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「ガリレオシリーズ」読む順番は?映画・ドラマも解説!

東野圭吾の数ある人気シリーズのなかで、最も知名度が高いのが「ガリレオシリーズ」でしょう。

テレビドラマや映画化もされ、主人公の天才物理学者・湯川学を福山雅治が演じています。2022年には三度目となる劇場版『沈黙のパレード』が公開されました。

ガリレオシリーズの原作は、現時点で全10冊。そのなかでどれがおすすめなのか、読む順番をどうすればいいのかを解説します! 映画・ドラマ版についても見る順番をまとめています。

小説・原作「ガリレオ」を解説

ガリレオシリーズの1作目『探偵ガリレオ』が刊行されたのは、1998年。これまでに10作品が刊行されています。

  • 『探偵ガリレオ』短編
  • 『予知夢』短編
  • 『容疑者Xの献身』長編
  • 『ガリレオの苦悩』短編
  • 『聖女の救済』長編
  • 『真夏の方程式』長編
  • 『虚像の道化師』短編
  • 『禁断の魔術』長編
  • 『沈黙のパレード』長編
  • 『透明な螺旋』長編

長編作品は、6作品になります。『禁断の魔術』が少し特殊で、単行本のときの短編「猛射つ」が、文庫化の際に大幅加筆されて長編として生まれ変わった経緯があります。なお、『禁断の魔術』はスペシャルドラマ化され、2022年9月17日に放送。

映画「ガリレオ」を解説

映画化されているのは、3作品です。

  • 『容疑者Xの献身』2008年公開
  • 『真夏の方程式』2013年公開
  • 『沈黙のパレード』2022年公開

ドラマ「ガリレオ」を解説

「ガリレオシリーズ」のドラマ版はこちら。

  • ドラマ「ガリレオ」第1シーズン(2007年)
  • SPドラマ「ガリレオΦ(エピソードゼロ)」(2008年)
  • ドラマ「ガリレオ」第2シーズン(2013年)
  • SPドラマ「ガリレオXX 内海薫最後の事件 愚弄ぶ」(2013年)
  • SPドラマ『ガリレオ 禁断の魔術』(2022年)

ドラマ「ガリレオ」第1シーズン(2007年)

フジテレビの9時からの月9で放送されました。平均視聴率は21.9%を記録。福山雅治のハマり役となりました。

  • 第1話:燃える(『探偵ガリレオ』収録)
  • 第2話:離脱る(『探偵ガリレオ』収録)
  • 第3話:騒霊ぐ(『予知夢』収録)
  • 第4話:壊死る(『探偵ガリレオ』収録)
  • 第5話:絞殺る(『予知夢』収録)
  • 第6話:夢想る(『予知夢』収録)
  • 第7話:予知る(『予知夢』収録)
  • 第8話:予知る(『予知夢』収録)
  • 第9話:転写る/爆ぜる(『探偵ガリレオ』収録)
  • 第10話:転写る/爆ぜる(『探偵ガリレオ』収録)

ドラマ「ガリレオΦ」(2008年)

スペシャルドラマとして放送されました。エピソードゼロのタイトル通り、学生時代の湯川学や草薙も描かれています。原作は『ガリレオの苦悩』より。

  • 落下る(『ガリレオの苦悩』収録)
  • 操縦る(『ガリレオの苦悩』収録)

ドラマ「ガリレオ」第2シーズン(2013年)

第2シーズン。福山雅治の相棒役が、柴咲コウから吉高由里子に変わっています。

  • 第1話:幻惑す(『虚像の道化師』収録)
  • 第2話:指標す(『ガリレオの苦悩』収録)
  • 第3話:心聴る(『虚像の道化師』収録)
  • 第4話:曲球る(『虚像の道化師』収録)
  • 第5話:念波る(『虚像の道化師』収録)
  • 第6話:密室る(『ガリレオの苦悩』収録)
  • 第7話:偽装う(『虚像の道化師』収録)
  • 第8話:演技る(『虚像の道化師』収録)
  • 第9話:攪乱す(『ガリレオの苦悩』収録)
  • 最終章(前編/後編):聖女の救済(『聖女の救済』収録)

ドラマ「ガリレオXX 内海薫最後の事件 愚弄ぶ」(2013年)

柴咲コウが復活したスペシャルドラマ。内海薫がオクラホマで研修するという前日譚になっています。原作にはオリジナルストーリーが展開されます。

ドラマ「ガリレオ 禁断の魔術」(2022年)

映画『沈黙のパレード』の公開に合わせたスペシャルドラマ。相棒役は新木優子が務めます。天才湯川の苦悩する姿を見ることできます。

小説・原作「ガリレオ」の読む順番は?

それでは、ガリレオシリーズはどれから読めばいいのか。各作品のおすすめ度も含めて、紹介していきます。

『容疑者Xの献身』

おすすめ度9 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆★

ガリレオシリーズで最も有名な作品といえますが、いろいろ考えたものの、やはり外せないですね。映画を観ていたとしても原作に触れてほしい。

天才物理学者VS天才数学者という構図になるので、かなり盛り上がりのある作品。そして、天才数学者・石神がある女性を救うために完全犯罪を計画するわけですが、その理由に涙…。

直木賞受賞作品であり、「このミステリーがすごい」で2006年国内編の1位獲得もしていて、さまざまな評価を受けている作品です。ガリレオシリーズだけではなく、東野圭吾作品のなかでも屈指の人気作!

『沈黙のパレード』

おすすめ度8 ☆☆☆☆☆☆☆☆★★

容疑者は、彼女を愛したふつうの人たち。湯川の前に立ちはだかるのが、悪意を持たない人というのが、これまたすごい設定だなと思いました。

殺されたのは、並木佐織という女性を殺したと思われる蓮沼という男。蓮沼は沈黙を貫くことで、並木佐織殺害の疑惑から逃れようとした経緯があります。

この物語にはさまざまな沈黙があります。罪を隠す沈黙、復讐心を隠すための沈黙、愛する人を守る沈黙。登場人物たちのそれぞれの正義が見えてきて、切なさが残るんですね。

映像化される前に、ぜひ一読してほしい作品です。

『透明な螺旋』

おすすめ度8 ☆☆☆☆☆☆☆☆★★

ガリレオシリーズ最新作。房総沖で男の死体が発見され、捜査で湯川との関連性が浮かび上がってきます。

実はガリレオシリーズとしては変則的で、科学トリックが出てきません。ただ、ガリレオシリーズの魅力である切なさを感じさせるストーリーになっていて、個人的には好きな作品でした。

何より、なぜ湯川が今の人格になったのか、その理由にもつながってくるので、シリーズファンとしては外せない作品になっているのです。

作中で、2冊の絵本が紹介されるのですが、「ぼくはなに?」は実際に読んでみたいと思わせるほど、気になる内容でした。白い鳥が自分の親を探すというストーリーで、本作の行く末を暗示しています。こういうところは、さすがの手際ですね。

『禁断の魔術』

おすすめ度8 ☆☆☆☆☆☆☆☆★★

短編から長編へと大幅加筆された作品。姉を見殺しにされてしまった青年が、ある犯罪計画を企てます。

この青年が、湯川のかつての愛弟子なんですね。湯川の新たな一面を知ることになって、あらためて魅力あるキャラだと感じさせてくれます。

『ガリレオの苦悩』

おすすめ度7 ☆☆☆☆☆☆☆★★★

このあたりで短編をはさみたいところです。ガリレオシリーズの短編集で、最も成熟しているのは『ガリレオの苦悩』だと思っています。なぜなら、湯川の事件を解決することへの苦悩が描かれているからです。

おすすめしたいのは、「操縦る」です。殺人を犯したのが、帝都大学の元教授で、湯川の元恩師。真相を解明することに対する湯川の苦悩が感じられます。

ほか「落下する」では『容疑者Xの献身』で湯川が苦悩してきたことが読み取れます。

「密室る」では、湯川の旧友が経営するペンションが舞台。宿泊者が不可解な死にいたり、湯川は旧友に真相を告げることになります…。

科学的な事実しか信じないという湯川のイメージとは違う一面を見せてくれるのが『ガリレオの苦悩』です。

『真夏の方程式』

おすすめ度8 ☆☆☆☆☆☆☆☆★★

夏休みに美しい海辺の町が舞台。映画でも美しい海が印象的でした。

本作の見どころは、子ども嫌いの湯川と少年の交流ですよね。事故か殺人かわからない事件が起きるのですが、どうやら少年が何かを行ったことがわかってきます。湯川はその謎に気づいてしまうのですが…。

問題を解決することがすべて正しいとは限らない。そんなことを考えさせられる傑作です。

『聖女の救済』

おすすめ度7 ☆☆☆☆☆☆☆★★★

ある男性が自宅で毒殺されます。男性は子供を産めない妻に離婚を切り出していたことが判明。だが妻には、鉄壁のアリバイがありました…。

湯川VS女性容疑者、なおかつ完全犯罪を切り崩せるかというシンプルな構図。ミステリー要素は、シリーズ随一といえます。

『虚像の道化師』

おすすめ度7 ☆☆☆☆☆☆☆★★★

短編集としては最も新しい作品になります。それだけにミステリーのトリックの切れ味と、湯川の人間味が堪能できるようになっています。

新興宗教の教祖が送る念、奇妙な幻聴、不可思議な殺人現場、犯人が仕掛けたトラップ。読みやすさもあるので、ガリレオシリーズ入門としてもおすすめです!

『探偵ガリレオ』

おすすめ度6 ☆☆☆☆☆☆★★★★

ここでシリーズ第1作をぜひ!湯川学が初登場します。暗い感じのマッドサイエンティストな雰囲気がありながら、この頃からスタイリッシュさはあるんですね。

理系ミステリーとしては秀逸な短編がそろっています。突然、燃え上がる若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、幽体離脱した少年。謎はどう解明されるのか?東野圭吾のミステリー作家としての手腕を思う存分、味わってください。

『予知夢』

おすすめ度6 ☆☆☆☆☆☆★★★★

シリーズ第2作。オカルト的な事件が展開されていきます。

「予知る」では、少女が向かいのマンションで女性が首吊り自殺したところを目撃。しかし女性は生きていたのだが、3日後に本当に女性は首吊り自殺してしまうのです。果たして少女は予知していたのか?

「夢想る」では、予知夢を見ることができると主張する坂木という男性が登場します。坂木は、モリサキミレという女性と将来、結婚するという予知夢を見ていたというのです…。

不思議な謎現象からの驚きの展開を楽しみたいのなら、おすすめです!

ドラマ・映画「ガリレオ」観る順番は?

公開順、時系列、おすすめ順で、ガリレオシリーズを整理していきたいと思います!

ドラマ・映画「ガリレオ」公開順

ドラマ・映画「ガリレオ」の公開順はこちらになります。

  • ドラマ「ガリレオ」第1シーズン(2007年)
  • SPドラマ「ガリレオΦ(エピソードゼロ)」(2008年)
  • 映画『容疑者Xの献身』(2008年)
  • ドラマ「ガリレオ」第2シーズン(2013年)
  • SPドラマ「ガリレオXX 内海薫最後の事件 愚弄ぶ」(2013年)
  • 映画『真夏の方程式』(2013年)
  • 映画『沈黙のパレード』(2022年)
  • SPドラマ『ガリレオ 禁断の魔術』(2022年)

ドラマ・映画「ガリレオ」時系列

ストーリーの時系列だと以下になります。

  • SPドラマ「ガリレオΦ(エピソードゼロ)」(2008年)
  • ドラマ「ガリレオ」第1シーズン(2007年)
  • 映画『容疑者Xの献身』(2008年)
  • SPドラマ「ガリレオXX 内海薫最後の事件 愚弄ぶ」(2013年)
  • ドラマ「ガリレオ」第2シーズン(2013年)
  • 映画『真夏の方程式』(2013年)
  • SPドラマ『ガリレオ 禁断の魔術』(2022年)
  • 映画『沈黙のパレード』(2022年)

ドラマ・映画「ガリレオ」おすすめ順

  • 映画『容疑者Xの献身』(2008年)
  • 映画『沈黙のパレード』(2022年)
  • ドラマ「ガリレオ」第1シーズン(2007年)
  • 映画『真夏の方程式』(2013年)
  • ドラマ「ガリレオ」第2シーズン(2013年)

必須で観てほしいのは、『容疑者Xの献身』になります。ミステリー度、泣ける度が高いので、映画作品としてもレベルが高い。それだけではなく、主人公の湯川学の人間性に迫っているのも、観ておきたい理由です。

そこから映画『沈黙のパレード』、ドラマ「ガリレオ」第1シーズンを観ていくのがおすすめです。

余裕があれば、ガリレオの異色作でありながら、美しい映像美にも見せられる『真夏の方程式』へ。そこからドラマ「ガリレオ」第2シーズンもぜひ観てほしいです。

ガリレオシリーズの魅力とは?

ガリレオシリーズの魅力は3つあると思っています。

理系ミステリー

まずは理系ミステリーであるということ。現実にはありえないということが、物語冒頭で起こり、物理学で謎を解くという展開にハッとなります。

湯川のキャラクター

次に、湯川学のキャラクターが病みつきになります。事件に関わりたくないというスタンスでありながら、科学の謎があると「実におもしろい」と、前向きになる。このツンデレっぷりがいい。

泣けるミステリー

3つ目は、泣けるミステリーであること。この路線はシリーズ3作目『容疑者Xの献身』からで、近作の『沈黙のパレード』『透明の螺旋』も切なさを感じさせるストーリーが展開されています。冷静な湯川の感情が動くときに、読む側も心がグッとつかまれてしまう。ただの謎解き小説ではない魅力があると思っています。

ガリレオシリーズは湯川の物語

あらためて、ガリレオシリーズを読んでいくと、湯川の魅力にたどり着くなと。さまざまな謎や登場人物が出てくるわけですが、湯川がどう対峙するのか?に焦点が当てられているから、これだけの人気シリーズになっているのだと感じました。

一気に全作品を読破してもいいでしょうし、気になる作品だけでも十分楽しめますので、ぜひ手にとってみてください!

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