にする
チューニング 振り返りをする
メイクタイムの最終ステップがチューニングです。観察する、推測する、実験を行う、結果を測定して仮説検証する。要は振り返りですね。
紹介されているメイクタイムの振り返り項目は以下です。
- 今日のハイライト
- ハイライトの時間は取れたか?
- 今日の集中度
- 今日のエネルギーレベル
- 今日試した戦術
- 戦術はどうだったか?
- 明日試したい戦術
- 今日の感謝の瞬間
心の焦りが消える時間術本
時間に追われることが多すぎるという状態で、まだ効率化を目指すのか、という気持ちになることがありますが、本書を読んでいると気持ちが軽くなります。
もっと早く、もっと効率よく!といったラットレースが抜け出す戦術が記されています。時間に追われるのはでなく、「自分」が主体となって時間を使うことを考えてくれるんですね。だから時間術本なのに心の焦りが消える。いまの時代に合った時間術本です。
コメント