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関東大震災を学ぶためのおすすめ本4冊

関東大震災が起こってから、2023年は100年の節目になります。

1923年(大正12年)9月1日、マグニチュード7.9の地震が神奈川県相模湾沖を震源地として発生。関東地方中心に大きな揺れをもたらしました。関東大震災では、約190万人が被災、死者行方不明者は10.5万人が犠牲になりました。

特に被害が大きかったのが、陸軍被服本廠の跡地で、4万人が避難したうち、約3万8,000人もの命が奪われました。台風による強風と、隅田川があったことでの風圧の差で、火災旋風が発生。地獄絵図となっていたのです。

関東大震災を振り返ることは、天災でどのように対応すればいいのか、そして人間心理がどのようになってしまうのかが見えてきます。大きな学びとして、震災大国日本で暮らしていくうえで、読んでおきたいおすすめ本をまとめていきます。

『九月、東京の路上で』加藤直樹

朝鮮人虐殺はなぜ起こったのか?さまざまな地域での証言をもとにして、その実態に迫っていきます。かなり凄惨な事件が同時多発で起こったことがわかります。朝鮮人を針金で縛り上げたり、日本刀で斬りつけ、槍で突き刺すなど、凄惨な描写ですが、向き合わないといけないと思わされる内容。なぜ虐殺が起こったのか、内務省や警察、軍が後押しした背景も考察しています。

『福田村事件』辻野弥生

著者が関東大震災を調べていくうちに、福田村事件の情報を提供される。まったく世には知られていない事件だったが、千葉県の取材を通して論文の形にしていきます。その証言や調査の結果を一冊にまとめた貴重な内容。知られざる悲劇の全貌が描かれています。

『関東大震災』吉村昭

関東大震災で何が起こったのか、どのような影響を与えたのか、政府や自治体の視点を交えて、現地での凄惨な状況が描き出されていきます。

特に朝鮮人虐殺にページ数が割かれていますが、全容を知るには最適な一冊。丹念な取材と卓越した文章力は、さすがです。ドキュメンタリー作家・吉村昭の筆致が光ります。

『聞き書き・関東大震災』森まゆみ

地震の当日、人々はどのように行動したのか。さまざまな証言や取材によって、浮き彫りにしていきます。寺田寅彦、野上弥生子、宮本百合子、芥川龍之介、宇野浩二、宮武外骨らの日記など、しっかり資料からもその様子を紐解いています。

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