マーケティングがものすごく重視される時代になっています。 今回はマーケティングについて、初心者向けから上級者向けの必読書をッ紹介していきます。
- マーケティングおすすめ本【原則編】
- マーケティングおすすめ本【初級編】
- マーケティングおすすめ本【いまの時代編】
- マーケティングおすすめ本【上級編】
- マーケティングおすすめ本【BtoB編】
- マーケティングおすすめ本【事例編】
- マーケティングのおもしろさを感じる
マーケティングおすすめ本【原則編】
まずはマーケティングの原則を学びんでいきましょう。
『エスキモーに氷を売る』
マーケティングを突き詰めると、エスキモーに氷を売ることも可能だとのっけからすごい例えが出てきます。
- 等身大の自社を見つめる
- 顧客にとっての商品力を見極める
この2つを突き詰めることで、さまざまな可能性が広がるのです。
NBAのニュージャージー・ネッツの事例が紹介されています。徹底的に顧客の満足度を考えていった結果、スターチームとの対戦を増やす戦略をとって、チームの収益性を高めることに成功しました。自分のチームを強化するのではなく、対戦相手の魅力を活用したわけですね。
マーケティングの発想が広がっていく感覚を味わえます。
『ドリルを売るには穴を売れ』
本書のタイトルは、マーケティングだけではなく、ビジネスで使われる言葉になっていますよね。マーケティングの基礎が把握できる内容になっています。
マーケティングの4つの理論がまとめられています。
- ベネフィット…商品を買うことで顧客が得る価値、機能的ベネフィットと情緒的ベネフィットがある
- セグメントとターゲット…商品を販売する対象を絞る作業のこと
- 差別化…他社と比べて、その商品を選ぶ理由を提供すること
- 4P…Product(製品、サービス) 、Promotiaon(広告宣伝)、Place(販売チャネル)、Price(価格)の頭文字
マーケティングの醍醐味を知ることができる一冊です。
『売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則』
マーケティングには不変の法則があると、著者は断言しています。そのいくかを紹介すると…
- 一番手の法則…先頭を切ることが大事
- カテゴリーの法則…最初ではなくても一番手になれるカテゴリーを見つければいい
- 心の法則…顧客の心に入り込む
22の法則のうち、自分なりに参考にしたい法則だけをピックしてもいい。使い勝手のいい本です。
『シュガーマンのマーケティング30の法則』
マーケティングで大事なのは「正直さ」だ。アメリカの伝説的なマーケターであるシュガーマンは言い切ります。正直さを軸にしながら、マーケティングに必須の30の法則が紹介されていきます。
- 一貫性の原則…顧客は、最初の購買行動と一致した行動を取り続ける
- 適切なアピールポイント…顧客に合わせて適切なアピールを接点とすることが大切
- 欠点の告知…欠点があるなら早い段階で伝える
- 抵抗感の克服…顧客は期待しているものの、購入に対する不安がある
ほかにも押さえておきたいマーケティングの心得がまとめられています。
『影響力の武器』
人の心理的原理を、社会心理学的に分析しています。どのように影響力を与えることができるのかが、見えてきます。
- 返報性…なにかしてもらったら、お返しとしてなにかしてあげたくなる
- コミットメントと一貫性…宣言したら撤回できなくなってしまう
- 権威…肩書やルックス、フォロワー数などを信頼してしまう
ほかにもさまざまな人間心理が把握できます。マーケティングの施策を打つ上で、押さえておくべき内容になっています。
『不変のマーケティング』
実践者2万人以上、顧客獲得実践会が提示したマーケティング術がまとめられています。
品があって、その商品のマーケティングをしたんじゃない。マーケティングをして、欲しがる人がいることを確認してから、商品を作ったそうです。商品志向ではなく、まずお客を探し、ニーズがあることを確かめてから商品を提供するスタイルを提唱しているんですね。
- お客はどうしてここに集まっているのか?
- お客が嫌っていることは何か?
- どうして嫌っているのか?
- お客は何に悩んでいるのか?
- どうして悩んでいるのか?
- お客が恐れていることは何か?
- どうして恐れているのか?
ひたすら、お客の頭の中を考えることにこだわっています。
『デジタルマーケティングの定石』
本当に成果が出る施策は、企業規模や業種による差がほとんどない。定石とは、従来の顧客接点をデジタルに置換することで、大幅なコスト削減を実現する施策パターンです。
デジタルでできることと、できないことを把握すべきだといいます。人間のようなおもてなしはできないし、ユーザーが目の前にいない。
- 3秒以上の営業トークは無視される
- 見込み客の質を高められない
- デジタルでブランディングも難しい
- ユーザーの顔が見えない
- 爆発力がなく少しずつしか伸びない
デジタルの特性としてはこちらです。
- コスパが圧倒的にいい
- 1対nでやりとりできる
- ストックになって集客方法できる
- 大量のリアルデータが集まる
デジタルマーケティングの特性を理解して施策に取り組むべきということですね。まさに定石を知って思考をショートカットできる内容です。
マーケティングおすすめ本【初級編】
『マンガでわかるWebマーケティング』
ストーリー仕立てなので、ものすごくわかりやすいです。マーケティングのハードルが下がります。
- 目標の立て方が間違っていた
- コンサルタントが理解できない
- トラブルが発生した
これらの状況から、主人公・三立瞳がどのようにマーケティングを駆使するのかが展開されていきます。
『マーケター1年目の教科書』
表層的な知識でなく、しっかり現場感のある内容が並びます。それもそのはず、各テーマに対して第一線で活躍するトップマーケターが回答しているんですね。
- 顧客にインタビューする&アンケート調査をする
- 選ばれる理由・選ばれない理由を把握する
- ペルソナを明確にする
- カスタマージャーニーを描く
- どこでナンバー1になるかを決める
- 顧客に届けるメッセージを決める
- 顧客がいるチャネルに露出する
- 顧客と直接つながる
- メッセージに一貫性を持たせる
これらのテーマで、すぐに活用できる知識が身につきます。
『100円のコーラを1000円で売る方法』
タイトルが秀逸で、発売当時かなり話題になった本です。会計ソフトウェアの専門会社で働く2人が、どうマーケティングを駆使していくか、物語が展開されていきます。
- プロダクトセリング…コスト削減で製品を売る戦略
- バリューセリング…付加価値をつけて製品を売る戦略
これがタイトルの解説になります。つまりは、付加価値をどうつけるかが問われるわけです。
『マーケティング思考力トレーニング』
マーケティングを楽しくトレーニングしながら学べる本です。「マーケティングトレース」といわれる今の企業の戦略を分析できる方法が紹介されています。マーケティングトレースは、6つのステップで展開されます。
- 企業概要を整理する
- 外部要因・内部要因の分析
- マーケティング戦略分析
- KGI・KPI整理
- 組織状況の整理
- 自身で次の打ち手を想定
有名企業のマーケティングがどうなっているのか、手がかりをつかみながら、マーケティング脳が鍛えられます。
『マーケティングとは「組織革命」である』
マーケティングとは、経営資源を消費者のプレファレンスに集中する能力であると定義されています。プレファレンスは、消費者のブランドに対する相対的な好感度のこと。戦略を実行するためには、組織の構造が最適化されている必要があるわけです。
理想とする組織モデルは「人体」だといいます。人体は、環境に適応して生き残るために最適化します。
社内マーケティングのフレームワークは以下です。
- 組織目的の理解…ルールを把握する
- 目的…勝利する確率の高い戦いを設定する
- WHO…ターゲットを明確にする
- WHAT…便益を明確にする
- HOW…言いたいことを相手が聴きたいように話す
外側へ働きかけるには、社内から。そのとおりと頷くことが多い内容になっています。
マーケティングおすすめ本【いまの時代編】
『ジョブ理論』
どうやったら売れる商品サービスを作ることができるのか?『イノベーションのジレンマ』のクリステンのジョブ理論は、もはや新たなスタンダードになりつつあります。
たとえばミルクシェイクを売るとします。プロダクトのレンズから見ると、サイズ大きくする?味を増やす?価格下げる?という思考になりがち。一方、ジョブのレンズをかけると、誰のどんなジョブを片付けるために雇われたのか?という思考になります。
出社中の社内で手軽に長い時間をかけてお腹を満たせる、というジョブをミルクシェイクを雇って片付けているといった可能性を考えることができます。
望ましい状況(進歩)と、現状との間に「ジョブ」が発生するんですね。ニーズという曖昧な言葉ではなく、「ジョブが生まれるストーリーを理解せよ」と著者は言います。
そのために「受動的データ」に着目し続けることが大事になってきます。
- 能動的データ…外から見えやすくわかりやすいデータ
- 受動的データ…意図して調べなければまったく見えてこないデータ
顧客が求めていることはなにか、探求していくことが求められているのです。
『コトラーのマーケティング4.0』
マーケティングも時代に合わせて変化しなくてはならない。消費者が企業より賢くなり、グローバル化で問題が起こり、ニーズを満たすだけでは消費者は買わない状態になっています。
- マーケティング1.0…製品中心の考え方
- マーケティング2.0…消費者中心の考え方
- マーケティング3.0…劇的な変化による課題を解決する
- マーケティング4.0…自己実現中心の考え方、購入したことによって自らの「精神的欲求を満たすこと」を重視する
マーケティング3.0では、社会課題解決はもはやボランティアでやることではなく、経営課題として取り組むべきとしているのです。そして、マーケティング4.0では、自己実現ができているかを重視するようになったわけです。
アメリカの経営学者で影響力のあるコトラーの考えは、ビジネスの前提として把握しておくべきでしょう。
『実践 顧客起点マーケティング』
「顧客を把握せずにマーケティングをしている現状に危機感を覚える」。冒頭で著者はこう指摘しています。
顧客起点マーケティングとは、1人の顧客を起点にマーケティングのアイデアを見つける概念のこと。
N1(1人の顧客)分析の方法はこちらです。
- 顧客セグメント条件に合う顧客を抽出してインタビューを依頼する
- インタビューを実施する
- カスタマージャーニーを作成する
- きっかけから「アイデア」を創出する
スマートニュースを躍進させ、これまでP&G、ロクシタンといったマーケティングを担当した著者だからこその説得力があります。応用編となる9セグマップもかなり有益です。
『ファンベース』
ファンベースとは、ファンを大事にして、ベースにして、中長期的に売り上げや価値を上げていく考え方のこと。かなり先見の明がある、さとなおさんの本です。ファンの支持をアップさせるにはいくつかの要素が必要になります。
- ファンの言葉を傾聴し、フォーカスする
- ファンであることに自信を持ってもらう
- ファンを喜ばせる
ファンづくりはもはや全企業が考えるべきことになっています。ファンベースをしっかり把握することが前提の時代になっているのです。
『マーケターのように生きろ』
マーケティングを個人にも活かせるとした内容です。マーケター思考があれば、仕事で成果を上げることができるようになると主張しています。
マーケティングの4つのステップが、個人の人生にも役立つといいます。
- 市場を定義する
- 価値を定義する
- 価値をつくりだす
- 価値を伝える
読んでいてワクワクする内容になっています。
『苦しかったときの話をしようか』
きっかけは娘の話。人生で迷う子どもに対してのメモが、本書のベースになっています。ポイントとなるのは以下の要素です。
- きっとなんとかなる
- 力を尽くして狭き門より入れ
- 今抱えている不安とは何か
- 友は必要ない
苦しいと思ったときこそ、本書を手にとってほしいと思います。
『僕らはSNSでモノを買う』
SNSマーケティングの基本を知りたいなら、本書が役立ちます。UCGをどのように起こすのかが起点になります。
- User…利用者が
- Generated…作り出した
- Contents…内容、中身(コンテンツ)
わかりやすくいうと、口コミで、どれだけユーザーが発言したくなる土壌がつくれるかが、SNSマーケティングの肝になるわけです。
『Z世代マーケティング』
Z世代は1996~2012年生まれの人たちのこと。テクノロジーとの融合が当たり前の世代です。Z世代が企業に期待しているのは3つだとしています。
- 価格
- パーソナライゼーション
- 社会的責任
これからの時代、ユーザーがどのようなマインドでいるのか把握できる内容になっています。
マーケティングおすすめ本【上級編】
ここからはマーケティングの上級レベルの本を紹介していきます。
『確率思考の戦略論』
USJで実証された数字とロジックに裏打ちされた戦略論。「ビジネスの成否は確率で決まる」「その確率はある程度は操作できる」と言い切っています。
市場構造の本質は、プレファランスで、これは人による好みのこと。ビールならモルツ、一番搾りと銘柄の好みが決まっている人がいるわけです。そしてプレファランスの組み合わせがエポークト・セットです。エポークト・セットは、過去の購買経験によって消費者の脳内につくられていて、このなかからランダムに商品を選んでいるというわけです。
つまり経営資源を集中すべきは、消費者のプレファランスの向上になるのです。
プレファランスは3つの要素で決まります。
- ブランド・エクイティー…ブランドが持つ見えない資産のこと。ディズニーなら夢と魔法の王国。
- 製品パフォーマンス…機能重視、問題解決型の商品なら重視すべき点。
- 価格…中長期的には価格アップして、消費者を喜ばせる原資を得る。
売上を決める7つの基本的要素を挙げています。
- 認知率
- 配荷率
- 過去の購入率
- エポークト・セットに入れる率
- 1年間の購入率
- 年の平均購入回数
- 平均購入金額
さらに細かい数式も掲載されていて、数字に向き合う必要を実感させてくれる内容になっています。
『なぜ「戦略」で差がつくのか。』
戦略でどうして差が出てしまうのか。そもそも戦略とは、目的達成のための「資源」利用の指針という定義がされています。
そしていい戦略を立てるためには、「拡散思考と収束思考」の組み合わせが必要になります。
- 拡散的思考…創造性が必要になる
- 収束思考…ある問題について、1 つの明確に定義されたソリューションを見い出す
マーケティングを考えるうえで、戦略がズレていれば、成果につなげるにはハードルが上がります。戦略をしっかり考えておきたいと思ったら、おすすめしたい一冊です。
『The Art of Marketingマーケティングの技法―パーセプションフロー・モデル全解説』
パーセプションフロー・モデルとは、消費者の認識(=パーセプション)の変化を中心としたマーケティングのこと。パーセプションフロー・モデルには、7つの効用があるといいます。
- 全活動を把握でき、全体最適を実現しやすい
- 各活動の目的が明確になるので成果を上げやすい
- 消費者中心の経営を仕組み化できる
- 先端技術を運用しやすくなる
- 知識の収集・蓄積・流通のプラットフォームになる
- 自律的なオペレーションを構築できる
- 競合対策の演習に活用できる
パーセプションフロー・モデルを活用することで、企業の持続的な成長につなげていきましょう。
マーケティングおすすめ本【BtoB編】
マーケティングでは、BtoBはまた特殊な要素があるんですね。BtoBビジネスにおけるマーケティングについて解説されている本を紹介します。
『現場のプロが教える! BtoBマーケティングの基礎知識』
BtoBマーケティングの基礎を徹底的にまとめた本。
Web広告、SEO、SNS、メールマガジン、ウェビナー、Webサイト、オウンドメディアといった各項目をしっかり解説しています。
以下のような悩みを持っている方におすすめです。
- BtoBマーケティングを任されたけど、何から学び始めれば良いかわからない
- 効果的な施策がどのように設計されているか知りたい
- 他社のKPIがどのように設定されているか知りたい
BtoBマーケティングを考えるうえで、ガイド本として持っておきたい内容です!
『事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践』
BtoBマーケティングの現状を整理することができて、とにかく具体例が豊富です。大事なのは、ターゲットの購買プロセスを把握すること。これによって自社が「できること」「できないこと」が明確になります。
- リード数が足りない
- リード数が200件で頭打ちに
- MAツールを導入したが、活用できていない
- リード数や商談数は増えているが、受注につながらない
- 新しいサービスなので積極的に探している人がいない
- 顧客がウェブを使って情報収集していない
- 競合の参入でCPAが高騰し、受注率も低下
- 営業主体の会社なので、マーケの文化がない
- コンテンツマーケティングに投資したいが、どこから手をつければいいかわからない
- 競合がたくさん存在する成熟業界で成長する
- モノはよいが、知られていない
11のケーススタディに対して、数字を出しながら事例で解説されていきます。
マーケティングおすすめ本【事例編】
マーケティングにおいて企業の事例がわかる本を紹介します。
『サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ』
いいものが売れるは大いなる勘違い。サイゼリアで大事にしているのは、以下の要素だといいます。
- 人時生産性
- 投下資本利益率
- 総資産利益率
- 営業利益率
シビアでありながら、どのようにマーケティングを実施しているのかが見えてきます。
『ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか』
作業服専門店ワークマンは、一般向けに売り方を変えたことで、大きな売上を達成しました。ワークマンの特徴は低価格の高機能商品。アパレル業界では、ブルーオーシャンだったんですね。
・自社の強みから市場を開拓した
・顧客の声と現場からデータを分析した(店舗のABテストやEXCEL教育)
・変えない経営を実施した(原価率と商品×ホワイトFC経営)
売れるには理由があることがわかる内容になっています。
マーケティングのおもしろさを感じる
マーケティングはコツコツと地味ですが、今の時代外せません。マーケティングがうまくいっているかどうかが、企業の成長とリンクしていくわけです。
マーケティングのおもしろさや醍醐味をぜひおすすめ本を読んで感じてほしいと思います。
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