衝撃の1行!
新本格ミステリーの金字塔である『十角館の殺人』(綾辻行人)。どんでん返しのキレがすごくて、驚きの仕掛けがあります。
『十角館の殺人』は館シリーズとして9作品あり、その累計発行部数は670万部となっています。ここでは『十角館の殺人』あらすじ紹介やネタバレ解説をしていきます!
- 『十角館の殺人』あらすじ
- 『十角館の殺人』登場人物
- 『十角館の殺人』Huluドラマ版おもしろい?
- 『十角館の殺人』ネタバレ解説
- 『十角館の殺人』衝撃の1行とは?
- 『十角館の殺人』新装改訂版 違いは?
- 新本格ミステリの金字塔
『十角館の殺人』あらすじ
十角形の館が建つ孤島。そこに大学のミステリー研究会の7人が、やってくるものの、連続殺人が起こってしまう。1人1人殺されていく恐怖に支配される十角館、犯人はだれか?
一方、本土では元ミステリ研究会・江南孝明のもとに、謎の手紙が届く。島田潔とともに、謎を解くことに。そこには十角館を設計した建築家・中村青司の事件があった…。
1行ですべてがひっくり返る!日本のミステリ史上に残る作品。
『十角館の殺人』登場人物
- エラリイ…色白で背が高い。法学部3回生。
- ポウ…無口なのにたまに毒舌。医学部4回生。
- カー…中肉中背。ほかのメンバーに噛みつくことが多い。法学部3回生。
- ヴァン…中背の痩せた男。伯父により合宿を実行。理学部3回生。
- アガサ…ソバージュの長い髪をした女性。薬学部3回生。
- オルツィ…ショート・ヘアの女性。文学部2回生。
- ルルウ…小柄な男性。文学部2回生。
- 島田潔…寺の三男。事件の謎に挑む。
- 江南孝明…元ミステリ研究会。ニックネームはドイル。
- 守須恭一…ミステリ研究会。
- 中村紅次郎…中村青司の弟。島田潔の友人。
- 中村青司…建築家。十角館の設計者。
- 中村和枝…青司の妻。
- 中村千織…青司の娘。
- 北村夫妻…使用人。
- 吉川誠一…行方不明の庭師。
『十角館の殺人』Huluドラマ版おもしろい?
『十角館の殺人』がまさかの映像化!Huluで全5話で配信されています。肝心のトリックは…。ものの見事に再現されていて、驚きを味わうことができると思います。
ミステリ研究会メンバーのかけあいも見応えあり。十角館も雰囲気あります!
『十角館の殺人』ネタバレ解説
ここからネタバレで解説していきます。
起:ミステリ研究会のメンバーが十角館へ
ミステリ研究会のメンバー7人が、角島の十角館へ。7人は、エラリイ、アガサ、ヴァン、ポウ、ルルウ、カー、オルツィとあだ名で呼び合っていた。そして滞在3日目、オルツィが亡くなっていることが発見され、左手が切り落とされていた…。
一方で角島にあった青屋敷の全焼事件が語られる。その焼け跡から中村青司と妻・和枝、使用人夫婦の死体が発見される。和枝の遺体は左手首が切断。犯人は、行方不明の庭師だと、捜査されていた。
承︰連続殺人事件が発生する
本土では、元ミステリ研究会の江南孝明のもとへ謎の手紙が届く。そこには「お前たちが殺した千織は、私の娘だった」という文字が。差し出し人は、十角館、青屋敷を建築した中村青司だった。千織は、ミステリ研究会で、不慮の事故で亡くなっていた…。そして千織は中村青司の娘だった。江南は、ミステリ研究会の守須や、探偵役の島田潔とともに、事件を探っていく。
そして十角館ではさらなる犠牲者が…。カー毒殺、ルルウ撲殺、アガサは口紅での毒殺、ポウはタバコを吸っての毒殺。残るはエラリイとヴァンのみ。
転︰衝撃の真相とは?
エラリイは犯人は外部にいると断言する。中村青司が生きていて、角島に潜んでいるのだと。エラリイとヴァンは、角島や十角館を探索する。
本土では十角館での連続殺人が、警察により捜査されていた。エラリイがミステリ研究会のメンバーを殺害し、焼身自殺をはかったというのだ。
だが、警察が江南と守須に、ミステリ研究会でのあだ名を尋ねると、衝撃の事実が。守須がヴァンだったのだ…。
結:結末
守須は、本土と角島をボートで行ったり来たりしていた。密かに守須と中村千織は付き合っていて、見殺しにしたミステリ研究会のメンバーへの復讐だった。殺人計画を練っていて、十角館に招き入れた。
島田潔は真相に近づくが、守須のもとへ海の波に乗って瓶が届く。その瓶は、守須が真相を封印していた。
『十角館の殺人』衝撃の1行とは?
『十角館の殺人』衝撃の1行は、「ヴァン・ダインです」。
本土の守須と、十角館のヴァンが同一人物だということが、あざやかに明かされる1行。緻密にヒントを散りばめながらも、あっと驚く仕掛け。すさまじいです。
『十角館の殺人』新装改訂版 違いは?
いまから読むなら、『十角館の殺人』新装改訂版がおすすめです。
『十角館の殺人』は1987年に講談社ノベルスから刊行。その20年後にあたる2007年、講談社文庫から新装改訂版が刊行。綾辻行人が、全編にわたって手を入れていて、旧版よりもだいぶ読みやすくなっています。
新本格ミステリの金字塔
初めて読む人がうらやましい!
やはり丹念に読むからこそ、衝撃の1行に驚くことができるわけで、ぜひ衝撃の体験を味わってほしいです。
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