アイデアはどのように生み出せばいいのか。天才的にパッとひらめくわけではなく、アイデアを生み出すには方法があります。ここでは、企画・発想力を鍛えるおすすめ本を紹介していきます。
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アイデア発想おすすめ本【定番編】
アイデア発想おすすめ本で、定番になっているものをまとめていきます。
『アイデアのつくり方』
アイデアを生み出すうえで、まず手にとってもらいたい本がこちらです。1940年に刊行されてから、長くバイブルとして読まれているロングセラー。
アイデアの2つの原理は以下だとしています。
- アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何者でもない
- 新しい組み合わせに導く才能は、事物の関係性を見つけ出す才能による
この世にはアイデアがあふれいて、独自なものは何一つない。だからこそ、どう組みあわせるかが大事というわけです。60ページ足らずなのに、一生使えます。
『アイデア大全』
古今東西のアイデア発想法が42個、詰め込まれています。圧倒されます。
- バグリスト…あるものに対して、嫌いな点を列挙する方法
- さくらんぼ分割法…一つの要素を2つに分解して、さらに枝分かれさせて、発想を広げていく方法。バリエーションを増やすのに適している。
- NM法T型…4つの質問で発想する。要するにどうなればいいか?例えば何があるか?そこで何が起きているか?それは何かの役に立たないか?
辞書として持っておいて、状況によってアイデア発想法を使い分けていくのにおすすめです。
『考具』
アイデアマンになれるかどうかは後天的、考えるための道具がないだけ。だからこそ本書のノウハウがアイデア発想に活用できるのです。
- カラーバス…今日の色を決めてそこからアイデアを思考してみる
- ちょいメモ…気になったことはメモをとり、アイデアをかけ合わせていく
- マンダラアート…正方形の紙に9つのマスを用意して、真ん中にテーマを書いてアイデアを広げる
- 七色インコ…ターゲットと同じように体を動かして演じてみる
再現性のあるアイデア発想術が身につきます。
『嶋浩一郎のアイデアのつくり方』
博報堂ケトルでの広告制作でアイデアを出し続けてきた嶋浩一郎さんのアイデア本。とにかくメモを使い倒しています。
- 情報収集…ひたすら情報を集めてメモをする
- 情報の熟成…寝かせて、情報を並べてみる
- 化学変化…メモ内での予想外の情報の出会いから、アイデアが誕生する
ポイントは化学変化をどう起こすか。だから、情報整理はせずに、並べるだけなんですね。そこからアイデアが生まれてくるというわけです。実際のメモの事例もあるので、かなり参考になりました。
アイデア発想おすすめ本【ビジネス編】
ビジネスにおける企画発想力を高める本を紹介していきます。
『企画は、ひと言。』
いい企画は、たったひと言で伝わるもの。
「会いに行けるアイドル」「地球にやさしいエコカー」といったように、コンパクトにまとまってイメージしやすいものが、いい企画というわけです。
企画というと突飛な発想を考えがちですが、ウケるアイデアはベタ(定番)+新しさだとしています。「今、社会で流行りつつあるもの」はなにか?それをベースに企画を立てていきます。そのためにリサーチが大事で、日常生活で「記憶のストック」を増やしていくことが大事。
アイデアが思いついたら、「なんのために」「なにを」「どうする」というフレームで練り込むことで、企画をひと言で表現していきます。
さらに具体的に、企画がうまくいく「5つのS」が解説されています。
- Short:話すなら10秒以下、文字なら30文字以内にまとめる
- Simple:シンプルな軸がある
- Sharp:アイデアが凝縮されている
- See:頭の中に浮かぶ
- Share:だれもがイメージして共有できる
「ひと言でいうと?」をぶつけながら、繰り返し考えるクセをつけていきましょう!
『一生仕事で困らない企画のメモ技』
企画はメモで生み出す。そのための方法がまとまっています。
おすすめしているのは、自分が「欲しいと思うものごと」をメモしていくこと。新しいものごと、変わっているものごと、流行っているものごとではダメなんですね。あくまで自分の欲求を動かす「欲しいと思うものごと」をベースにする。
考えたいテーマと、欲しいと思うものごと(ネタ)をかけ合わせて、企画を生み出していきます。たとえば、新しいヘルスケアアプリを考えなければならない場合、ネタ帳に「家の掃除代行サービス」があったとしたら、この2つを掛け合わすのです。どんどんランダムに増やしていきます。
この企画の種を、「何を」「誰に」「いくらで」の3要素で見ていきます。こうすることで、おもしろい企画の実現度を上がていくというわけです。
著者の日頃からの情報収集についても参考になりますので、ぜひ手にとってほしいと思います!
アイデア発想おすすめ本【チーム編】
チームでどのようなアイデアを出していければいいのか、おすすめ本を紹介していきます。
『アイデア会議』
いきなり会議からは、いいアイデアは生まれない。本書はこう断言します。アイデアは3種類しかないわけです。
- 自分に出せたアイデア
- 自分には出せなかったけどよくわかるアイデア
- 自分にはまったく想像もできなかったアイデア
特に3を生み出すには、チームでアイデアを出す場が必要なんですね。
アイデア会議の構成要素は以下になります。
- What行動
- Who参加者
- When時間
- Where場所
- Why目的
特に重視したいのが、Why目的です。コアアイデアをつかめるかどうかが大事。そのためには徹底的にアイデアの量を出して選択肢を広げること。そしてあとで絞りこむこと。一人でやるとキツいので、拡散と収束をチームでやる。ポイントは、いま広げているのか、絞っているのかを把握することになります。
具体的には2ラウンドに分けて会議を展開していきます。
- 1ラウンド=アイデア出し尽くし会議
- 2ラウンド=イチ押しアイデア選び出し会議
1ラウンドでは、プランナーは事前にアイデアを考えて、紙に書いて準備しておくこと。書いておくことで把握をショートカットできるというわけです。拡散の段階で、否定はまだしない。そして2ラウンドで、ディレクター中心にジャッジしていく流れになります。
アイデア会議のゴールデンルールはこちら。
- ルール1:持ち寄る(手ぶら禁止)
- ルール2:発言と発言者を切り離す
- ルール3:選ぶ
数を生み出すことから、アイデアが練り上げられていくことがわかります。再現性のあるアイデア会議を行いたいなら、おすすめの本です。
『突破するデザイン』
本書ではアイデアは小さいチームで、練り込むことでしか生まれないとしています。意味のあるビジョン1つがあればいい。物事を改善するのではなく、なぜ私たちがそれらを必要としているかが重要になってくるのです。
外部からアイデアを得る方法ではなく、「批判精神」「自分自身から始めること」が必要だとしています。どれだけ批判できる環境があるかが大事になってくるんですね。フラットな批判ができる環境には、親和性あるいは類似性が得られることが条件だとしています。
これからの時代のチーム発想術を知るには、読んでおきたい内容になっています。
『クリエイティブ・スイッチ』
突然のひらめきがクリエイターの成功を左右するという神話があります。本書ではこうした神話のウソを暴くことを目的としています。アイデアを生み出すには、れっきとした科学があるんですね。質のいいアイデアが生むには、訓練が必要というわけです。
ヒットを連発できる人の要素はこちら。
- プロトタイプ…ある概念の基本的な性質を抽象化したものを指す
- 見本…過去のパターンを把握している
- 情報収集…20%原理、自分自身の分野のコンテンツを消費する活動にあてる
クリエイター寄りの話になりますが、アイデア発想のうえでは、かなり参考になる本です。
『たくらむ技術』
著者は『ロンドンハーツ』『アメトーク!』のプロデューサーである加地倫三。
企画の出し方は大まかに5つ。
- トレンドに背を向ける…アンテナを張っての情報収集はしない。情報が自分のものにならないから
- ヒントは分析から生まれる…好きなもの、面白いと思うものがあったときに、なぜかを分析する
- 「逆に」を考える…決めつけをしない。例えばバッファローの木村から「あぶら揚げ」をテーマにしたいと提案があったが、逆にと考えてゴーを出した。ただし、ダメな企画もある。アゴ長い芸人は身体的なことで共感を呼ばないとして、NGにした
- パクリはクセになる…どんどんアタマは退化していく。パクリとパロディーは違う。二番煎じは本質を見失う
- 自分たちが面白いかどうか…最初に考えるのは自分たちが面白いかどうか。視聴率はその次。面白さをどう伝えるかは考える
反省会こそ明るくといった、ポジティブな企画の出し方は、かなり参考になります。
『企画の道具箱』
いい企画を立てるにはどうすればいいのか、そもそも企画とはなにかから思考していく内容になっています。
「企画書はドラマだ」「企画書は言葉だ」。フォーマットを埋める作業ではなく、アイデアを湧き上がらせながら、アウトプットしないといけないんですね。インプットがないと良いアウトプットはできない。だから「見てさわってなめてこい」とアドバイスしているそうです。
マーケティングとは、つなぐ技術なわけです。要らないものは要らない。それを買うといい気分になれそう、それを買うといい気分になったというイメージ訴求ができるかがカギになります。
具体的には、以下の流れで企画書を作成していくことになります。
- 企画の骨子
- 提案の背景
- 課題の抽出
- 解決策の提示
- 具体策
実際の企画書も掲載されているので、ぜひ参考にしてほしいと思います。
アイデアを生み出すには?
すべて共通しているのが、アイデアは天才的なひらめきで生み出すのはないということ。パッと思いつくには、情報の蓄積が必要であり、その先に形にするには練り込みが必要なわけです。
アイデアを生み出すことができないと嘆いている方にこそ、今回紹介した本を手にとってほしいと思います。
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