営業はどんなビジネスにおいても重宝されるスキルです。営業手法は時代によって激変していますので、
- いまの時代に最適化した「新定番を学ぶ」
- どんな時代にも通用する「人を知る」「原理原則を学ぶ」
に分けて、おすすめ営業本を紹介していきます!
営業おすすめ本【新定番を知る】
いまの時代、どのように営業すべきか。新定番になっていると言っていい営業本をまとめています。
『無敗営業』
かなり大胆なタイトルですが、著者はコンペで8年無敗で、その営業ノウハウは説得力があります。まず、営業とお客様の間で、情報のギャップが生じていることが前提。営業がうまくいかないのは、そのズレが敗因となっているんですね。
お客様が信頼する営業は「わかってくれる」営業。ズレを解消するためのコミュニケーションが重要だというわけです。
実際に受注した企業に話を聞くと、「価格で決めていない」という返答が多かったといいます。本音としては安心感があった、営業担当者の反応スピードが早かった、そのあとに費用対効果で決めるのが多い傾向があるそうです。もう一度会いたいと思える営業は6人に1人しかないという結果も…。
4つのズレはこちら。
- ヒアリングが不十分→質問力(土台作り、切り込む聞く、深堀りする聴く、具体化する訊く)
- 営業に魅力や価値を感じない→価値訴求力(労務提供、情報提供、プラス低減を好感・共感で支える)
- 顧客の意図に沿わない提案を出してくる→提案ロジック構築力(引き出すヒアリング、まとめるヒアリング、要件整理、弊社対応の提示)
- 営業としての動きが悪い→提案行動力(要件ヒアリング、提案内容の構築、プレゼン、クロージング)
接戦を制する3つの質問といった具体的な内容も盛り込まれています。
『NEW SALES』
これまでのOLD SALESからNEW SALESへ。
OLD SALESとは、自社の商品・サービスの機能や性能に関する情報を顧客に提供すること。これからは、NEW SALESすなわち顧客の「願望」を実現する営業ではないと、うまくいかないとしています。
NEW SALESの営業に必要な7つの原則が紹介されています。
- Story…「商品」ではなく「物語」を売る
- Surprise…「挨拶」ではなく「驚き」を届ける
- Scenario…「自社が主役の台本」ではなく「顧客が主役の台本」で動く
- Sympathy…「自分のキャラクター」ではなく「相手のキャラクター」に合わせる
- Share…「属人的なチーム」ではなく「再現性のあるチーム」をつくる
- Score…「感覚的なチーム」ではなく「科学的なチーム」をつくる
- Significance…「金銭報酬だけのチーム」ではなく「意義報酬にあふれるチーム」をつくる
これからの営業を考えるうえで、参考にしたい内容になっています!
『THE MODEL(ザ・モデル)』
大きく注目されたザ・モデルという営業スタイル。
ザ・モデルとは、「営業活動の一連の流れを細分化し、ビジネスにおいて成果を出すための営業プロセス」です。細分化がポイントですね。分割することでそれぞれが集中できる環境を作るというわけです。
- マーケティング…マーケ施策×有効情報(顧客情報など) 獲得率=見込み顧客数
- インサイドセールス…見込み顧客に対して案件化していく 見込み顧客数×有効商談化率=商談数
- 外勤営業…案件にたいして成約していく 商談数×成約率=契約数
- カスタマーサクセス…顧客に対してアップセルする 契約数×更新率=継続契約数
ザ・モデルを活用するメリットとしては、「常にお客さんと接点を持つことができる」「各部門が同じリズムの仕事に集中できる」「分業するのではなく共業できる」といったことが挙げられています。ザ・モデル、営業の1つのスタイルとして、ぜひ把握しておいてください。
『Sales is 科学的に「成果をコントロールする」営業術』
勘や精神論に頼らず、「論理と技術で売る」科学的な営業方法を伝授してくれる本です。
営業ノウハウももちろん大事ですが、買う可能性があるお客様を探すことのほうがずっと重要だというのは、かなり明確な主張になっています。そのために4つがポイントになります。
- 精度…ニーズの高さを基準になっているか
- 鮮度…一番いいタイミングで営業できるか
- 具体性…アタックすべきキーパーソンの情報や事業課題がわかるか
- 絶対数…売上目標を達成するためのリスト数があるか
営業の成果をどうコントロールできるのか、そのアプローチ方法が詰まっています。
『お客様が教えてくれた「されたい」営業』
あなたは、お客様の立場になって「されたい営業」ができていますか?かなりドキッとする質問です。本書は、かゆいところに手が届くと相手に思ってもらえる営業スタイルを知ることができる内容になっています。
そもそも相手は、気づきを得たいという欲望があるといいます。
- 自社のことを深堀りされて気づきを得る
- 他社の情報や事例を聞いて気づきを得る
- 自社の業界や市場の情報を聞いて気づきを得る
80%の顧客が営業マンからのGIVEを求めている、50%の顧客が営業マンのパーソナリティを知りたがっている。営業で持っておきたい視点を得ることができます!
営業おすすめ本【人を知る】
どんな営業でも相手がいます。相手がどのような心理状態になるといいのか、営業では必ずわかっておくべきことです。人を知るための本を紹介していきましょう。
『人を動かす』
デール・カーネギーが記したビジネス書古典です。全世界で1500万部以上売れているんですね。営業は人を動かすことができるかどうかなので、参考になる点が多いはず。
「人を動かす3原則」はこちら。
- 盗人にも五分の理を認める
- 重要感をもたせる
- 人の立場に身を置く
「人に好かれる6原則」はこちらになります。
- 誠実な関心を寄せる
- 笑顔を忘れない
- 名前を覚える
- 聞き手に回る
- 関心のありかを見抜く
- 心からほめる
これらの原則をベースにした「人を説得する12原則」も紹介されています。人間の本質が見えてくる内容で、今後も読みつがれるビジネス古典です。
『影響力の武器』
どうすれば影響力を持てるのか、人間はどういう場面でスイッチが入るのかがわかります。「返報性」などもはや一般にも知られた理論もありますが、営業で具体的に活用できそうな方法が詰まっています!
- 返報性…なにかしてもらったら、お返しとしてなにかしてあげたくなる
- コミットメントと一貫性…宣言したら撤回できなくなってしまう
- 権威…肩書やルックス、フォロワー数などを信頼してしまう
- 社会的証明…行列ができていると並びたくなってしまう
- 好意…好きな人に同意してしまう
- 希少性…残りわずかだと思うと欲しくなってしまう
読み物としてもおもしろいです!
『伝え方が9割』
同じことでもどう伝えるかで、相手の印象はまるで変わってきますよね。本書は2021年に最も売れた本でもあります。
「No」を「Yes」に変える3ステップが軸になっています。
- STEP1:自分の頭の中をそのまま言葉にしない
- STEP2:相手の頭の中を想像する
- STEP3:相手のメリットと一致するお願いをつくる
このなかで「相手の頭の中を想像する」のが最も大事なポイント。相手の好きなことがなにか、相手が嫌やがることはなにか、認められたい欲はなにか、といった視点を加えることで、想像していきます。そして「相手のメリットと一致するお願いをつくる」わけです。
営業においてどう伝えるべきか、そのヒントが詰まっています。
営業おすすめ本【原理原則を学ぶ】
営業の原理原則はなにかがわかる、営業の鉄板本を解説していきます。
『営業の神様』
営業の神様ジョー・ジラードが語るノウハウが詰め込まれた1冊です。営業はデキる人だとメッセージを与えること、そして営業でやることを3つに絞っています。
- 相手が自分にとってどれだけ特別かを伝える
- 営業が当たり前だと思っていないこと、貴重だと伝える
- それを頻繁に伝えること
モチベーションに頼るな、口を閉じて耳を澄ませとりあえず話すなといった格言から、営業の原点を知ることができます。
『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』
世界35,000件の商談を調査研究したことで、大型商談におけるもっとも効果的な営業術が判明。それがSPIN営業術です。
営業はすべてこの4段階に分かれます。
- 予備段階
- 調査段階
- 解決能力を示す段階
- 約束を取り付ける段階
このなかで最も重要な「調査段階」をスムーズに進めるために、SPIN営業術が役立つのです。SPINは4つの頭文字からとっています。
- Situation Questions(状況質問)…顧客の現状について事実・情報・背景を知るための質問
- Problem Questions(問題質問)…現在の問題点・支障・不満を探り出し、顧客に潜在ニーズを語らせる質問
- Implication Questions(示唆質問)…問題の深刻さを浮き彫りにするための質問
- Need-payoff Questions(解決質問)…解決策や価値に関する質問
大型営業の場合は、相手は慎重になりがち。そのために質問を駆使して、顧客が気づいていなかったことも浮き彫りにしていくのです。具体例も豊富なので、さまざまな状況で活用できるでしょう。
『ロジカル・プレゼンテーション』
提案力とは、すべての人に必要な基本能力。提案とは意図して通すものなので、さまざまな場面で求められるわけです。
2つのことが大事だとしています。
- 適切に物事を考えること
- それを相手に適切に伝えられること
シンプルですよね。「仮説検証力」「論理思考力」「資料作成力」「会議設計力」について学ぶことができます。
営業は対話を重ねること
営業はつまりはどのように相手から信頼を得て、関係性を構築できるかが大事になってきますよね。しかし他社がどのようにやっているのかはなかなかわからないもの。だからこそ書籍から学ぶことは多いといえます。
今回紹介した本を参考にして、自分なりの営業スタイルを生み出せることを目指していきましょう。
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