SF界の天才と称されるテッド・チャン。
これまで刊行されたのはたった2冊で、『あなたの人生の物語』『息吹』の短編集しかありません。
それでもテッド・チャンが天才といわれるのには、作品の深み、そして魅力があるからこそ。
個人的に読んでほしい作品ベスト5を紹介していきます!
テッド・チャンとは?
1967年10月20日生まれ、中国系アメリカ人。書く価値があるテーマがなければ書き始めない。ものすごく寡作な作家ながら、これまでヒューゴー賞、ローカス賞、英国SF協会賞というSF文学賞の受賞歴があります。本業はテクニカルライターで、物理学とコンピューター科学の知識を駆使した世界が魅力。
代表作の『あなたの人生の物語』は、『Arrival』(邦題『メッセージ』)で、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督によって映画化されています。
テッド・チャンおすすめ短編ベスト5!
テッド・チャンの作品でこれだけは読んでほしい!ベスト5を紹介します。
おすすめ1位『あなたの人生の物語』
SFの傑作!
ある日、突如として異星人ヘプタポッドがあらわれる。ヘプタポッドとコンタクトをとろうと、言語学者のルイーズが乗り出します。
ヘプタポッドが操る言語や文字は、どんなロジックで成り立っているのか。これを解き明かすためのやり取りが、知的好奇心をくすぐるんですね。
すると、ルイーズの認識にも大きな変化があらわれてきます…。
言語というのは、文化をあらわし、そして時間のとらえ方にもつながっていく。この広がり方が、もうたまらない!
さらに、母から娘への文章が間に入ってきて、これがまた泣ける泣ける。
映画も大好きなのですが、原作のち密さには、ため息が出てしまいます。ぜひ一読を!
おすすめ2位『理解』
ある治療によって、知能や記憶、感覚器官が超人になった。主人公は真理の探究に興味を持ち、研究所を抜け出す。そこに、さらなる能力を持った超人があらわれて、2人の対決がさけられない事態に…。
とにかく2人の対決が読み応えがあり!行動の前に1000の攻撃について、超絶な読み合いをするんですね。その最善の手は??
知性が進化していくと、人はどんな思考になりどんな選択をするのか。この思考実験をものすごいリアリティで描き切ってくれます!
おすすめ3位『息吹』
毎日のように肺を交換しながら生きるロボットの話。そしてこのロボットが、自らの脳を解剖していき、ついには世界の秘密にたどり着くという展開になっていきます。
謎の肺交換の描写から始まって、とんでもない想像力で、世界の仕組みを描きます。度肝を抜かれます!
おすすめ4位『偽りのない事実、偽りのない気持ち』
ライフログを扱った作品!
「リメン」というすべての生活を映像で記録できるガジェットが登場します。リメンは、人間にどのような影響を与えるのか?
現代とのリンクがある内容で、かなり好きな話です。
おすすめ5位『顔の美醜について』
もしも顔の美醜が判断できなくなったら…。
美醜失認処置カリーという手術を行うと、人間は美しさ・醜さを区別することができなくなる。
ドキュメンタリーの体裁をとって、イケメンやフツメン、ブサメンへのインタビューが紹介されていきます。化粧品メーカーの策略やらがわかったりする。読みやすさもあります!
テッド・チャンが描くのは自由意志について
テッド・チャンは深い洞察を持って、作品世界を構築していきます。人間の自由意志についてが、大きなテーマにあって、自分自身がどう考えるのかを突き付けられる。だからそれぞれの作品が記憶に残るんですね。
テッド・チャンの卓越した作品世界、ぜひ堪能してください!
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