Netflixがなぜ強気のコンテンツ制作ができるのか、なぜ会員数を獲得できるのか。
コンテンツ力が強いからうまくいっているわけではないんですね。成功している企業には理由がある。やはり組織マネジメントがうまくいっているからなんですね。
その理由を創業者のリード・ヘイスティングス本人が語るのが本書です。
優秀な人材で組織をつくれば、ルールがいらなくなるというと、ギョッとなりますが、機動性の高い組織はどうやって形作られていったのかが分かります!
Netflixのビジネスモデルの変遷とは?
Netflixは4度のビジネスモデルの変化がありました。
- オンライン郵送DVDレンタル
- ストリーミング
- 外部制作・独自作品
- 社内スタジオ
この過程で社員をレイオフして80名ほどになったことがありますが、そうなったとき社内の活気が上がったといいます。そこから、能力密度が高い組織を作ろうと目指していったわけです。
ノールールまでの3ステップ
- 能力密度を高める(優秀な人材をそろえる)
- 率直さを高める(コミュニケーションや透明性)
- コントロールを減らす(「自由と責任」のカルチャー)
能力密度を高めるのは、優秀な人材はほかの人材を高めてくれるとしています。切るべきは能力がない人で、能力があったとしても、怠け者、嫌な奴、陰気な悲観論者は、このバスには乗せないそうです。徹底している。
で、おもしろかったのはフィードバックの方法。フィードバックも質が高くないといけないんですね。Netflixでは、フィードバックのガイドライン4Aを共有しています。
■与える
- 相手を助けようという気持ちで
- 行動変化を促す、人格否定ではない
■受け取る
- 感謝をする
- 取捨選択は本人が行う
能力密度を高めてフィードバック文化を作ることで地盤を固めてから、ノールールへ舵を切っていきます。
社員を縛るルールをなくす
具体的にはNetflixではどのようなルールを撤廃できたのでしょうか?
休暇規定、経費の承認プロセスがなく社員の判断に任されている。さらに、人事情報など、情報は社内でオープンに共有されているそうです。
業績・財務情報、組織再編情報だけではなく、社員の解雇やあらゆる人のチャレンジの失敗までも共有されています。透明性を徹底しているわけですね。
3つの条件がそろわなければならない
ノールールの組織の条件としては、
- 構成員の能力が高い
- 報酬を十分に受け取っている
- 規範が浸透している
があります。
報酬の話で興味深かったのは、給与を市場価値に照らし合わせて支払っていること。他社へ転職する理由が、報酬は大きいと思うのですが、それがなくなるというわけです。合理的ですよね。
時代の変化に対応する組織
成果が出るのは、社員を大事にするというのが前提だと思ったのですが、驚きのエピソードばかり。
居心地はいいのだろうか、プレッシャーはないのだろうか、社員側の視点が気になりますが、これが最先端の会社組織なのだろうなと。
ティール組織とも似ていて、「自主経営セルフマネジメント」といって階層がないのはNetflixもまさに同じ組織体になっています。あとティール組織には、自分をさらけ出せる「全体性」、会社の自分の方向性がマッチしている「存在目的」が条件に含まれていましたが、Netflixにもある程度、担保されているのでしょう。
マネジメントの1つの成功例として参考にしたい1冊です!
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