著作権というのは、ネットで情報発信する上で避けては通れないものになりました。ちゃんと勉強しておきたいと思って、手に取ったのはこちらの本です。
福井さんは、岡田斗司夫さんとの対談本「なんでコンテンツにカネを払うのさ?」も出されています。タイトルからして過激ですが、岡田さんの乱暴な問いに対して、福井さんはすごく柔軟にわかりやすく解説していました。
そんな福井さんが解説してくれる著作権についての入門書が本書になります。
そもそも著作権とは何か?
まずは、著作権の法律の定義から知らなくてはなりません。
ふむふむ、著作権が適用されるのは前提として「創作物」ということですよね。そして、福井さんによると「思想または感情を表現する」ことがオリジナル性を強調しているということになります。
「自然権論」と「アイデア自由の原則」
著作権はオリジナルな創作物を守る。これだけなら、めちゃくちゃ分かりやすいですよね。ただ著作権には、「自然権論」と「アイデア自由の原則」との兼ね合いが発生するので、ややこしくなるのです。
著作権の役割は、創作者の土壌を育むことにあります。
著作権者の権利を守りながらも、人類の文化が発展し、豊かになることも大事というわけですね。
著作権という概念は新しいもの
そもそも著作権という考え方自体、それほど古いものではありません。印刷など複製技術ができて、それに対応する形で著作権が生まれたんですね。
福井さんは、時代によって著作権は変化していくと言います。
本書の事例で面白かったが、シェイクスピアがパクリ王だったという話。『ロミオとジュリエット』はシェイクスピアより30年ほど前に発表された『ロミアスとジュリエットの悲劇物語』が種本だそうです。
そして『ロミオとジュリエット』は様々な物語の雛形になっていきました。若き男女の恋心を抱いているものの、家柄が違うことが障壁になる。こんなフォーマットの物語はいくらでも思い浮かびます。
著作権の種類
- 著作権
複製権、上演権・演奏権、上映権、公衆送信権、口述権、展示権、頒布権、譲渡権、貸与権、翻訳権・翻案権、二次的著作物の利用権 - 著作者人格権(譲渡できないもの)
公表権、氏名表示権、同一性保持権、名誉・声望保持権
これからの著作権
そもそもインターネットはコピペが容易にできる構造なので、著作権との相性がすこぶる悪い。創作の土壌を育む観点からいくと、どこまでを使用範囲にするのか、現在は揺らいでいる状況と言えるかと思います。
キュレーションサイトの炎上問題があったり、二次創作の許容範囲が問題になったりなど、まだまだ定まっているとは言えません。
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