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『サブスクリプション』ただの月額サービスではない、これはビジネスモデルの革命なのだ

サブスクリプションについて、ただの月額サービスでしょ?というのは間違っています。

これはビジネスモデルが変革するってことなんですね。

サブスクリプションの一番の肝は「顧客との接点を持ち続けられること」。どこまでも顧客ファーストになる仕組みで、AppleAmazonもDisneyもそこを狙っているのはそういうことなのだと、本書を読むとわかります。

サブスクリプションとは?

サブスクリプションは継続課金のモデルなのですが、ただの月額サービスだと思っていたら大間違い。

一番の肝は、「顧客との接点を持ち続けられること」。

世界の中心が、製品を売ることから、サービス提供に移行している時代背景があります。

製品主導の弊害は、顧客の顔がわからなくなること。モノを欲しがった時代にはそれでよかったものの、肥大化して顧客情報を掴むことができなかったんですね。

ここにデジタルの躍進がセットで必要になっていて、サブスクリプションで顧客と接点を持てるようになった。デジタルで顧客情報を分析できるからこそ、サブスクリプションが成り立っています。

なぜディズニーはNetflixから撤退したのか?

ディズニーCEOのロバート・アイガーは、ピクサー、マーベル、ルーカスフィルムなどを所有するのは幸運だけれど、こんな言葉で警鐘を鳴らします。

「今日の世界では、それらを所有していても顧客へのアクセスがなければ何の保証にもならない」

ディズニーのグッズを買ったとしてもショップの顧客であり、ディズニーの映画を見たとしても映画館の顧客なんですね。顧客の接点がないことが問題になってくることを感じているわけです。だから、ディズニーはNetflixからコンテンツをすべて引き上げて、ディズニープラスをスタートさせてたのです。

AppleiPhoneの販売台数を公表しなくなったワケ

Appleはまさにビジネスモデルチェンジを図っています。すでにハードの売上よりもソフトの売上を伸ばすことに注力しています。

iPhoneの販売台数を公表しないと2018年に宣言して、iPhoneが売れなくなったからだ、といった指摘もありましたが違うんですね。販売台数には意味がないとわかっているからなのです。

例えばAppleサブスクリプションプランを展開するとしたら、iPhoneが配布され、音楽や動画、ゲームなども提供されることになるでしょう。さらに、新iPhoneだって自動的に送られてくる。これを月額でサービス提供することも考えられます。

ニューヨークタイムズの躍進の秘訣は?

アメリカでは、1億6900万人以上の成人が新聞を、紙・オンライン・モバイルデバイスで読んでいるそうです。この数字は成人総人口のほぼ70%。これは紙かデジタルか、という問題設定が間違っていることを示しているんですね。

メディアはこれまで広告依存してきましたが、サブスクリプションに移行できると、安定した定期購読収入に立脚するものになるのです。広告からの脱却です。

すでに『ニューヨークタイムズ』は、広告料よりも購読料が割合が多くなっているようで、企業価値は40億ドル、260万人を超える有料のデジタル加入者がいる状態。

FacebookGoogleAmazonへのコンテンツ提供に慎重だったことも、戦略として成功していたことがわかります。

3つのストーリーが必要

プロダクトの物語、市場の物語、サービスとユーザーを結びつける物語。特に3つ目が欠けているところが多く、ストーリーが大事なのですね。

ビジネスの原点に戻る

サブスクリプションは搾取システムではなく、永遠のベータ版であり、顧客ファーストでサービスをきめ細かく提供するモデルなのだとわかりました。こりゃ時代に求められるわけだ。

顧客と1対1で向き合うことができる。ビジネスの原点に戻るだけともいえます。目の前の人へ価値提供していたことが、大量生産できるテクノロジーが発達し、届けるための流通も確立した。その限界がきたわけです。

サブスクリプションを知ることはこれからのビジネスを知ることもであるのです。

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