「こだまでしょうか いいえ、誰でも。」
2011年の東北大震災が起こって、テレビから流れてきたACジャパンのCMで、聞き慣れた方も多いと思います。この言葉は、詩人の金子みすゞの詩です。
金子みすゞは、大正時代を生きた女性詩人で、やさしさに満ちた作品が多くあります。今の時代にも心に響くのです。
ここでは、金子みすゞの詩集や関連本を紹介していきます。
金子みすゞの人生は?
山口県長門市仙崎、海に囲まれた漁業の街で、金子みすゞは生まれ育ちます。20歳のとき、下関の書店で勤めるようになって、童謡を書き始めたそうです。
昭和5年26歳の若さで、自ら命を絶ちます。亡くなってから、512編の詩が書かれた手帳が発見されました。生前、発表された詩は、命あるものの輝きを賛美するものが多かったけれど、発見された詩は寂寥感のある内容が多くなっています。
金子みすゞ詩集
金子みすゞの詩を読むことができる詩集を紹介します。
『金子みすゞ名詩集』
金子みすゞの詩を93編収録。文庫で「こだまでしょうか」を掲載しているのは、本書のみ。金子みすゞの詩に触れるなら、まずは手にとっておきたい1冊です。
『金子みすゞ童謡全集』
金子みすゞの唯一の全集になります!遺稿となった手帳3冊『美しい町』『空のかあさま』『さみしい王女』をベースにして、計6冊の全集としてまとめられています。
手帳の作品はすべて収録。どこか寂寥感のある、金子みすゞの作品を味わってみてください。
『こだまでしょうか、いいえ、誰でも。―金子みすヾ詩集選』
金子みすゞの全512 編の詩から代表作100編を収録しています。「こだまでしょうか」はもちろん、森羅万象を表現した作品がそろっています。
金子みすゞ関連本
金子みすゞに関わる本を紹介していきましょう。
『NHK100分de名著 金子みすゞ』
NHK100分de名著で、金子みすゞが紹介されています。解説は、金子みすゞの弟の日記を読み、金子みすゞに迫った松本侑子さん。
作品解説をしながら、やさしさのある金子みすゞ像を超えて、大正デモクラシーを力強く生きた女性詩人の実像に迫っていきます。
『みすゞと雅輔』松本侑子
金子みすゞについて、伝記小説の形式で迫ります。金子みすゞの弟である上山雅輔の日記を、著者がしっかりと読解したことで、生き生きとした金子みすゞ像が浮かび上がります!
『童謡詩人金子みすゞの生涯』矢崎節夫
多くの資料や関係者の証言をもとにして、金子みすゞを現代に蘇らせます。しっかりした取材をもとにしているので、金子みすゞについてしっかりと知りたいなら、手にとってほしい作品です。
『別冊太陽122 金子みすゞ』
ビジュアルが多いムックです。やはり写真が豊富に収録されているのは、うれしいですよね。金子みすゞがどんな人だったのか、どのような生活をしていたのかがイメージしやすくなります!
『増補新版 金子みすゞ 魂の詩人』
金子みすゞの作品群と生涯について、まとめられています。
金子みすゞおすすめ絵本【子供向け】
金子みすゞは童謡詩人であるだけに、子どもが読みやすい本もあります。絵本も含めてまとめてみました。
『わたしと小鳥とすずと―金子みすゞ童謡集』
金子みすゞ詩集として発売してから、100刷を超えていて、子どもも読みやすい選集になっています。最初に読んでほしい60編が収録されています。
『ほしとたんぽぽ』
「こだまでしょうか」「たいりょう」「わたしとことりとすずと」といった金子みすゞの15編の詩とともに、やわらかい絵で見えていきます。子供といっしょに読める絵本です。
『おひさん、あめさん』
子供が身近に感じられる「けがした ゆび」「はだし」「ちゃわんと おはし」といった、金子みすゞの作品15編を紹介しています。かわいい絵で、金子みすゞのやさしい世界観のイメージが広がっていきます。
「こだまでしょうか」をはじめ声を出して読みたくなる
金子みすゞの詩は、声を出して読みたくなるんですよね。心に響いて、ふと瞬間に思い出してします。
詩集を読んで、人物に迫り、絵本でも読んでみる。ぜひ、金子みすゞの詩の世界にどっぷりとつかってください。
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