好きなことを仕事にしていく。最近、いろんなところで聴く言葉。
堀江貴文さんやら西野亮廣さんやらが言ってたりしますが、それって才能ある人だけでしょ?と思っていて、しっくりこなかったんですね。
で、本書でもまさに好きなことを仕事にすることがテーマなわけですが、冒頭でそもそもの捉え方が違うことを指摘されます。
- 好きなことを仕事にできていない人は、「好きなこと」に縛られている人
- 好きなことを仕事にできている人は、「好きなこと」を創造できること
つまりは「自分の夢=好きなこと」という考えに縛られてはいけない。好きなことをどんどん作って、その中から仕事を探せばいいという考え方なんですね。
確かにこの方法なら無理なく稼ぐことにつながりやすい。
そして、本書は結論を先に示してくれます。
どんなことでも興味を持っておもしろがれば誰でも「好きなことだけやって生きていける」ようになる。
超絶にシンプルですね。
著者の角田陽一郎さんは『さんまのスーパーからくりTV』や『中居正広の金曜日のスマたちへ』などの制作を担当してその後TBSを退社。現在はバラエティプロデューサーとして活動されています。
ざっくり3行でまとめると…
- 「自分の夢=好きなこと」という考えに縛られてはいけない
- 好きなことを仕事にできている人は、「好きなこと」を創造できること
- 誰でも「好きなことだけやって生きていける」
アイデア発想術
好きなものを見つけたら、次は具体的なアイデアを生み出さないといけません。
そのための方法は?
まずは既存のものの組み合わせ。好きなことと組み合わせてみること。
情報を手に入れたら、その情報について「どうして?」と考える。そうするとブラッシュアップされた形で、頭の中にインプットされていく。アウトプットできる使える情報にまで落とし込んでいくというわけですね。
なぜ得意分野で勝負しないの?
あと、これはやりがちだなぁと思ったのが、得意分野で勝負しない人が多いということ。
自分の強みを活かすって当たり前のことなのに、なぜか得意分野を避けることがある。
角野さんはそういう人の心の中に「得意分野に対する飽き」や「周りに自分を認めさせたい」という欲があると指摘します。
テレビの企画でも流行りから逆算するより、自分の得意分野から企画出した方がおもしろくなる確率が上がるそうで、やっぱり餅は餅屋だなぁと。
そして、マーケ寄りの発想には警鐘を鳴らしています。
AとBが必要十分条件関係かを把握しないケースが多いと。AならばB、BならばAが成り立つとき、AはBの、BはAの必要十分条件といえる。
たとえば、ホームランと点数の関係。点数が入ったなら常にホームランだけど、その逆は成り立ちません。ホームランは十分条件であり、点数が入ることは必要条件であるとなります。
これをホームランは点数が入ることのは必要十分条件だとしちゃうんですね。
この考えを起点にしてしまうと捻じ曲がった企画になってしまうわけです。
パブリックすることで他者に届くコンテンツになる
パブリックにしなければ、他者に見せるコンテンツになり得ないというのも意識する必要があります。
本書では、コルクの佐渡島さんの言葉を紹介しています。
編集者としての自分の使命は、作者の頭の中をパブリッシュすることにある。
作者の考えがどんなに独創的で素晴らしくても、パブリッシュしない限り、パブリックにはなりません。
publには、「人々」という意味があります。どこかで他者を意識するという行為が必要になるということですね。
かけがえのないもの
あと会社に属していることと、フリーになることの違いには、ハッとさせられました。
会社はかけがえのない社員を作らないもの。ここまでは分かります。フリーになれば横断して好きな仕事ができるかと言ったらそういうわけではなくて、それは組織にいたとき以上に、取り替え可能なかけがえのある存在になること。
そりゃそうだよなぁと思いつつ、フリーになるのはリスクがあるわけで。
角田さんは言います。
組織の中か外ではない。自分にとってかけがえのないものは何か?を自分で考えて決めなければ、かけがえのない存在にはなれません。
まずは自分がどう考えるか。
おすすめ度6 ☆☆☆☆☆☆★★★★
本書は親切設計で、まとめまで用意してくれています。
- いろいろなことに興味を持って好きなことを増やす
- 好きなことと既存のものを組み合わせ、アイデアを生み出すこと
- アイデアをうまくプレゼンして仕事にする
- 好きなことを仕事にし続ける
- 好きなことだけやって生きていける
最後に本書で引用されている水道橋博士の言葉を紹介しておきますね!
「自分の好奇心に躊躇しない」
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