2024年のNHK大河ドラマ「光る君へ」。
平安時代、紫式部(吉高由里子)の恋や政争に巻き込まれる一代記です。『源氏物語』はどのように書かれたのか。
大河ドラマでは、平安時代の様相がていねいに描かれています。さらに楽しむための平安時代おすすめ本・小説を紹介していきます!
平安時代おすすめ本【入門編】
まずは平安時代を知るうえでの入門書になります。
『一冊でわかる平安時代』
平安時代がどんな時代だったのか、図やイラストを使いながら解説しています。
そのころ世界では?というコラムで、時代性を感じることができます。
『地図でスッと頭に入る平安時代』
絵と文字が大きめなので読みやすいです!家系図や地図が豊富なので、それぞれの状況がビジュアルでつかめるのもうれしいポイント。
人気の「地図でスッと頭に入るシリーズ」なので内容は間違いありません。
平安時代おすすめ本【上級編】
さらに深く平安時代を知るためのおすすめ本を紹介します!大河ドラマ『光る君へ』の時代考証を務める倉本一宏さんの本が多めになります。
『平安貴族とは何か』
400年という平安時代。平安貴族たちは、国のために立ち回りながら朝廷を支えていたんですね。『御堂関白記』藤原道長、『権記』藤原行成、『小右記』藤原実資という3つの古書から明らかにしていきます。
平安貴族というと蹴まりでもしているようなイメージしかなかったのですが、本書を読むとリアルな実像をつかむことができます。
『紫式部と藤原道長』
大河ドラマでも主軸となっていく紫式部と藤原道長。この2人にフォーカスしています。
『源氏物語』がなければ藤原道長の栄華もなかったんですね。藤原道長が紫式部に期待したこととは?
ほかに紫式部の生母との死別、道長の権力獲得に欠かせなかった姉・詮子といったテーマが並びます。
『藤原道長の権力と欲望 紫式部の時代』
藤原道長はどうように権力の座についたのか。藤原道長の日記『御堂関白記』から読み解いていきます。
ここまで日本には日記が残っていて、これは世界的に珍しいんですね。『日本書紀』から始まる正史の編纂が、『日本三代実録』で廃絶してしまったから。政務や儀式を先例どおりに行うために、日記が必要だったわけです。
源氏物語はなぜ生まれたのか?藤原道長が、娘・中宮彰子のためにオファーしたのが紫式部だったんですね。そのあたりの経緯にも触れています。
『謎の平安前期 -桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年』
平安時代の前期は、この国のかたちを見えてきたという時代。桓武天皇、在原業平、菅原道真、藤原基経といった超個性派メンバーを考察していきます。そして、斎宮女御、中宮定子、紫式部らに光を当てていきます。
『光る君へ』の前日譚としてもおすすめです!
『藤原氏―権力中枢の一族』
平安時代に繁栄を築いた藤原氏。教科書で知っているとは思うものの、藤原氏のすごさはあまり伝わっていないのではないでしょうか。
「大化の改新」の藤原鎌足からはじまり、平安京の時代、藤原道長の隆盛などを考察していきます。
「藤原氏こそが日本の歴史を動かしてきた主役」と言うとおり、常に権力の中枢にいた藤原氏の強さ・魅力・はかなさを感じることができます。
平安時代おすすめ小説
平安時代を舞台にした小説作品を紹介していきます!
『この世をば』永井路子
藤原道長は、どのようにして権力を手に入れたのか?そもそも藤原道長はのんびり屋であまり目立たない存在だったんですね。それが姉の詮子の後押しがあって、政権の中枢へと入り込んでいきます。
そこから娘たちを権力者に嫁がせて、すべてを欲しいままにすることになります。人間くさくて魅力的な道長が描かれます。直木賞作家・永井路子が、藤原道長を真っ向から描きます。
『はなとゆめ』冲方丁
清少納言の心ふるわせる生涯を描いた作品。
どうして清少納言は『枕草子』を書いたのか?中宮の定子によって、その才能が開花していきます。しかしそこから藤原道長と定子の政争に巻き込まれていくんですね。
『陰陽師』夢枕獏
マンガや舞台、映像化されている夢枕獏の『陰陽師』。
平安中期を舞台にして、陰陽師・安倍晴明が活躍します。バディの源博雅とのやり取りが最高なんですね。2人で怪異的な事件を解決していきます。エンタメ性が高いので、歴史小説が苦手でも楽しく読めるんですね。
大河ドラマ『光る君へ』でも、安倍晴明が登場。こちらは暗躍しそうな雰囲気をまとっているので、比べてみるのもおすすめです。
マンガ版はこちら。ホントすばらしいです!
『千年の黙 異本源氏物語』森谷明子
なんと紫式部が探偵役!平安時代を舞台に、さまざまな謎を解明していきます。観察力のするどい紫式部だからこそ見抜けることがある。
藤原道長、中宮彰子、中宮定子なども登場して、物語を盛り上げていきます。第13回鮎川哲也賞受賞作。
平安時代の魅力を堪能する
平安時代はなかなか馴染みがないものの、知っていくとおもしろい時代です。まず権力争いがエグいんですね。一方で文化が栄えた時代でもある。
大河ドラマ『光る君へ』をより楽しむためにも、平安時代の本や小説を読んでほしいと思います!
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