さて、読書の秋。ということで、ラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」で秋の推薦図書が放送されていました。
かなり重厚な本ばかりで、定価3,000円やら4,000円やらの本であっても、
「安いッ!」「タダも同然!」
という掛け声がかかります。
この流れ、大好き。要はそれだけコスパがいいぞ!ということですよね。
ゲスト推薦人はブロガーで映画や海外文学に詳しい伊藤聡さん。全15冊がそろってます!
lee578.hatenablog.com
※こちらは2016年の放送をまとめた記事。
宇多丸推薦
『映画原作派のためのアダプテーション入門』
小説を映画に置き換えるアダプテーションとは、どういうことなのか? フィッツジェラルドやピンチョンの原作映画などを題材にして解説していきます。「原作」とは映画化されることで生まれる概念である、という視点は新鮮です。
映画批評をする宇多丸さんらしい選択ですね。原作映画って日本でもマンガだったり小説だったりでまぁたらふく公開されています。そういった映画を批評する上でもかなり参考になりそう。
伊藤聡推薦
『ウォークス 歩くことの精神史』
『災害ユートピア』の著者による作品。「歩く」をいろんな角度から考察するという試みがすごいですね。アリストテレスが歩きながら思考し、登場人物が歩くことで物語が推進していく小説をジェイムズ・ジョイスやバージニアウルフがが描いているらしいです。デモで歩けば政治的な意味合いを持つこともあり、巡礼で歩けば宗教的な意味合いを持つこともあるというテーマも興味深いです。
「歩く」って深い!
『ビリー・リンの永遠の一日』
ある19歳の元兵士が、巨大スタジアムでのエンタメショーに参加する。そこはイラクで戦闘に参加した兵士たちを讃えるための空間だった。
超ストロングアメリカを描きながら、現実との乖離を鋭く描いているそうです。映像化されていてAmazonプライムで鑑賞できるとか。
『いなごの日/クール・ウェスト』
翻訳は柴田元幸さん。1930年代、大恐慌後の暗いアメリカが舞台。ハリウッドで映画美術を目指す画家が主人公で、女優志望や脚本家志望の人たちが登場するが、だれも夢が叶わない。キラキラした場で惨めさが増幅していく。
伊藤さんは、こういう人たちが存在していいと肯定していると、本作から小説の豊かさを感じることができると推薦!
『翻訳教室』
柴田元幸さんが行った東大の授業を書き起こした一冊。
1文ずつの解説があったり、かなり実用的な翻訳術になっているようで勉強になりそう!
しまおまほ推薦
『ラーメン記者、九州をすする』
新聞記者が書いたグルメ本。ちょっと新鮮な切り口ですね。
『大家さんと僕』
カラテカの矢部太郎によるコミックエッセイ。1階に住んでいる大家のおばあさんとの日々を描く。
これはかなり絶賛されていますね! しまおさん好きそう
構成作家・古川耕推薦
マンガ『サトコとナダ』
Twitterで連載されている四コマ漫画。デビュー作。アメリカの寮で女子大生2人がルームシェアしている。
日本人女性のサトコと、サウジアラビア女性のナダとの共生生活で、異文化のおもしろみを感じさせる内容。
マンガ『2DK』
3ページ1話のルームシェアもの。キナリとコムギというアイドルオタクの生態が描かれる。
マンガ『白エリと青エリ』
今世紀最も過小評価されているマンガ家!? テーマは働くこと。
ほのぼのふわっとした絵柄。人生観の洞察力が桁違いに深いらしいです。これは読みたい!
番組ディレクター・ミノワダ推薦
『バック・トゥ・ザ・フューチャー コンティニュアム・コナンドラム』
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』その後を描いたアメコミ。時空を超えた冒険から帰ってきたマーティが現実に退屈していた中で、クララから100年越しの手紙が届く。
映画の脚本家が監修しているだけに、オフィシャル感あり! 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の続きが読めるのは、ちょっと気になりますね。アナザーストーリーの『バック・トゥ・ザ・フューチャー アントールド・テイルズ』も出版されているそうですよ。
番組音楽ディレクター・小荒井弥推薦
『AMAZON 密林の時間』
毎年アマゾンに滞在する著者が撮りためた自然の異形物が収められている。
番組内でも写真を見ながら「すごいカラフル!」「こわッ、キモっ!」と盛り上がっていました。
『旧ソ連遺産』
超大国の崩壊から、さまざまな廃墟を撮影。軍用機、ミサイル、核兵器貯蔵庫などの写真が収録されているそうです。
こちらも「これスゴい!」「ゲームで見たような感じ」と盛り上がっていました。
『お金がずっと増え続ける 投資のメソッド —アイドルのわたしでも。』
乃木坂46・高山一実が実際に投資をした結果をまとめた一冊。ルールを決めてやれば絶対に儲かるというメソッドを教えてくれます。
番組アドバイザーせのちん推薦
『RX100 基本&応用 撮影ガイド』
RX100シリーズのマニュアル本。
著者の伴貞良さんは、このシリーズを使用したブログを展開し、思い入れが強い一冊だそうです!
おすすめです!
今回も熱のこもったプレゼンが続いて楽しかったぁ。秋の推薦図書フェアも各書店で開催されるのでぜひチェックを!
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