イタリアの三ツ星レストランで副料理長を担い、2011年より目黒のレストランで9年連続で一ツ星を獲得。
そんな星付きシェフがサイゼリヤでバイト!?
だいぶ素っ頓狂な話ですが、実際に成果が出ているんですね。
サイゼリヤでの経験を活かして、著者の村山太一さんのレストランでは、従業員1人あたりの売上が2.2倍、1人あたりの労働時間が4割減。
理想的な経営ができているうえに、このコロナ禍でも黒字経営をしているというのです。すごすぎます。
その秘訣を本の中からピックアップしていきましょう。
星付きシェフがサイゼリヤで学んだこと
サイゼリヤでは一番の下っ端バイトとして働くなかで、160席をたった5人で回していることにまず驚愕したそうです。
やることが明確だから、店内の導線も適切でムダがない。ただの効率化ではなくて、社員のためになるわけですね。
「仕事の生産性を上げるには、幸せであることが一番です。幸せなら、気分よく補い合いながら働いて、チームとしての全体最適を図れるので生産性が上がります。一方で、生産性が上がれば上がるほど、時間的にも精神的にもゆとりができてみんながより幸せになります」
働いている人が幸せになるために、を念頭に置く。そのための手段としての効率化なのです。
自社で食材から作っているので、コストカットができて、味も担保できる
星付きシェフがバイトで大事にしていること
一流シェフとしてのプライドもあるでしょうが、著者が大事にしていたことは3つに集約されます。
- 自分を消して歯車になれ
- 完全にマニュアルに従え
- たくさん失敗しろ
バイトをする前に、サイゼリヤの関連本はもちろん、正垣泰彦会長が薦める本を片っ端から読んでいたそうです。サイゼリヤのエッセンスを吸収する姿勢がすばらしい。
星付きシェフが大切にしている思考法
星付きシェフは「サバンナ思考」「マヨネーズ理論」、この2つを実践することが必勝法だと言います。
サバンナ思考
サバンナ思考とは、危機感+気づき+即行動がセット。まずはネガティブに危機がないかを見極めることが必要で、そこで気づきを得られるのかどうか。
固定観念にとらわれているのはまずい。サバンナではライオンに襲われてしまいますよね。サバンナ思考を高速で回転させていくことが必要だと説きます。
マヨネーズ理論
マヨネーズ理論は、一流の技を身に着けたいなら、最初から一流の人に学ぶということ。マヨネーズをゼロから生み出してもいいが、それはムダ。せっかくマヨネーズがあるのだから、活用しない手はないということです。
遠回りはいらない。一流の人が感じているこだわりや感受性を知るために、とにかく徹底的にコピーしています。
星付きシェフがイタリアの3つ星レストランにいたとき、女性シェフのナディアにかなり厳しいダメ出しを受けていたそうです。それでもナディアの一挙手一投足、それこそ呼吸まで完全にコピーすることで、認められるようになったと言います。
コピーしたものは、自分のなかで育てていく。そうすることで自分だからこその料理が生まれるんですね。
ビジネスの基本が詰まっている
巻末にはサイゼリヤの会長・社長と著者の鼎談も収録されています。
なかなかおもしろい発想で、実践してきたことに圧倒されますよね。行動力だなと。
この時代、どう働くべきか、生きていくべきかのヒントにもなると思います!
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