伊坂幸太郎の殺し屋シリーズ『777トリプルセブン』!
とにかくハラハラしすぎて、読んでいる間は心臓バクバクで大変なことになりました。『777トリプルセブン』について、あらすじ・ネタバレ紹介をしていこうと思います。
『777トリプルセブン』あらすじ
殺し屋シリーズ4作目。世の中にかんたんな仕事なんてないのではないか?やることなすこと上手くいかない殺し屋「天とう虫」が主人公になります。
超高級ホテルでのシンプルな任務なのに…。ホテルという限られた空間で、ハラハラする展開を見せてくれます!
『777トリプルセブン』登場人物
- 七尾…やることなすこと、運がない。「天道虫」と呼ばれている。
- 真莉亜…七尾に仕事を斡旋している
- モウフ…マクラと2人でシーツを使った暗殺術を使いこなす
- マクラ…モウフとコンビを組む。本音をそのまま口に出してしまう傾向がある
- 乾…業界にさっそうとあらわれた。紙野を追う。清潔感のある顔立ち。解剖マニアという噂もある
- 紙野結花…記憶力がよくてすべてを記憶する。忘れることができないのが悩み。乾のもとで働くも逃亡中。
- ココ…人生をリセットしてくれる逃がし屋。ハッカーとしての技術が高い
- 高良(こうら)…奏田の兄貴分のような存在。仕事ができる人と見られやすい。ベージュのチノパンに白シャツ
- 奏田(そうだ)…高良とコンビを組んで活動。パーマがかった髪型で青いスーツ姿
- エド…吹き矢を武器にする6人組のリーダー。慎重派
- センゴク…腕力がある。アメフト選手のような外見
- アスカ…モデルのような外見
- ナラ…長身でスラっとしている
- カマクラ…きれいな顔立ちをしている
- ヘイアン…小柄。論理的な思考を持つ
- 蓬実篤(よもぎさねあつ)…政治家。15年前、刃物を持った男を取り押さえて知名度を上げる。3年前に妻子を自動車事故で亡くした。愛称はヨモピー。
- 池尾…影響力のあるブロガー。蓬に有益な情報を提供しようとする
- 佐藤…蓬の広報を務める
『777トリプルセブン』ホテル各部屋ガイド
ホテルを移動していくので、それがまたスリリングですが、いま何階?と思うこともあります。読む上で押さえておくべき部屋番号をまとめておきます。
『777トリプルセブン』ネタバレ解説
ここからは、起承転結の流れで、『777トリプルセブン』についてネタバレ解説していきます!
起︰ウィントンパレスホテルへ
簡単な仕事のはずだった…。
殺し屋・七尾は、ウィントンパレスホテルに荷物を届けるという依頼を受けます。
七尾は2010号室に向かいますが、なにか様子がおかしい。七尾の命を狙おうとしてきた相手の動きをかわすと、その人物は大理石テーブルの角に頭をぶつけて死亡してしまいました。そしてよく見ると、荷物は2010ではなく、2016号室が届け先でした。七尾にとっては、どうしても難解な仕事になってしまうわけですね。
七尾はエレベーターで下りるものの、11階で止まってしまいます。そこには、奏田がいました。過去に恨みを持たれていると勘違いした七尾は、先手必勝で、奏田に攻撃を加えるものの、誤解だったことがわかります。
そして、2010号室にいた男が、奏田の相棒である高良であることに、七尾が気づきます。
紙野とココは、1914号室にいます。そこに6人組の暗殺集団がやってくる。乾が仕向けたようで、吹き矢を使った攻撃が特徴です。6人組のうち、カマクラとアスカが、19階へ向かいます。
紙野とココが防犯カメラをハックして、階段で下りるものの、1階からセンゴクとナラが登ってきます。紙野とココは、5階の525号室に潜伏することに。
2階では、政治家の蓬が、ブロガーの池尾と、会食をしています。池尾は大きなネタをつかんでいることをにおわせます。
承:殺し屋同士のバトルがはじまる
高良と奏田は、ココが雇ったボディーガードだったんですね。連絡がとれないことで、ココは2010号室に向かうことにします。従業員用のICカードもそこにある。しかし、そこでココはやられてしまいます。
紙野は1人で逃げることになるものの、5階のエレベーターで、七尾を待ち構えて、助けてほしいと懇願します。そのとき、カマクラが急襲してきて、バトル勃発。吹き矢に苦戦するものの、七尾がスライディングで近づき、勝利をおさめます。
転:さらに激しい戦いへ
センゴクとナラは、525号室へ。そこには七尾と紙野がさまざまな仕掛けをしていて、2人を撃退します。
そのあと七尾と紙野は、奏田とともに、1121号室へ避難。奏田は2010号室へ行くと、アスカと接触してしまいます。アスカの勝利かと思いきや、奏田が爆弾を残して、アスカの顔で爆発。
七尾と紙野は、一般客に紛れてエレベーターで下に向かいますが、そこにナラが同乗してきました。4階で一時停止して、一般客を逃がすと、七尾とナラのエレベーター内バトルへ。辛くも七尾が勝利しますが、1階に着くと、エドとヘイマンが待っています。エドとヘイマンは、紙野をさらって、七尾に3階に来いと伝えてエレベーターの扉は閉まります。
マクラとモウフは、乾から死体処理を頼まれます。405号室のシャツにスラックスの金髪風の男を、1720号室に運びます。そのあと、2010号室のココの死体を見に行くことに。死体の山に驚きます。そこにセンゴクがやってきます。シーツでぐるぐる巻きにするものの、センゴクはタックルしてきます。左目を負傷したセンゴクは暴れて、マクラとモウフは一時退却をします。
結:意外な結末…
七尾は、恩を受けたことから紙野を助けることを決めます。3階に着くと、隣のエレベーターにセンゴクがいました。何かが起こると予期していた七尾は、すぐさまセンゴクを倒します。
楓の間では、エドとヘイマンが待っていました。エドを倒すものの、ヘイマンの吹き矢を受けて、七尾の意識が薄れていきます。なんとか扉の向こうへ滑り込みカギをかけて逃げ切ることができました。
2階で蓬はブロガーの池尾と、会食をしていましたが、用はないと見るや、広報の佐藤が合流してきました。そこで恐るべき事実が判明します。15年前の事件も3年前の妻子交通事故も、蓬が自作自演していたことが明かされました。蓬と佐藤は業者殺しで、殺し屋たちの両腕を脱臼させて、なぶり殺すのが趣味だったのです。乾が紙野のパスワードを狙っていたのは、蓬のためだったこともわかります。
蓬と佐藤は1720号室へ。そこには金髪の男と、ヘイアンが連れてきた紙野がいました。ヘイアンは脱臼させられて死亡。紙野にも危機が迫ろうとしたとき、乾の動画メッセージが。金髪の男が、成型した乾で、蓬と佐藤を処理しました。15年前の事件の犯人が、乾の父親で、ずっと復讐の機会を狙っていたのでした。
真莉亜、モウフ、マクラが合流して、七尾を救出します。ようやくホテルから脱出となります。
とんでもないエンタメ感!
いやぁ息をつかせない展開で、エンタメ全開でした。伊坂幸太郎作品のなかでも、かなり好きな作品になりました。登場人物が多いものの、ユニークなキャラが絡み合うのが、なんとおもしろいことか!伏線の散りばめ方もさすがで、堪能しました。全力でおすすめしたいです!
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