ビジネス書のなかでおすすめしたいものだけをピックアップ!ビジネス古典をはじめ、さまざまなジャンル別に紹介していきます。
ジャンルは、ビジネスにおいて必要な領域に分けて整理しています。気になる本がありましたらぜひ手にとってほしいと思います。
- ビジネス古典から学ぶ
- 働き方・キャリアを考える
- マネジメント力を高める
- リーダー力を高める
- 経営力を高める
- 組織戦略力を高める
- 戦略立案力を高める
- マーケティング力を高める
- ブランディング力を高める
- 営業力を高める
- アイデア力を高める
- 論理的思考力を高める
- 文章力を高める
- 人間関係力を高める
- 自己理解力を高める
- 教養力を高める
- 有名企業の事例から学ぶ
ビジネス古典から学ぶ
ビジネス古典といえる定番のおすすめ本を紹介します。
『人を動かす』
人を動かすにはどうすればいいか?豊富なエピソードで突き詰めていく世界的ロングセラー。
基本的なメッセージは「相手に重要感を持たせる」ことになります。一方的な指示ではいけないんですね。あくまで相手がどう思えるか。
人に好かれるために行動を変えることが大事だとしています。
- 誠実な関心を寄せる
- 聞き手に回る
- 関心のありかを見抜く
- 心からほめる
- 笑顔を忘れない
- 名前を覚える
相手に関心を持たないなら、相手があなたに関心を持つ道理はないというわけです。人間関係において、汎用性の高い考え方が詰まっています。
『プロフェッショナルの条件』
ドラッカーがプロフェッショナル論を語った部分だけを抜き出して、自らが再アレンジしています。
まず時間のマネジメントの重要性を説きます。時間はなによりも貴重なリソース。そのために、「する必要のない時間を捨てる」「ほかの人間ができることは人に任せる」といったことが必要だといいます。
成果をあげるには「集中」すること。仕事の「優先順位」ではなく、「劣後順位」を決めることを推奨しています。劣後順位はやるべきでないことを決めることですね。劣後順位を選ぶポイントは4つ。
- 過去ではなく未来を選べ
- 問題ではなく機会に焦点を当てよ
- 横並びではなく自らの方向性を持て
- 無難ではなく変革を起こすものを
劣後順位を決めるために必要なことは分析ではなく勇気。
さらに組織論にも展開されていきます。組織とは「強みを成果と結びつけつつ、弱みを中和し無害化するための道具である」と定義しています。なにが卓越しているのかを発見して、一流の人間を作っていくことが上司との務めだとなります。
『7つの習慣』
すべての自己啓発のエッセンスはこの本にあるのではないか?と思えるくらい濃厚な内容になっています。気づきが多い。
- 第1の習慣…主体的である
- 第2の習慣…終わりを思い描くことから始める
- 第3の習慣…最優先事項を優先する
- 第4の習慣…win-winを考える
- 第5の習慣…まず理解に徹しそして理解される
- 第6の習慣…シナジーを創り出す
- 第7の習慣…4つの要素(肉体、社会情緒、精神、知性)を磨く
どれだけ主導権を握った人生を生きることができるのかがわかります。一度は読んでほしい自己啓発書です。
『ビジョナリー・カンパニー』
長期的に時代を超えて優れた18社を分析し、企業を成功へと導く本質を解明しています。
- 時を告げる預言者になるな。時計を作る設計者になれ
- ANDの才能を重視しよう
- 基本理念を維持し進歩を促す
- 一貫性を追求しよう
具体的な事業に関するアイデアを持つことは、すばらしい会社の必要条件ではない。あるアイデアを確実に継続的に具現化できるだけの共通理念を持って、それに伴う一貫性のあるルールと、それらに共感する組織をつくることこそがすばらしい会社をつくる必要条件。
ほかにも、社外からCEOを採用するよりも目的や理念を共感する同志が重要、理念に共感する人が集まることが大事、といったように、ビジョンを共に実現しようとするチームになることが、すばらしい会社の条件だと提示しています。
『さあ、才能に目覚めよう』
弱みは忘れる、強みを活かせばいい。本書のメッセージはものすごくシンプルです。どうしても苦手や弱点を克服しようと考えがち。だけど本来持っている強みを活かしたほうが、ビジネスも人生もうまくいく。
自分の強みを把握するために「ストレングス・ファインダー」というツールが紹介されています。34の資質が見えてくるんですね。どのような資質をどう活かすかは自分次第です。
自分のことを知るために、ぜひ読んでほしいおすすめ本です!
働き方・キャリアを考える
これからの時代の働き方・キャリアを考えるうえでのヒントとなる本を紹介していきます。
『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』
これからは100歳までに健康に生きることができる時代になっていきます。そうなったときに人生設計を変えざるを得ない。大きな話題になった本です。ここから人生100年時代というワードが定着しました。
では100年時代になにが必要かというと「無形資産」です。これまで重視されている金融資産や不動産といった「有形資産」よりも「無形資産」に価値があるというのです。
- 生産性資産…生産性を高めるスキルなど
- 活力資産…健康な肉体や健全な家族関係
- 変身資産…人との広いつながり、変化に開かれた姿勢
今の自分が将来を見るのではなく、100歳の自分から今の自分を見つめてみる。いまあなたが下そうとしている決断は、未来の自分の厳しい評価に耐えられるだろうか。この問いこそが、長寿化という現状の核心を突くもの。この視点を持てるのは、新鮮な体験です。
『イノベーション・オブ・ライフ』
ハーバードの同期がどんどん不幸になっていく姿を見たのが、きっかけで本書は生まれました。幸せの大切な原則とはなにか?
不幸なキャリアや不幸な人生にとらわれるのは、自分を真に動機付けているものを誤解しているせいであることが多い、というのが著者の考えです。
- 誘因理論(インセンティブ)…誰かに特定の仕事に集中して取組ませるには、しかるべき仕事を行わせるような報酬を与えさえすればよいという考え
- 動機づけ(モチベーション)…仕事に少しでもあれば不満つながる「衛生要因」、内面の欲求につながる満足感につながる「動機付け要因」がある
ビジネスにおけるイノベーション理論を個人の人生にも適用してみたことで見えてきたこと。人生を気持ちよく生きるには、やはり自分自身を知ることからなのだと感じる内容になっています。
『やり抜く力』
成功するためには才能以上に「やり抜く力」が重要だということを示した本。やり抜くことができないのには、5つの落とし穴があるといいます。
- あれもこれも状態…最上位目標が複数存在している
- 何のためにやってんの?状態…中位レイヤーが乱立していて最上位がない
- ポジティブな空想状態…最上位しかなく中位や下位まで具体化されていない
- 無関連乱立状態…どこにも属さない関連しない目標が存在する
- 手段の目的化状態…下位にこだわり続けて柔軟に変えられない
どう努力すればいいか、まずは最上位目標を明確にします。究極的にこれを成し遂げたい!という最上位目標を1つだけ決めて、ピラミッドで下位の目標(やるべきこと)をマネジメントしていく。そうすればすべての行動が最上位目標につながる状態になります。必然的に優先順位が整理されるというわけです。
人生のマラソンでなにを成し遂げられるかは、情熱と粘り強さにかかっているのです。
『選択の科学』
人間の選択行為について、驚きと発見に満ちた内容になっています。コロンビア大学のビジネススクールでの講義がベース。
自分で選ぶという「自己決定感」は、幸福感に直結するんですね。ただし多すぎる選択はノイズにしかなりません。24種類のジャムから選ぶと、購入率はたった3%。6種類のジャムの試食販売では、30%の購入率だったという結果が出ています。
興味深いのは、人生は三元連立方程式だということ。
- 人生=選択×偶然×運命
この3つの変数のうち、どれに重きを置いて考えるかによって、人生が持つ意味が変わってくるのです。選択という行為が人生にどれだけ影響するかがわかります。
『隷属なき道』
AIとの競争にどう対峙すればいいのだろうか。オランダで自費出版された本が世界的なベストセラーに。本書のポイントは3つです。
- 貧困こそが解決すべき最大のイシュー
- 格差拡大は構造化されている
- ベーシックインカムの効果は実証されている
まずは貧困。怠けるから貧しいのではない。貧しいと判断力が低下し、短期的なことしか見えなくなり、本来やるべきことができない。このサイクルが回っていると指摘しています。
格差拡大は、グローバルに物流コストが低下することで、1社1強の時代に。こうなるとそのほかの人は失業リスクが高くなるというのです。
そしてベーシックインカムは、アメリカやカナダ、ウガンダ、ロンドンなど社会的に実験はされていて、効果があるといいます。もらったお金は必需品に使われる、犯罪減少につながる、健康になる、どの福祉策より安く効果的といったことがわかっているそうです。
どのような社会を実現すべきか、隷属なき道を歩めるのか、たくさんのヒントがあります。
『小さいことにくよくよするな』
小さいことにくよくよすることに、生命力を使い果たし、人生の楽しみに気づかない人がどれだけ多いか。本の中で紹介されているコツの一部はこちら。
- 早起きどりになる
- 成功は焦らない
- 人の話は最後まで聴く
- いまこの瞬間を生きる
- 一年たてばすべて過去
- 自分の葬式に出席するところを想像する
- むかつく相手を幼児か100歳の老人だと想像する
さまざまなアイデアのなかから、自分に合った方法が見つかるはずです。
『働くひとのためのキャリア・デザイン』
キャリアプランというと、しっかりしなきゃいけないと思ってしまうけれど、それだと窮屈。キャリアをデザインしきるのではなく、ドリフトする期間があってもいいと提案してくれます。ドリフトとは、あえて道を外れて、偶然の機会に自ら巻き込まれにいくこと。
- キャリアの方向感覚をもつ
- 節目だけはキャリアデザインをする
- アクションをとる
- ドリフトしながら楽しむ
いいものに出会い、偶然を活かすには、むしろすべてをデザインしきらないほうがいい。ドリフトとデザイン、この2つのバランスを持つ方法が把握できます。
『苦しかったときの話をしようか』
マーケティングの考えを若い人たちに向けて諭した内容になっています。著者自らの子供たちに向けて書いたものがベース。強みを見つけて、それを伸ばせる環境を作ることが大事だと伝えてくれています。
コントロールできる変数は、たったの3つしかないのです。
- 己の特徴の理解
- それを磨く努力
- 環境の選択
人生の指南書として、人生やキャリアに迷ったときに読み返したい一冊です。
『続ける技術』
継続する力は人生において身につけたいものですが、それはなかなか難しいこと。著者はIS行動科学マネジメント研究所所長。継続する上での障害は何か、わかりやすくシンプルにしてくれます。
目標とする行動を「不足行動」として、障害となる行動を「ライバル行動」としていますが、すぐに結果が出ることに邪魔されて継続できないことがよくわかります。
- 不足行動…あなたがこれから増やそう、始めようとしてもなかなか増やせないでいる行動のこと
- 過剰行動…あなたがやめようとしている、あるいはやめようとしている行動のこと
- ライバル行動…不足行動の大きなハードルは、すぐに成果を確認できないことにある。誘惑によって邪魔されやすい。この誘惑が、ライバル行動
継続できない理由は、ライバル行動も過剰行動も、自分で格別な努力をしなくても、簡単に継続できてしまうから。すぐに効果が目に見えてしまうわけです。
継続するためにはたった2つのことをすればいいのです。
- ターゲット行動の発生をコントロールする
- ライバル行動の発生をコントロールする
ターゲット行動を増やすために、「行動のヘルプ補助を作る」「動機づけ条件を作る」「行動のハードルを低くする」といったことがあります。
続ける技術、ぜひ身につけていきましょう。
『天職は寝て待て』
これまでの終身雇用が戦後の流れを受けていること。そしてこれからの働き方は変わったことが、日本の歴史を紐解きながらわかりやすく解説してくれます。
大事だと思ったのは、いい偶然をどうやってキャリアに結びつけるか?という項目です。
- プロセッシング(入力された情報を出力する)
- ストック(自分に蓄積された付加価値の源泉となる知識やノウハウ)
この2つが大事になってくるわけですね。働き方がどう変わって今どうしていければいいのか、たくさんのヒントが詰まった一冊です。
『転職と副業のかけ算』
生き残る力を自分自身が身につけておく必要性がある時代。本当の安定は「いつでも転職できる」「自分でお金を稼げる」「給料以外の収入がある」状態だといいます。納得ですよね。
自分という会社を経営する目線を持ってみましょう。市場価値を高める5つの力はこちら。
- 論理的な思考ができる力
- 構造的に物事を捉える力
- 課題を特定する力
- 課題に対して仮説を立てわかりやすく話せる力
- 組織をマネジメントする力
天職や副業が当たり前になった今、読んでおく価値があるおすすめ本です。
『CHANCE(チャンス)』
物語風のビジネス書です。主人公は泉卓也29歳、中古車販売を担当。起業したもののサラリーマン以下の年収でした。30代半ばの男性・弓池がきて質問を投げかけてきます。
- ビジネスで成功したいですか?
- 人生で成功したいですか?
ここからさまざまな課題が出されて、泉は実行していきます。成功の法則は「素直さ」と「メモ魔になること」。
物語なので読みやすいビジネス書です。
マネジメント力を高める
マネジメントはビジネスにおいて外せないのに難しい。そして奥が深いですよね。そんなマネジメント力を高めるためのおすすめ本を紹介していきます。
『マネジメント 基本と原則』
ドラッカーの定番本。マネジメントの基本と原則がしっかりまとめられています。
マネジメントの役割は、「組織に特有の使命を果たす」「仕事を通じて働く人たちを生かす」「社会の問題に貢献する」といったことになります。そのために、人間観察、バランス、優先順位が必要になると、ドラッカーは指摘するのです。
マネジメントの3つのポイントはこちらです。
- マネジメントの目的は成果を出すこと:利益を最大化することではなく、お客様を満足させること。バランス良く利益追求する
- マネジメントに必要なセンスは「真摯さ」:真摯さは絶対必用な条件、人から学ぶことができない。ひたむきさ、正直、誠実さ、気高さ、裏表なく。
- 事業の目的はたった1つ「顧客の創造」:目的と使命を果たすために顧客の創造、お客様を作り続ける
マネジメントを学びたいなら、必読の一冊です。
『HIGH OUTPUT MANAGEMENT 人を育て、成果を最大にするマネジメント』
インテル創業者によるマネジメント本。
まずは冒頭にある朝食工場がインパクトあります。経営を朝食工場にたとえているんですね。大事なのは、リミティングステップ(最も手間がかかる要注意のステップ)がなにかを把握すること。そこに最大の意識を注ぐべきだというわけです。
・マネージャーのアウトプット=(マネージャーの活動×その活動が組織に与えるテコ作用の大きさ)
だからマネージャーは、テコ作用の大きい活動をすることを重視すべき。自分自身のテコ作用を大きくして、活動量を増やすことが大事になってくるのです。
テコ作用の大きいこととして、1on1にフォーカスしています。それだけマネジメントにとって、メンバーを把握して今の不満を聞き出すことが大事というわけです。
マネジメントはテコ作用に優れたものをせいぜい2つ3つほど選び出して、それに集中する能力。マネジメントを考えるには読んでおきたい一冊です。
『How Google Works: 私たちの働き方とマネジメント』
Googleのエリック・シュミット会長らが、自社の成功の秘密を公開。カギとなるのは、スマート・クリエイティブだといいいます。
スマート・クリエイティブ=テクノロジーのもたらすツールを使って価値あることをしたいという、意欲と脳裏がある人たち。共通点は努力をいとわず、これまでの常識を疑い、新たなやり方を試すことに積極的であること。
スマート・クリエイティブを惹きつけ、意欲を高める場を提供することが、成功の秘訣だといいます。
そのためにGoogleには基本原則があります。
- 社員を窮屈な場所に押し込めよ…狭い場所で互いに近い環境が、コミュニケーションやアイデアの交流を促す。交流のなかで真価が発揮される
- 小さなチームであれ…組織の構成単位は小さなチームであるべき。ベゾスが言っていたのは一つのチームはピザ2枚で足りるくらいの規模
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ほかにもGoogleのマネジメント論や戦略、意思決定、イノベーションについて独自の考えが詰まった内容になっています。
『心理的安全性のつくりかた』
指示待ち状態のチームを創造的なチームへ。ポイントは、心理的安全性をどうつくることができるかです。
心理的安全性とは、チーム全体の成果に向けて「率直な意見」「素朴な質問」「違和感の指摘」が、いつでも誰もが気軽に言える状態にあること。
心理的安全性をつくる4因子は、話しやすさ、助け合い、挑戦、新規歓迎にあります。どうやって現状を変化させるのか、変革の3段階はこちらです。
- 行動・スキル…個人の行動
- 関係性・カルチャー…チームの習慣
- 構造・環境…企業の構造
これからのマネジメントを考えるうえでは外せないのが、心理的安全性なのです。
『感情マネジメント』
人材開発や組織開発において、「感情」が重要なポイントとしているのが本書の特徴です。
EQとはIQに対して、心の知能指数と呼ばれます。1990年代のアメリカの心理学者が提唱しました。人を突き動かす原動力は、「感情」にあるわけです。
ほとんどのケースで共通しているのは、うまくいかないチームのほとんどは感情の問題でつまずいているということ。
チームビルディングのためにリーダーがとるべき行動はこちらです。
- Trust(信頼をつくる):自分を開示して相手を理解することに努め、自分から相手を信じて心の距離を詰める
- Empathy(共感をつくる): 傾聴力を発揮して相手の立場や状況、感情を寄り添い、冷静に相手との距離感を調整する
- Assertive(関係をつくる):自分の主張をわかりやすく伝え、多様性を持って相手の意見を受容し、健全な議論ができる関係をつくる
- Motivate(やる気をつくる): 相手の強みや特性を引き出して最大化し、その気になって目的達成に向かう気持ちづくりをする
感情にフォーカスしたマネジメント、注目しておきたいところです。
『ザッソウ 結果を出すチームの習慣』
ホウレンソウよりも、ザッソウを。アイデアを生み出し、成果を上げて結果を出すために必要なのは、効率化だけを追求するのではなく、気軽に雑談と相談ができるチームでいること。
- 雑談がないと相談のハードが高い
- 雑談していると相談のハードルが低い
壁打ち役がいれば、悩むが考えるに変わって、前に進めるわけです。どうザッソウを取り入れるか、結果を出すチームになるためのヒントが詰まっています。
『どうやって社員が会社を変えたのか』
ビックリするくらいに実用的で、当事者たちの肉声がリアルすぎる内容になっています。右肩上がりのときはある程度のワンマンでも成り立ちますが、企業が沈んだときに何をすべきか。そここそがマネジメントの真価が問われるのです。
チームワークを成立させる二大要素はこちら。
- 目指すものの共有
- チームメンバー相互の信頼関係
やらせるから当事者としての自発性を引き出すための方法が詰まっています。
『アメリカ海軍に学ぶ最強チームのつくり方』
元アメリカ海軍大佐によるマネジメント本。上意下達の命令のみかと思いきや、そうではないんですね。基本となるのは、「部下の身になって、何がいちばん大事かを考えてみる」ということ。
多くの人材が離れていった理由について給料の不満は5番目だったそうで、上位はこちらになります。
- 上司から大切に扱ってもらえないこと
- 積極的な行動を抑え込まれること
- 意見に耳を貸してもらえないこと
- 責任範囲を拡大してもらえないこと
マネジメントにおいて、どれだけコミュニケーションが大事なのかが見えてきます。
『宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいく チームの話』
マンガ『宇宙兄弟』を軸にしながら、チームビルディングの新常識がわかりやすく解説してくれています。4つのチームのステップは知っておくべきところです。
- フォーミング(形成期):チームが結成されたばかりで、お互いのことも何をするかもわかっていないい状態。この時期は、ひたすら目標を明確にすることが大事になる
- ストーミング(試行錯誤期):本音の意見がぶつかり合う。この時期は、フィードバックすることで現状を確認していく
- ノーミング(規範期):報共有が進んで、役割とルールが明確になることで、成果が目に見えてくる時期。小さな成功体験を積み重ねることが大切。
- トランスフォーミング(達成期):阿吽の呼吸で、メンバーが動いていけるようになる
今いる仲間でうまくいくというのがポイント。チームビルディングの基礎知識を学ぶことができます。
リーダー力を高める
リーダーとはどんな存在であるべきか?リーダー力を高めるためのおすすめ本を紹介します。
『リーダーの仮面』
リーダーシップとマネジメントを説いています。わずか4年で上場し、1900社が導入した識学がベースになっています。リーダーがフォーカスすべきポイントは5つ。
- ルール…「行動のルール」と「姿勢のルール」がある。姿勢のルールはできる・できないが存在しないので守ってもらう。例えばあいさつ。「主語を曖昧にしない」「誰がいつまでにやるかを明確にする」がポイント。ルールは言語化してシェアする
- 位置…ピラミッド組織が最適かつ最速。リーダーは自分がピラミッドのどこにいるかを把握する必要がある
- 利益…部下たちを「組織の利益」に向かわせる
- 結果…正しく「結果」にフォーカスして部下を評価する
- 成長…部下たちが成長していく組織をつくる
リーダーにカリスマ性は不要。素顔を見せずに仮面をかぶって、お願いではなく言い切りで任せて、場の空気ではなく言語化されたルールをつくるなど、かなり明確に書かれています。冷たくてイヤだと思えるかもしれません。著者はこう言います。
一見「人間的」なマネジメントをしたとしましょう。それにより、成果が出ずに雇用が維持できなくなったらどうでしょう。部下たちはスキルが身につかず、他の仕事や会社で通用しなくなったらどうでしょう。その方がよっぽど「非人間的で冷たい」のではないでしょうか。
だからこそリーダーには仮面が必要なのです。
『リーダーシップの旅 見えないものを見る』
まず本書のリーダーの定義に、ハッとなりました。
- リーダーとは…他人が見えないものに気づき、そこに向けて歩み出そうと決意し、行動している人のこと
カッコよくないですか?リーダーとは生まれつきのものではないし、スキルでもないし肩書でもないわけです。
リーダーとしての旅はたった1人の決意からはじまり、その決意に動かされてフォロワーができる。そして「この世界のため」「次世代のため」という思いが原動力になるタイミンが、やがて訪れるといいます。
リーダーシップがあるとは、戦略的思考とかコミュニケーションスキルを磨く前に、魅力的な人間であるかどうか。人間力を磨くには「人の営みに対しての理解と尊敬の念を持つこと」。
リーダーシップの旅を繰り出してみようと、勇気をもらえる内容になっています。
『意思決定入門』
ビジネスではあらゆる場面で意思決定が求められます。
本書では意思決定を「案を考え選択し実行する行為」であると定義されているんですね。意思決定は以下のサイクルで確立されていきます。
- 意思→情報→思考→行動→知識→感性
スピード、変化、多様性に対応した意思決定の合理的手法がやさしく解説されています。
『君主論』
1500年ごろに書かれたマキャベリによる名著。国を統治する君主はどうあるべきかが、語られています。
人間はもともと邪悪な存在である、という視点に立っています。人の善意に依存していけないと断言しているのです。勝つためには公明正大さよりも、時としてルールを破ることが必要。
評価については読んでおきたい箇所です。君主として人からの評価を目的にしてはいけない、評価は後からついてくるものとしているんですね。激動の時代のリーダー論として参考にしたい一冊。
経営力を高める
経営の難しさを痛感する場面は多いかと思います。経営力を高めるために参考にしたいおすすめ本をまとめています。
『両利きの経営』
変化が求められる時代。既存事業を進めながらも新規事業や変化を起こしていかないといけません。これを本書では、「両利きの経営」と呼んでいます。経営には「探索」「深化」が必要なんですね。
- 探索…未知の新分野を探索する
- 深化…効率を追求して組織能力を活用する
だけどこの2つは正反対。だからこそリーダーは5つの原則を大事にせよとしています。
- 戦略的豊富を示し、幹部チームをまきこむ
- 緊張関係をどこに持たせるかを選ぶ
- 幹部チーム間の対立に向き合い、事業間のバランスを取る
- 一貫して矛盾するリーダーシップ行動を実践する
- 議論や意思決定の実践に時間を割く
矛盾に向き合いながらイノベーションを起こす方法が学べます。
『ザ・ゴール』
全体最適の概念をわかりやすく伝えてくれます。最終成果につながらないところでどれだけがんばっても、意味がないどころかむしろマイナスなわけです。
スループットを高める動きをしないといけないと指摘します。スループットとは、販売を通じてお金を創り出す割合のこと。
スループットを高めるには、それぞれの工程がなにに依存しているのか、依存的事象を考えていきます。そして、どれくらいブレが生じるか、統計的変動を考えることが必要です。
全体最適は5つのステップで実現していきます。
- STEP1ボトルネックを見つける
- STEP2ボトルネックをどう活用するか決める
- STEP3ほかのすべての決定をステップ2の決定に従わせる
- STEP4ボトルネックの能力を高める
- STEP5ボトルネックが解消したらステップ1に戻る
生産的かどうかを把握するうえで、マストで読んでおきたい内容になっています。
『HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか』
スタートアップのCEOに向けて書かれた本なのですが、答えがない難問にどう立ち向かえばいいかは、だれもが気になる問いです。
CEOに求められる3つの資質はこちら。
- ビジョンをいきいきと描く力
- 正しい野心
- ビジョンを現実化する能力
成功するCEOの際立ったスキルについて、著者は「良い手がないときに集中して最善の手を打つ能力」と言っています。事業を推進していくには大事なところです。
『V字回復の経営』
実話をベースにした事業再生論。とにかく読んでいて熱くなれます。改革に求められる3つのチェックポイントはこちら。
- コンセプト…改革の共通認識となる理論やフレームワークが必要
- ストーリー…強烈な反省から原因を特定して具体的な解決策に落とし込む
- 人事…本気度を示す象徴的な人事が必要
そして顧客の声を基点にして、創って(開発)、作って(生産)、売る(販売)のサイクルを回していくわけです。これが商売の本質。
「自分はちゃんとやっている」「経営者が悪い」「ほかの部署の問題だ」と思う人ばかりがいる組織にならないためのヒントが詰まっています。
『アメーバ経営』
京セラの経営を創業者の稲盛和夫が語り尽くします。
アメーバ経営とは、会社組織をアメーバと呼ばれる小集団に分けて、社内のリーダーにその経営を任せることで、社員一人ひとりが自主的に経営に参加することを実現するもの。
アメーバ経営の目的は3つ。
- 市場に直結した部門別採算制度の確立
- 経営者意識を持つ人材の育成
- 全員参加経営の実現
注意したいのは、アメーバ個々の利益を目指すため、エゴが出やすいこと。人間としての正しさというフィロソフィーを共有して調和を図ってるそうです。
全員参加経営を実現する仕組みのヒントが詰まった一冊です。
『売上最小化、利益最大化の法則』
売上よりも利益にフォーカスした経営を推奨しています。
- 無収入寿命という指標を使い、無理な投資はしない
- 売上市場主義ではなく、利益至上主義で経営する
- 5段階利益管理で、商品の選択と集中を徹底する
どこを経営において重視すべきか、かなり明快な論理が展開されます。経営するうえで把握しておいて損はない内容になっています。
『経営は実行』
目標を達成できなかったとき、戦略が間違っていたよりも、多くの場合、実行されていないことがあるわけです。
実行を支える3要素はこちら。
- リーダーの行動…自社を知り、目標を設定して優先順位をはっきりさせる、最後まで目標をフォローする
- 企業文化の変革に必要な枠組みを作る…報酬と業績を連動させる、オープンで率直な議論で現実を浮き彫りにする
- 適材を適所にあてる…リーダー自ら人材の選抜や評価に関わる、実行力のある人材を選ぶ
実行の文化を根づかせるための鉄則がわかります。
『経営の行動指針』
土光敏夫の経営エッセンスが盛り込まれています。
- 活力=知力×(意力+体力+速力)
活力とは単なる馬力ではありません。ベースには知力があるのです。知力を成果として結実させる行動力が必要。行動力にとって重要な要素が、意力・体力・速力という関係性です。
すべてにバイタリティがあることがわかりますし、仕事の根源にしているわけです。
組織戦略力を高める
組織全体をどう構築していければいいのか?組織戦略は経営戦略でもあります。組織論を学べる本を紹介していきます。
『ティール組織』
組織論の本として大きな話題を読んだ本。実現が難しいという声もあるようですが、実現可能性はむしろどんどん高まっていると、個人的には感じています。
ティール組織とは、目的の理解と共鳴があることで、個人のらしさを発揮できる組織のこと。良い悪いではなく、時代によって組織は変化していることを示されます。
- レッド組織…上下関係が明確
- アンバー組織…秩序だったヒエラルキーがある
- オレンジ組織…アメとムチがありながら実力主義
- グリーン組織…自由と平等を重んじて個を尊重する
- ティール組織…個人のらしさを最大限発揮できる
あらためて実現ができないと思うのは、パラダイムシフトが起こってないからだと感じます。組織論を考えるなら、いまの時代、必読です。
『学習する組織』
組織論を考えるうえには読んでおきたい名著です。チームを作るには、3つの学習能力のバランスを図ることを求められます。
- 志を育成する力…個人やチームがやりたいこと、向かう方向性を明確にし、自らを変化させていく力
- 複雑性を理解する力…世の中をさまざまな要素のつながりから成り立っているものとして捉え、システムそのものを把握する力
- 共創的に対話する力…相手の立場に立って探求を進めて、内省的に自分の考えを話すコミュニケーション力
さらに5つの学習ディシプリンがまとめられています。
- 自己マスタリー…人生において必要なことを生み出すために、絶えず自分の意識と能力を高める
- 共有ビジョン…組織として成し遂げたい未来の共通像を持つこと
- システム思考…世の中のシステムの全体を明らかにして、それを効果的に変える考え方
- メンタルモデル…自分の考えの前提が正しいか常に疑う姿勢
- チーム学習…仲間と一緒に探求、考察、内省を行うスタイル
このなかのシステム思考(複雑性を理解する力)は、ほかのディシプリンをつなぐ大事なもの。物事ではなく全体のつながりを見て、静的ではなく動的に捉えていくわけです。
『失敗の科学』
なぜ人間は同じ失敗をしてしまうのかがわかる内容になっています。
- 認知的不協和音が起こっている
- 世の中は単純と思いこんでいる
認知的不協和音とは、「信じていること」と「事実」には大きなズレがあるということ。自分の誤りを認めるのではなく、事実の解釈をしてしまいがちなんですね。そして世の中は単純だと考えることは思考停止に陥ってしまう。
失敗をしないためには、「反事実を探ること」が解決の糸口だといいます。ここで気をつけなくてはいけないのがストーリーの吸引力です。わかりやすいストーリーの力が反事実を探ろうとすることを放棄させることがあるのです。
失敗の原因となる思い込みをどう排除するかを知ることができる内容です。
『U理論』
U理論は、有名なイノベーション理論ですが、かなり難解なんですね。思考を超えて「感じること」を求められているからだと思います。だけど、ビジネスではロジックだけでは超えられない壁があるのは実感するところ。
U理論は7つのステップになります。
- ダウンローディング(Downloading):既存のモノの見方で考える
- 観る(Seeing):判断を保留して、新鮮な目で見返してみる
- 感じ取る(Sensing):客観的、俯瞰的にモノゴトを捉える
- プレゼンシング(Presensing):未来の可能性から現実を読み解く
- 結晶化(Crystalyzing):ビジョンや意図を迎え入れる
- プロトタイピング(Prototyping):実行・実験して未来を探索する
- 実践(Performing):新しいやり方、仕組み、習慣としてやってみる
このなかで最も大事で難解なのが、プレゼンシングです。プレゼンシングとは、最高の未来の源からつながり、最高の未来の可能性を今に持ち込むこと。つまり、これからなすべき使命のヒントに気づいてしまう瞬間といえます。
「最初の開かれた思考はそれまで当たり前のように信じていた仮定を捨て去り、これまではっきり認識してこなかったものに耳を傾け、見ることから始まる」
その瞬間を起こすために、過去や既存の知識、ロジック、狭い自己認識から、自分を解き放つ必要があるというわけです。
『なぜ人と組織は変われないのか ハーバード流自己変革の理論と実践』
なぜ変わることができないのか。目標を掲げたものの、途中で元通りになっている状況はありがち。それは免疫システムが働いているからだと言います。
免疫システムとは、表の目標ではなく、裏の目標に支配されてしまうという固定観念に取り憑かれている状態のこと。例えば以下のような免疫マップが考えられます。
- 改善目標…部下に権限委譲する
- 阻害行動…結果的に自分が意思決定する形にしむけている
- 裏の目標…自分のやり方でやりたい
- 強力な固定観念…自分委譲に能力があり、考え抜いている人はいない
固定観念からの脱却は、免疫マップを言語化して、自己を客体化していく必要があります。裏の自分のモチベーションに気づくべきなのです。
本書には、人間は変わることができる、成長することができると言い切ってくれる力強さがあります。
『失敗の本質』
日本軍の失敗を事例にして、ビジネスでも参考になる本。そもそも日本軍は作戦の目的を軽視することから、問題が生まれていると指摘します。現場の判断遅延、現場の独自判断、資源の分散が発生する。
議論がしづらい組織は以下の状態が起こっているのです。
- 何も言い返すことができない絵師申請の高いスローガンがある
- 事実や結果を軽視している
- 組織内の調和を優先している
情緒や空気で流されることの問題が、しっかり分析されています。
戦略立案力を高める
どうやって戦略を考えて立案すればいいのか、そのヒントとなる本を紹介していきます。
『ストーリーとしての競争戦略』
優れた戦略には、思わず人に話したくなるようなストーリーがある。かなり読みやすい戦略書です。
まずは戦略の違いの作り方、2つのアプローチを紹介します。
- SP=ポジショニング…競争に勝つためには他社と違ったことをやろう
- OC=組織能力…競争に勝つためには他社とちがう独自の強みを持とう
最初から完璧なストーリーなんて存在しないんですね。戦略コンセプトと戦略ストーリーの原型がありながら、やむを得ない事情などをクリアした先に、優れたストーリーが生まれていくのです。
長期的に優位性が持続するストーリーには、「一見して非合理」に見える部分が存在するというのは、ものすごくおもしろい指摘でした。部分的に見るとなぜこんなことしているの?を思えることも、ストーリー全体で見ると強力な合理性があるんですね。そうして完成したストーリーは、真似しようとすると全体の真似をしなくてはならないので、他社は追随できないのです。
戦略がこの意味でのストーリーになっているかどうかは、内容はもちろんですが、戦略のプレゼンテーションをする人の表情や声、雰囲気にも注意して聞いていれば、一目瞭然です。そこにストーリーがあれば、その戦略をつくっている人自身がストーリーに興奮し面白がり、実に楽しそうに戦略を「話して」くれるからです
『良い戦略、悪い戦略』
本書では、良い戦略と悪い戦略の違いを示して、良い戦略を立てるためのヒントを提供してくれます。
良い戦略とは、十分な根拠に立脚したしっかりした基本構造を持っていて、一貫した行動に直結しているもの。この基本構造は「カーネル核」と呼ばれ、3つの要素から構成されます。
- 診断…現状を診断分析し、取り組むべき課題を見極める
- 基本方針…どんなアプローチで臨むのかを示す
- 行動…戦略は行動につながるものでなければならない。リソース配分、行動計画、実際の行動が噛み合ってる
良い戦略があるからこそ、やるべきことが明確になるわけです。
『コンテナ物語』
物流において今でもなくてはならない存在となったコンテナについて、どのように世界経済を変えていったのかを追ったビジネスノンフィクション。
コンテナに目をつけたのは、戦略立案の実践として参考にしたい点が多いと思います。コンテナの標準化により、大きな変革が起こったんですね。
- 物流のグローバル化が可能になった
- トラック業者だったマルコムが世界最大級の海運王になった
- 中国が急速な経済発展を成し遂げた
ただの箱だと侮ってはいけません。
マーケティング力を高める
いまやマーケティング力はどの企業も重視しているところになります。マーケティング力を高める本をまとめていきます。
『ジョブ理論』
どうやったら売れる商品サービスを作ることができるのか?『イノベーションのジレンマ』のクリステンのジョブ理論は、もはや新たなスタンダードになりつつあります。
たとえばミルクシェイクを売るとします。プロダクトのレンズから見ると、サイズ大きくする?味を増やす?価格下げる?という思考になりがち。一方、ジョブのレンズをかけると、誰のどんなジョブを片付けるために雇われたのか?という思考になります。
出社中の社内で手軽に長い時間をかけてお腹を満たせる、というジョブをミルクシェイクを雇って片付けているといった可能性を考えることができます。
望ましい状況(進歩)と、現状との間に「ジョブ」が発生するんですね。ニーズという曖昧な言葉ではなく、「ジョブが生まれるストーリーを理解せよ」と著者は言います。
そのために「受動的データ」に着目し続けることが大事になってきます。
- 能動的データ…外から見えやすくわかりやすいデータ
- 受動的データ…意図して調べなければまったく見えてこないデータ
顧客が求めていることはなにか、探求していくことが求められているのです。
『確率思考の戦略論』
USJで実証された数字とロジックに裏打ちされた戦略論。「ビジネスの成否は確率で決まる」「その確率はある程度は操作できる」と言い切っています。
市場構造の本質は、プレファランスで、これは人による好みのこと。ビールならモルツ、一番搾りと銘柄の好みが決まっている人がいるわけです。そしてプレファランスの組み合わせがエポークト・セットです。エポークト・セットは、過去の購買経験によって消費者の脳内につくられていて、このなかからランダムに商品を選んでいるというわけです。
つまり経営資源を集中すべきは、消費者のプレファランスの向上になるのです。
プレファランスは3つの要素で決まります。
- ブランド・エクイティー…ブランドが持つ見えない資産のこと。ディズニーなら夢と魔法の王国。
- 製品パフォーマンス…機能重視、問題解決型の商品なら重視すべき点。
- 価格…中長期的には価格アップして、消費者を喜ばせる原資を得る。
売上を決める7つの基本的要素を挙げています。
- 認知率
- 配荷率
- 過去の購入率
- エポークト・セットに入れる率
- 1年間の購入率
- 年の平均購入回数
- 平均購入金額
さらに細かい数式も掲載されていて、数字に向き合う必要を実感させてくれる内容になっています。
『エスキモーに氷を売る』
マーケティングを突き詰めると、エスキモーに氷を売ることも可能だとのっけからすごい例えが出てきます。
- 等身大の自社を見つめる
- 顧客にとっての商品力を見極める
この2つを突き詰めることで、さまざまな可能性が広がるのです。
NBAのニュージャージー・ネッツの事例が紹介されています。徹底的に顧客の満足度を考えていった結果、スターチームとの対戦を増やす戦略をとって、チームの収益性を高めることに成功しました。自分のチームを強化するのではなく、対戦相手の魅力を活用したわけですね。
マーケティングの発想が広がっていく感覚を味わえます。
『コトラーのマーケティング4.0』
マーケティングも時代に合わせて変化しなくてはならない。消費者が企業より賢くなり、グローバル化で問題が起こり、ニーズを満たすだけでは消費者は買わない状態になっています。
- マーケティング1.0…製品中心の考え方
- マーケティング2.0…消費者中心の考え方
- マーケティング3.0…劇的な変化による課題を解決する
- マーケティング4.0…自己実現中心の考え方、購入したことによって自らの「精神的欲求を満たすこと」を重視する
マーケティング3.0では、社会課題解決はもはやボランティアでやることではなく、経営課題として取り組むべきとしているのです。そして、マーケティング4.0では、自己実現ができているかを重視するようになったわけです。
アメリカの経営学者で影響力のあるコトラーの考えは、ビジネスの前提として把握しておくべきでしょう。
『売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則』
マーケティングには不変の法則があると、著者は断言しています。そのいくかを紹介すると…
- 一番手の法則…先頭を切ることが大事
- カテゴリーの法則…最初ではなくても一番手になれるカテゴリーを見つければいい
- 心の法則…顧客の心に入り込む
22の法則のうち、自分なりに参考にしたい法則だけをピックしてもいい。使い勝手のいい本です。
『デジタルマーケティングの定石』
本当に成果が出る施策は、企業規模や業種による差がほとんどない。定石とは、従来の顧客接点をデジタルに置換することで、大幅なコスト削減を実現する施策パターンです。
デジタルでできることと、できないことを把握すべきだといいます。人間のようなおもてなしはできないし、ユーザーが目の前にいない。
- 3秒以上の営業トークは無視される
- 見込み客の質を高められない
- デジタルでブランディングも難しい
- ユーザーの顔が見えない
- 爆発力がなく少しずつしか伸びない
デジタルの特性としてはこちらです。
- コスパが圧倒的にいい
- 1対nでやりとりできる
- ストックになって集客方法できる
- 大量のリアルデータが集まる
デジタルマーケティングの特性を理解して施策に取り組むべきということですね。まさに定石を知って思考をショートカットできる内容です。
『不変のマーケティング』
実践者2万人以上、顧客獲得実践会が提示したマーケティング術がまとめられています。
品があって、その商品のマーケティングをしたんじゃない。マーケティングをして、欲しがる人がいることを確認してから、商品を作ったそうです。商品志向ではなく、まずお客を探し、ニーズがあることを確かめてから商品を提供するスタイルを提唱しているんですね。
ひたすら、お客の頭の中を考えることにこだわっています。
- お客はどうしてここに集まっているのか?
- お客が嫌っていることは何か?
- どうして嫌っているのか?
- お客は何に悩んでいるのか?
- どうして悩んでいるのか?
- お客が恐れていることは何か?
- どうして恐れているのか?
記憶喪失になっても思い出したいマーケティングの7原則はこちら。
- 緊急性
- 限定(数量限定、日にち限定)
- FAX
- 指を動かせる(DMの申込書にペンをつけた)
- 思い切った保証
- 明確な指示
- お客様の声
さすがにFAXは使っている時代を感じますが、それでも今にも通じる内容になっています。
『現場のプロが教える! BtoBマーケティングの基礎知識』
BtoBマーケティングの基礎を徹底的にまとめた本。
Web広告、SEO、SNS、メールマガジン、ウェビナー、Webサイト、オウンドメディアといった各項目をしっかり解説しています。
以下のような悩みを持っている方におすすめです。
- BtoBマーケティングを任されたけど、何から学び始めれば良いかわからない
- 効果的な施策がどのように設計されているか知りたい
- 他社のKPIがどのように設定されているか知りたい
BtoBマーケティングを考えるうえで、ガイド本として持っておきたい内容です!
ブランディング力を高める
ブランディングはあいまいなものですが、今の時代欠かせないところがあります。ブランディング力を高めるためのヒントをくれる本を紹介します。
『ブランディングの科学』
品質の高さを訴求してロイヤル顧客を増やそう。けっこうマーケティングだとありがちな思考ですが、本書は真っ向から否定しています。50年という歳月を費やした研究結果から、顧客数を増やすことが大事だと導き出しています。
まずはブランドの売上高を整理すると以下のかけ算になります。
- ブランドの購買客の数
- ブランドの購買客の購買頻度
このことを軸にさまざまな調査結果とともに、既成概念をひっくり返していきます。
既存顧客の維持よりも、新規顧客獲得を重視すべき。顧客離反率を下げるのは難しいことと、全購入者の半分は他社に乗り換えるのでこの最大50%が顧客になる可能性があるから。
ライトユーザーが大半を占め、ヘビーユーザーになることもある。反対にヘビーユーザーがライトユーザーになることだってありえます。だからこそ、狙うべきはライトユーザーという結論を出しています。
似たような自社商品も、同じ顧客に売ればいい。ターゲットを絞って考えているが、同じ人が日によってちがう商品を購入するのなんて、よく考えれば当たり前ですよね。
『ストーリーで伝えるブランド』
いまやストーリーをまとっていない商品サービスは見向きもされない時代。著者は、戦術的ストーリーではなく、シグネチャーストーリーが大事だとしています。
・戦術的ストーリー…広告やウェブ上で、短期的なコミュニケーションの目的を達成するために使われる。目的達成後もストーリーが生き続けることは期待されていない
シグネチャーストーリー…組織の継続的な方向性を指し示し、永続的で有効な資産となる。何度も語られ取り上げられていくにつれ、真実味、けん引力、影響力を増していく。最終的に、売上げや利益、市場での地位といった成果指標を押し上げるほど意義深いものになりうる
シグネチャーストーリーが人々を惹きつけていくわけです。ストーリーの重要性や、ストーリーを身にまとう方法が細かく丁寧に解説されています。
『小さな会社を強くするブランドづくりの教科書』
ブランドづくりは大きな会社の特権ではない。むすろ小さな会社こそブランドを意識すべきとしています。
まず筆者はブランドの定義をしようと試みます。はじめに出てくるキーワードは「とんがり」です。強いブランドには品質を超えた「とんがり」があるといいます。
そして、ブランドは「意味」となっている。例えば「テーマパーク」に行きたい人よりも、「ディズニーランド」に行きたい人の方が多いですよね。テーマパークというカテゴリーから飛び越えた存在となっていれば、ブランドが確立しているというわけです。
まとめてみると、以下の通りです。
- ブランド=顧客の心の中に存在する、品質を超えたポジティブなイメージ
- ブランド作り=顧客の心の中に、品質を超えた日時ティブなイメージを形成し、顧客との感情的なつながりを作ること
スラっと読めるのですが、「ブランド」を様々な視点で考える試みはたいへん刺激的な内容です。
営業力を高める
営業は売上直結のスキルになります。それだけに重視したいところありますので、書籍からしっかり知識を学んでいきましょう。
『THE MODEL(ザ・モデル)』
営業には、新たな仕組みが必要で、そのためにザ・モデルが必要というのが、著者の主張です。
ザ・モデルとは、営業活動の一連の流れを細分化し、ビジネスにおいて成果を出すための営業プロセスのこと。マーケティング、インサイドセールス、外勤営業、カスタマーサクセスに分けて、仕組みを作っていくわけですね。
- マーケティング…マーケ施策×有効情報(顧客情報など)獲得率=見込み顧客数
- インサイドセールス…見込み顧客に対して案件化していく。見込み顧客数×有効商談化率=商談数
- 外勤営業…案件にたいして成約していく。商談数×成約率=契約数
- カスタマーサクセス…顧客に対してアップセルする。契約数×更新率=継続契約数
ザモデルのメリットとしては以下があります。
- 常にお客さんと接点を持つことができる、カスタマーサクセス
- 各部門が同じリズムの仕事に集中できる
- 分業するのではなく共業する
- どの部門どのプロセスで問題があるか把握しやすい
- 属人的にならない
- 再アプローチができる顧客が可視化できる
これからの営業を考えるうえで、知っておきたい概念です。
『無敗営業』
かなり大胆なタイトルですが、著者はコンペで8年無敗で、その営業ノウハウは説得力があります。まず、営業とお客様の間で、情報のギャップが生じていることが前提。営業がうまくいかないのは、そのズレが敗因となっているんですね。
お客様が信頼する営業は「わかってくれる」営業。ズレを解消するためのコミュニケーションが重要だというわけです。
実際に受注した企業に話を聞くと、「価格で決めていない」という返答が多かったといいます。本音としては安心感があった、営業担当者の反応スピードが早かった、そのあとに費用対効果で決めるのが多い傾向があるそうです。もう一度会いたいと思える営業は6人に1人しかないという結果も…。
4つのズレはこちら。
- ヒアリングが不十分→質問力(土台作り、切り込む聞く、深堀りする聴く、具体化する訊く)
- 営業に魅力や価値を感じない→価値訴求力(労務提供、情報提供、プラス低減を好感・共感で支える)
- 顧客の意図に沿わない提案を出してくる→提案ロジック構築力(引き出すヒアリング、まとめるヒアリング、要件整理、弊社対応の提示)
- 営業としての動きが悪い→提案行動力(要件ヒアリング、提案内容の構築、プレゼン、クロージング)
接戦を制する3つの質問といった具体的な内容も盛り込まれています。
『NEW SALES』
これまでのOLD SALESからNEW SALESへ。
OLD SALESとは、自社の商品・サービスの機能や性能に関する情報を顧客に提供すること。これからは、NEW SALESすなわち顧客の「願望」を実現する営業ではないと、うまくいかないとしています。
NEW SALESの営業に必要な7つの原則が紹介されています。
- Story…「商品」ではなく「物語」を売る
- Surprise…「挨拶」ではなく「驚き」を届ける
- Scenario…「自社が主役の台本」ではなく「顧客が主役の台本」で動く
- Sympathy…「自分のキャラクター」ではなく「相手のキャラクター」に合わせる
- Share…「属人的なチーム」ではなく「再現性のあるチーム」をつくる
- Score…「感覚的なチーム」ではなく「科学的なチーム」をつくる
- Significance…「金銭報酬だけのチーム」ではなく「意義報酬にあふれるチーム」をつくる
これからの営業を考えるうえで、参考にしたい内容になっています!
アイデア力を高める
アイデア力を高めるにはどうすればいいのか、押さえておきたい本を紹介します。
『アイデアのつくり方』
ビジネスではアイデアが必要になってきます。本書は1940年刊行されましたが、長くバイブルとして読まれているロングセラー。
アイデアの2つの原理は以下だとしています。
- アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何者でもない
- 新しい組み合わせに導く才能は、事物の関係性を見つけ出す才能による
そしてアイデアを生み出す5段階のプロセスはこちら。
- 情報収集…テーマに特化した特殊知識、一般知識
- 収集資料の咀嚼…新しい組み合わせの可能性を模索する
- 何もしない…無意識で勝手に働くのに任せる
- アイデアが訪れる…確実にこの段階が訪れる
- アイデアを形にする…育て上げるにはフィードバックをもらう
わずか60ページ足らずなのに、一生使えます。おすすめです。
『たくらむ技術』
著者は『ロンドンハーツ』『アメトーク!』のプロデューサーである加地倫三。ライトな作りなのですが、活用できそうなことは多いんですね。企画の出し方と会議の方法は参考になりました。
企画の出し方は大まかに5つ。
- トレンドに背を向ける…アンテナを張っての情報収集はしない。情報が自分のものにならないから
- ヒントは分析から生まれる…好きなもの、面白いと思うものがあったときに、なぜかを分析する
- 「逆に」を考える…決めつけをしない。例えばバッファローの木村から「あぶら揚げ」をテーマにしたいと提案があったが、逆にと考えてゴーを出した。ただし、ダメな企画もある。アゴ長い芸人は身体的なことで共感を呼ばないとして、NGにした
- パクリはクセになる…どんどんアタマは退化していく。パクリとパロディーは違う。二番煎じは本質を見失う
- 自分たちが面白いかどうか…最初に考えるのは自分たちが面白いかどうか。視聴率はその次。面白さをどう伝えるかは考える
会議で大事にしていることはこちら。
- 煮詰まったらすぐやめる
- ゆるい会話から
- 脳の経験値を上げる
- つまらない会議で質問
- 反省会こそ明るく
会議も発想法と直結していて、チームワークを第一に考えていることがわかります。
論理的思考力を高める
ロジカルな考え方をどう身につければいいのか、論理的思考力を高めるための本を紹介します。
『方法序説』
17世紀デカルトによって書かれた本。30年戦争という最大の宗教戦争の真っただ中に、「普遍的な原理とはなにか?」という問いに、デカルトが挑みました。
思考のスタートは、自分の考えでゼロからこの世の中を設計すること。複数で思考するのではなく、誰かが作った土台の上でもない。真理を導くための4つの原則があるといいます。
- 疑え…注意深く速断と偏見を避ける
- 分割せよ…難問はできるだけ細かく分割する
- 順序を踏め…認識しやすいものから階段を作る
- 確認せよ…見落としがないか確認する
疑って疑って「我思う故に我あり」という原理にたどり着いたわけですね。原理を考えるうえでは参考にしたい考え方です。
文章力を高める
ビジネススキルとしても文章力は必要とされます。文章力が高まるおすすめ本をそろえています。
『考える技術・書く技術』
すべてのビジネスパーソンに必要な論理的思考技術のバイブル。マッキンゼーといったコンサル会社でライティングコースを教える著者が、独自の文書作成術をまとめています。
- 文章が適切かは、3つの鉄則をチェックすればいい。
- メッセージはその下位グループ群を要約していること
- 各グループ内のメッセージは、常に同じ種類のものであること
- 各グループ内のメッセージは、常に論理的に順序づけられていること
ビジネス文書作りの体系書として参考にしたい内容になっています。
人間関係力を高める
人間関係の悩みは尽きないもの。逆にいうと人間関係さえ良ければ、気持ちよく働けるともいえます。人間自体を知ることにつながる本も紹介していきます。
『影響力の武器』
人間の見えないスイッチについてまとめられた本。どう影響を与えるのかが、人間を知ることが見えてきます。
- 返報性…なにかしてもらったら、お返しとしてなにかしてあげたくなる
- コミットメントと一貫性…宣言したら撤回できなくなってしまう
- 権威…肩書やルックス、フォロワー数などを信頼してしまう
- 社会的証明…行列ができていると並びたくなってしまう
- 好意…好きな人に同意してしまう
- 希少性…残りわずかだと思うと欲しくなってしまう
人間はバイアスの塊なんですね。影響力の武器を知ることで、さまざまなビジネスの場面で活用することができます。
『天才を殺す凡人』
職場の人間を3種類に分類しています。
- 天才…創造性を活かして働く
- 秀才…再現性
- 凡人…共感性
3者にはそれぞれ才能を止めるストッパーがあるため、それを自覚して乗り越えることが大切だとしています。
『愛するということ』
愛するには技術が存在する。エーリッヒ・フロムが1956年に書いて今も売れ続けているベストセラーです。愛にまつわる落とし穴は、あるあるすぎますね。
- 愛することではなく愛されることに注力してしまう
- 愛する能力の向上をおろそかにして愛する対象探しをしてしまう
- 恋に落ちることばかり考えて「愛する状態に居続けること」を軽んじる
愛とは自分の生命(自分のなかに息づいているもの)を与えること。自分の大切なものを与えることが最上の喜びになっているわけです。
愛の4つの要素がまた味わい深いです。
- 配慮…愛とは愛する者の生命と成長を積極的に気にかけること
- 責任…愛とは他人の欲求に応じられる、応じる用意があること
- 尊重…愛とは人間をありのままの姿で見て、その人が唯一無二の存在であること
- 知…愛とは能動的に相手のなかに入っていくことであり、その結合によって相手を知ること
愛とはなにか?を知ることは、人間関係を考えるうえで大切なことなのです。
『自由からの逃走』
自由について、社会心理学者エーリッヒ・フロムが解き明かしていきます。人間は帰属意識が持てている状態から独立して個性化したとき、外界からのプレッシャーや不安が発生するわけです。ここからどう抜け出すのか。
自由には2つあるんですね。
- 〜からの自由(消極的自由)…行為が本能的に決められてしまうことからの自由を持つ
- 〜への自由(積極的自由)…個性を実現することへの自由を持つ
なぜナチズムに傾倒していくのか?が本書を書くきっかけになっています。逃避的行動ではなく、自発的行動を進めることが大事。相手を尊重する「愛」、社会とつながる「仕事」こそが、新しく世界との関係を築く唯一の手法なのです。
『これからの「正義」の話をしよう』
NHK番組でブームになったサンデル教授が、正義について切り込んだ本。功利主義やリバタリアニズムを否定しているんですね。共通善を導くためのコミュニタリアニズムを説きます。
- 功利主義…最大多数の最大幸福、みんなの合計の幸福が上がればいい。多少の犠牲はいとわないという考え。ジェレミー・ベンサム。
- リバタリアニズム…自分の所有分をどう使おうが自由。余計な手出しは不要という考え。ミルトン・フリードマン。
- コミュニタリアニズム…正義はひとつの原理では決まらない。所属するコミュニティの正義を公の場で議論できる土壌づくりが大事。
議論を重ねて重ねて、最善の解を考えていくことに意味があるとしています。これからの時代には、対話が大事。哲学の視点を持つには、しっかり理解しておきたい考えです。
『自分の小さな箱から脱出する方法』
人間関係に悩んでいるなら、ぜひ読んでほしい一冊。
「箱に入る状態」とは、自分の本心を裏切っている状態と定義しています。やっかいなのはこれを客観視できないという点なんですね。箱に入ると、4つのネガティブなことが起こります。
- 本来の目的ではなく相手を貶めることが目的になる
- 相手を箱に入れてしまう
- 周囲の人を敵味方に分断してしまう
- 居心地がよくて箱から出られなくなる
相手を1人の人間として見る。そうすることで箱から出ることができます。
「相手を、自分と同様きちんと尊重されるニーズや希望や心配を持った一人の人間として見始めたその瞬間に、箱から出るのだ」
相手を変えようとしたり張り合おうとしたりしては、逆効果になるので注意が必要。心がふっと軽くなるはずです。
自己理解力を高める
自己理解をどれだけ深めることができるか、働き方だけではなく生き方にもつながる大事なこと。自己理解力を高める本をピックアップしていきます。
『insight(インサイト)』
なぜみんな自分のことをわかってくれないのか。実は自分のことをわかってないのはみんなではなく、自分なのかもしれません。自己認識について丹念に向き合った内容になっています。
まず、自己認識は内的と外的の両方から進めないといけない。
- 内的自己認識…決定的な1つの要因を探してはいけない、なぜは厳禁、自分の恐怖や欠点ばかりを反芻しない
- 外的自己認識…マム効果(ネガは言ってくれない)を考慮する、愛のある批判者からのフィードバックを求める
そして自己認識の前に立ちふさがる3つの盲点を挙げています。
- 認識の盲点…自分が本当になにを知ってなにを知らないのか。客観的に把握するのは難しい
- 感情の盲点…感情は直前のことで影響を受けてしまう。自分の感情は客観的にわからない
- 行動の盲点…自分がなにをやっているか。他者と同じ視点では見ることはできない
自分のことは自分が一番わかっているなんて、幻想なのです。本書は、自己認識の旅へ繰り出すためのガイドとなってくれるでしょう。
『ファスト&スロー』
心理学者でありノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンが、「人間のエラーの仕組み」を解き明かしていきます。
人間の脳内には、2つのシステムがあるとしています。
- システム1(速い思考)…ある特定の状況では必ずエラーを起こす
- システム2(遅い思考)…注意深くじっくり考えられるがキャパが限られる
システム1は、すべての処理をこなそうとして、休みはありません。短時間で直感的に判断しようとする。システム2は怠け者で省エネ、システム1が対処できないときだけ、駆り出されるとしています。
このシステムをどれだけ考慮するかによって、合理的さが変わるわけですが、人間はシステム1と2の影響を受けるので、合理的な判断が苦手。長時間における穏やかな幸せよりも、短い時間での激しい喜びを好むというわけです。
人間の頭って合理的でもロジカルでもないことが突きつけられます。それなのに、合理的な考えを求められる。人間のことを知り、人間の幸福論まで展開されていくのが、エキサイティングな点です。
『服従の心理』
服従はどのように生まれるのか。
有名なミルグラムの実験が紹介されています。ミルグラム実験は先生役、学習者役、科学者役を設けます。そこで学習者役が間違うたびに電流を強めていく。科学者役の指示によって、先生役はどこまで電流を上げるかという実験です。結果65%が電流をMAXまで上げきったといいます。
この背景には、エージェント(代理人)状態という心理状況が発生していることがあります。エージェント化する状況としては以下です。
- 権威を持っていることが認識できる
- その権威と自分と関係がある
- 命令が権威の枠内である
- 自分を正当化できる目的がある
義務感と不安を感じていることから、服従する心理が働くんですね。ゾッとするが人間の本質を感じさせる話です。
『群衆心理』
フランスの学者ル・ボンが書いた人間心理を書いた本。
群衆とは、個性を失って同一方向にコントロールされた集団のこと。個性が喪失されて、感情・観念が同一化している状態なんですね。
群衆は3つのテクニックにより生まれます。
- 断言…推論や根拠のない無条件の断言こそが影響力を発揮する
- 反復…同じ言葉をひたすら繰り返す
- 感染…感染がスタートする
組織が大いなる思考停止状態を生み出すことがわかります。
『利己的な遺伝子』
「生物とは、遺伝子が生き残るための単なる乗り物である」というメッセージが投げかけられ、1976年に刊行されてから、本書は多くの論争を巻き起こしました。
これまでは群が淘汰されないために生物は行動をとっているという説だったが、遺伝子が淘汰されないように生物は行動をとっているのは?という話になります。
親が子を守る行為も、利他的のように見えるけれど、遺伝子の視点でみると、極めて利己的な行動となるわけです。
『21Lessons』
ハラリが今を読み解いた本。
人間はハックされつつあるといいます。生物学知識で脳や身体を動かすメカニズムの理解が進み、高い演算能力があり、データが溢れ出している。
そして核兵器リスク、気候変動リスク、AIバイオテクノロジーリスクと、もはや1国では対処できない大きな課題があるなかで、政治は内向きになり自国ファーストの傾向があります。これでは大きな課題に対して、立ち向かえるはずがありません。
人間がアルゴリズムにハックされる前に、脳と心の研究を掘り進める必要があるといいます。
- 脳…ニューロンとシナプスと生化学物質のネットワーク
- 心…痛みや快感、怒り、愛といった主観的な経験の流れ
脳の解明は進んでいるが、心への理解はまだまだです。壮大な話ながら、自分の心の状態を知るという着地になっているのです。
『神モチベーション』
やる気のメカニズムを、やる気の入れ方、やる気の継続を、かなり明確にまとめています。超一流の人が味方にしているのが、ギャップモチベーションなんですね。
- ハイモチベーション…やるぞ!という鼻息の荒い状態。もっとも危険なモチベーションで、急激に上げると一気に下がりやすい
- アクティブモチベーション…行動することによって脳が刺激され、やる気になる
- ギャップモチベーション…理想と現実のギャップを埋めたい気持ちを利用する
大事な待ち合わせまであとわずか!そのとき迷わずにタクシーに飛び乗るという選択をすることがあると思いますが、これがギャップモチベーションです。成し遂げないといけない状態と、現在の状態、この差を埋めようとするわけです。
ギャップモチベーションの仕組みをつくるために大事なのが、未来記憶です。未来記憶は、こうなりたいという強い感情であり想像した未来です。イメージ・音声・感情・動作の4点で未来記憶を作るようにしていきます。未来記憶を定期的に想起して、毎日やることを進めていければ、ギャップモチベーションを操ることができるのです。
「モチベーションが上がらない」と悩んだことがある人は手にとってほしい一冊です。
教養力を高める
ビジネスにおいて目先の売上を追うだけではなく、グッと俯瞰的にモノゴトを見ていくことが大切になってきます。教養を身につけるためのビジネス書をまとめていきます。
『夜と霧』
著者は、アウシュビッツからの生還者で心理学者。極限のなかでの人間心理とはなにか、生きることの意味とはなにかを教えてくれます。
どうにもならない状況でもだれにも奪えないのが「精神的自由」。現状の自分をグッと俯瞰して、もう1人の自分が客観視することで、精神的自由を勝ち取ることができるわけです。
- 生きるとは…生きることの問いに正しく答える義務を引きうけること
人生に期待するのではなく、人生が自分に期待していることを問う。常に問われ続ける問いに、どう答えを出していくのか?それが生きるということなのです。
「人生は歯医者の椅子に座っているようなものだ。さあこれからが本番だ、と思っているうちに終わってしまう」。そう今この時こそが何よりも大事だと、著者は教えてくれます。
『サピエンス全史』
人類を7万年前までさかのぼって、なぜサピエンスが生き残りどう発展したのかを紐解いていきます。サピエンスが起こした革命は3つ。
- 認知革命…目に見えない、存在しないものも認知して語ることができる。同じものを信じることができるので大きな集団を組織できる。虚構を作る力。
- 農業革命…狩猟生活から農耕生活へ。だが人類が幸せになったかは疑問。
- 科学革命…無知を認める、無知を理解するために数学的ツールと結びつけ、新しい知を生み出す
虚構の力がサピエンスの源泉というのは目からウロコでした。人類の欲望は心の底から思っていたとしても、その時代が作った神話にコントロールされているに過ぎないのかもしれません。
『ホモ・デウス』
『サピエンス全史』のハラリが、人類のこれからについて考察していきます。
人類は、飢餓・疫病・戦争といった3大課題を克服しつつあるといいます。そしてこれからの人類のテーマは、「不死」「至福」になっていると主張します。生物工学、サイボーグ工学、非有機的生物科学によって、ホモ・デウスとして人類が神に近づいていく。
人類の宗教はデータ至上主義へ。
- 有神論主義…神の言葉を残した経典。神、人間、動物というピラミッド
- 人間至上主義…科学革命によってテクノロジーが神をしのぐ力を持った。人間の欲望を大事にする
- データ至上主義…アルゴリズムに人間が従う。伊津部のアップデートされたホモ・デウスとアルゴリズムが支配する
かなり壮大ですね。グッと視野を広げるにはうってつけの本です。
『銃・病原菌・鉄』
なぜヨーロッパ諸国が他大陸を征服できたのか?銃・病原菌・鉄は表面的な理由であって、ユーラシア大陸の環境要因が大きいとしています。
- 適性のある野生種の存在→騎馬
- 東西に伸びる大陸→種の分散の容易性→栽培植物と家畜の存在→余剰食料→安住化→銃、船、文字、疫病
東西に伸びていると、農業や文字といった文明は伝わりやすいわけです。南北だと動植物の成育条件が変わってしまうため。
その土地でイノベーションが起こる必要はなく、よそで起きた発見をすぐに伝わる状態になっていることが大事。そして統一されずに競争があることで、文明進化をしていくというわけです。
『限界費用ゼロ社会』
限界費用とは、1つのモノやサービスを生み出すためにかかるコスト。社会の生産性が高まれば、このコストがゼロになるというのです。
この限界費用ゼロ社会では、儲ける人がいなくなり、資本主義からの脱却が始まっていきます。話は壮大です。
これまでの中央集権的なものづくりから、分散がのものづくりへ。個人がミニマムコストで、営業・生産・配送が可能になる。市場も政府も関与しない自主管理型の社会資本が確立するというのです。
コモンズになる可能性があるプラットフォームは3つ。
- コミュニケーションコモンズ…Facebook、Google、Twitterのようなツール
- エネルギーコモンズ…再生エネルギーモデル
- ロジスティックコモンズ…インターネットのようなオープンプラットフォーム
現実味がないと思えるかもしれないけれど、IoTを通じて徐々に自分たちの身の回りでも起きていること。
未来を考えるうえでは、限界費用ゼロ社会という概念は把握しておくべきでしょう。
『反脆弱性』
不確実な世界を生きるための考え方が詰まった内容になっています。世の中のものは3つにカテゴリー分けされます。
- 脆弱…統一した規制で制御されたシステム
- 頑健…原則により運用されるシステム
- 反脆弱…美徳を通じて学習されアップデートされるシステム
これからの時代では、反脆弱が求められるといいます。小さな衝撃を常に受け続け、そのたびに強くなっていくというわけです。
- 反脆弱=大まかな予測×柔軟な計画×独立した要素群×各所で小さな失敗の発生
大事なのは小さな失敗は発生しているということ。完璧を求めすぎてはいけない。利益構造からも、脆弱だと想定外のことが起きたときに対応しきれず、反脆弱だと変化を好むので大きな変動が利益につながっていくのです。
『Humankind 希望の歴史』
人間は他人を蹴落とし、自分だけのことを考える存在なのだろうか?歴史を振り返ることで、希望にあふれた人間を見ることができます。
「ほとんどの人は本質的にかなり善良だ」というのが著者の主張なのです。
第二次世界大戦、1939年にドイツの爆撃機によるロンドン大空襲がありました。そこでは、助け合いが生まれ、思想や貧富の差は気にしなかったといいます。
オランダ生まれの生物学者フランス・ドゥ・ヴァールが提唱した「ベニヤ説」があります。人間の道徳性は薄いベニヤ板のようなものであり、少々の衝撃で容易に破れる。だが、本当にそうなのか?
薬が出回る。中毒性が高く夢中になる。その薬とはニュースです。ニュースから極端な状況を知らされることで、人間のネガティブな側面が膨張しているのではないかと、著者は疑問を投げかけています。
悲観論が漂う中、人間のポジティブな側面を見るのは、ものすごく意味があると思います。
『空気の研究』
日本に漂っていて意識決定に関わる「空気」の存在を解きほぐしていく。
空気とは「状況から生まれる特定の解釈」のこと。たとえば上司から新たなサービスの感想を求められて、微妙だと思っていてもすごく良いと返答したとします。そこには、否定的なこと言うと上司が不機嫌になるだろうと解釈が入ったから、その行動につながったというわけです。思考停止しているんですね。
カタチのない「解釈」に行動を制限されるから、どう議論したらいいのかがわからない。また解釈が暴走する可能性すらあるわけです。一方、ルールが支配する組織であれば、行動が明確になるのです。
- 空気が支配する組織…複数の解釈があって行動が制限される
- ルールが支配する組織…何に縛られているか把握しやすい
さらに、世の中にたくさんの神様が存在るという日本のアニミズム的世界観を紐付けていきます。だから、日本は解釈が複数あっても、疑問を持つことはないというのです。
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』
経営において経験やロジックが重要になりますが、それだけでは足りません。アートの必要性をわかりやすく解説してくれます。
まずはアートとサイエンス、クラフトのバランスを取ることを考えていきます。
- サイエンス…定石や分析結果から経営を考える
- クラフト…過去の実績や経験から経営を考える
- アート…自分の内的な美意識に基づいて経営を考える
このなかでアートの説得力が弱いんですね。意識的にアートを取り入れなくてはいけない。
いま経営にアートが求められる背景としては、「論理的情報処理の限界」「システム変化にルールが追いつかない」「自己実現欲求の市場が登場している」が挙げられます。
過去にとらわれたパターン認識ではなく、なにが起ころうとしているのか状態を見て感じる「アート的なモノの見方」が求められているというわけです。
有名企業の事例から学ぶ
有名企業がどうやって成功していったのか。試行錯誤した当事者の生の声は、仕事へのヒントと勇気をもらうことができます。
『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』
USJはマーケティングで劇的に変化しました。その秘訣を盛り込んだ内容になっています。
著者はマーケターとしてビジネスドライバーを見極めよと言います。USJでは以下の3つのビジネスドライバーに着目して、投資と改善を加えていきました。
- ターゲット客層の幅…映画専門店から世界最高のエンタメを集めた場所へ
- テレビCMの質…ブランドイメージを上げる質を求めた
- チケット価格…安すぎたチケット代を上げた
なによりも消費者視点を徹底すること。具体例とともにマーケティングの本質を学べる内容になっています。
『スターバックス再生物語』
スターバックスが拡大路線を歩んだときに、経営難に陥って、復帰したハワード・シュルツが何を行なったかを記した物語。効率化によりスターバックスが失ったものがありました。
- 自動エスプレッソマシン導入で効率化したものの、機械に高さがあり、来店客からバリスタの姿が見えなくっていた
- 挽いたコーヒーの粉を各店舗に出荷するようになったため、店内にコーヒーの香りが消えていた
シュルツはCEOとして復帰して、2008年2月の火曜日の午後、国内7100店舗すべてを閉鎖。バリスタを再研修しました。
原点に戻ることを徹底したことで、低迷から脱却したんですね。あのスターバックスでさえ、低迷することがあるのかと驚いてしまいます。
『無印良品は、仕組みが9割』
38億円の赤字。もうこの会社はダメなのでは?という状況からの復活劇を良品計画のトップが語ります。たどり着いたのは、仕組みを大切にする働き方。
無印良品に、2つのマニュアルを作ったそうです。
- MUJIGRAM…店舗で使っていて2000ページもある
- 業務基準書…本部の業務をマニュアル化して6600ページ以上ある
マニュアルは、顧客視点と現場の人たちの改善提案を吸い上げて作成されています。意識改革とは人の性格を変えるのではなく、行動を変えること。どんな時代でも勝てる組織の風土作りがここにあります。
『爆速経営 新生ヤフーの500日』
Yahoo!が大企業病に陥っていたとき、あらためて爆速経営を打ち出して勢いを増していく過程が明かされます。以下の問題点があったといいます。
- チャレンジ精神がなくなっていた
- 決定のスピードが遅すぎる状態になっていた
オンリーワン、異業種最強タッグ、未踏領域への挑戦がキーワード。社内には、ヤフー番付を作り、各サービスの貢献度を数値化して、ダメなサービスは撤退を、利益が上がりそうなサービスには投資を行うことにしました。
人事も優良サービスに優先権があるということで、ヒエラルキーを明確にさせている。爆速経営を実践するための要素が見えてくる内容になっています。
『不格好経営』
DeNAを率いていた南場智子による経営論。マッキンゼー時代はダメ社員、DeNAも右往左往しながら成長を遂げたと赤裸々に書いていて、さらけ出しの人だなぁと思います。
決定することの意味は何度か繰り返される話で、印象に残っています。
- 意思決定のプロセス…意思決定を論理的に行うことは悪いことではない。でもそのプロセスをみんなとシェアして、決定の迷いを見せることがチームの突破力を極端に弱めることになる。決定したプランを実行チーム全員に話すときには、これしかない、いける、という信念を前面に出したほうがよい。
- 意思決定のスピード…不完全な情報に基づく迅速な意思決定が、充実した情報に基づくゆっくりした意思決定に数段勝ることも身をもって学んできた。リーダーにとって正しい選択肢を選ぶことは当然重要だが、それと同等以上に「選んだ選択肢を正しくする」ことが重要となる。
決定に正解はないわけで、選んだ選択肢を正しくするというのは、肝に銘じたいところ。エピソードも豊富で読んでいて飽きません。
『9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方』
チーム全員がリーダーになれる。バイトなのに、優秀なスタッフとして機能する秘訣がまとめられています。
まずは会社・組織で意識をそろえることの重要性が述べられます。
共通するミッションとは?自分たちはどういうビジネスをやっていて、どういう人材を育てるのか。
ホスピタリティ・マインドが重視され、「自主的、主体的に相手を思いやること」がスキルよりも大事になれているといいます。
ディズニーの強さを感じられます。
『シンプルに考える』
LINEというお化けアプリを生み出した秘訣が詰まっています。時代を的確につかみ、ユーザーファーストが徹底されています。
「戦わない」「差別化は狙わない」「計画はいらない」など、これまで常識と思われていたビジネスマネジメントを否定していきます。
- ビジネスのシンプルな本質…求める人と与える人のエコシステム(生態系)
- お金を中心に考えない…大切なのは心。ワクワクするサービスを提供したいという気持ちが大事
- 会社は「人」がすべて…どんな人が働いているかによって企業文化は決まり、企業の盛衰が決まる
- 不安を楽しむ…ネットの世界の激しい変化を楽しんでいた
- ビジョンはいらない…未来を予測できない。ビジョンに縛られていけない。目の前のニーズに応えることに集中する
- 計画はいらない…事業計画は発表すると変化することへ批判が出てくる。変化に弱くなる
- 差別化は狙わない…LINEに似ているサービスはたくさんあった。だがユーザーが最も求めている価値は何かを追求していった。テキストメッセージ機能にフォーカスして磨きあげた
- イノベーションは目指さない…ユーザーが感じている目の前のニーズに応えることに集中する
いまもなお、参考になる点が多いと感じます。「悩む」のではなく、「考える」ために、どんどんシンプル化していくためのノウハウが詰まっています。
『未来のチームの作り方』
サイボウズのオウンドメディア「サイボウズ式」の事例を軸にしたチーム作り本。働く時間と場所はそれぞれのメンバーが決めていて、かなり先進的な働き方をしています。
チームの土台には、心理的安全性の確保を置いているんですね。都合の悪いことは早い段階でチーム内に共有しないといけない。
これは高信頼性組織研究からきています。病院とか原子力発電所とか、失敗が許されない組織で、いかに失敗をゼロにできるかという研究です。失敗を減らしたければ、失敗を許容しないといけない。
犯人探しをすると、失敗を隠してしまう。そうすると学習の機会が奪われ、結果失敗を繰り返すようになるわけです。失敗が起こったときに、個人に原因を押し付けるのではなく、組織全体に帰属し、なにが悪かったのかをみんなで研究することが大事だとしています。
これからのチーム作りについて、実践的な内容になっています。
『ガリガリ君が教える! 赤城乳業のすごい仕事術』
4億本超えて売れているガリガリ君。赤城乳業の仕事の仕組み、大手ではない特徴を出そうとしていて、参考になるところがあります。
- 遊び心がいい仕事につながる…マイナスなこともプラスに変わる
- 小ネタをたくさん生み出せ…「くだらない」ことに価値がある
- お金をかけない話題作り…オリジナルスプーンを置いた。ガリガリ部として一般人集めての合宿日帰り企画を行った
- 何でも言える組織になれ…場があるだけではダメ。風土が必要
- アイデア千本ノック…1日3本、新商品のネタを出す
- 感性を磨け!…映画やミュージカルなどを鑑賞。同期で行くことが条件で鑑賞後の食事代も会社負担
- 平凡を非凡にまで高める…ものづくりの基本5Sを徹底する。整理、整頓、清掃、清潔、しつけ
一部、罰金制度やボーナスカット制度があるなど、ブラックじみたところはありますが…。アイデアが生まれやすい風土づくりをしたいなら、参考になる点が多いと思います。
『日本が生んだ偉大なる経営イノベーター小林一三』
宝塚、阪急、東宝を作った男の物語。イノベーターであった小林一三は、文学青年で、三井銀行では閑職に追いやられたという経験もあります。そこから阪急電鉄の前身企業の専務取締役に就任したことから、事業家人生がはじまります。
- 鉄道に乗る人を増やす
- 住む人を増やせば鉄道事業もペイする
この思考により、沿線一帯を宅地開発していきました。今の東京の礎を築いたわけです。
ビジネスチャンスを掴むということが体感できる内容になっています。
『成功はゴミ箱の中に』
52歳でマクドナルドを起業したレイ・クロックのビジネス理論がまとめられています。
マクドナルドの歴史は、品質と標準化との戦いでした。本書のタイトルは「競争相手を知りたかったらゴミ箱を調べればいい」というレイ・クロックの発言から。
顧客中心主義を貫き、情熱と信念を持った経営者のすごみを感じることができます。
『幸之助論』
松下電器(現パナソニック)の創業者・松下幸之助の電気です。リーダーシップ論の世界的な権威コッターが書いたことが貴重な点。
松下電器の遵奉すべき7つの精神がこちら。
- 産業報国の精神…質の高い製品とサービスを適正価格で提供することで社会を豊かに
- 公明正大の精神…常に先入観のない公平な判断を心がける
- 和親一致の精神…相互信頼と個人の自主性を尊重する
- 力闘向上の精神…逆行でも企業と個人の能力を向上し、企業使命を達成する
- 礼節謙譲の精神…常に礼儀正しく謙虚に
- 順応同化の精神…着実に進歩と成功を収める
- 感謝報恩の精神…安らかに喜びと活力をもって暮らす
経営困難や戦時中の逆境からどう立ち上がったのか、学び続ける意欲があるからこそ、歩み続けられた松下幸之助の強さがわかります。
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