ドラマ『恋は闇』は、連続殺人事件を追う報道ディレクターと、ある男性の関係を描いた作品です。事件ものとラブストーリーが、かなり危うい形で同居している。各話を簡単にまとめたうえで、その配合について考えます。
ドラマ『恋は闇』あらすじ
毎月起きる連続殺人事件を、報道番組のディレクターが追っています。取材を進めるなかで、彼女はある男性と関わることになる。事件を追う立場と、個人的な感情が、少しずつ分けられなくなっていきます。
各話あらすじ(簡易版)
各話の流れを簡単にまとめます。詳しい展開は本編でご覧ください。
- 1話:万琴が連続殺人事件の現場に立ち、取材が始まる
- 2話:番組の責任者となり、遺族取材という難題に直面する
- 3話:現場の法則が見えてくる一方、浩暉の過去が明らかになる
【感想】報道する側の負荷を描いている
この作品でいちばん印象的なのは、遺族取材の場面だと思います。
視聴率のために必要だと言われ、断れない。やりたくない仕事をやらされる側の描写に、ちゃんと時間が使われている。事件ドラマで報道の内側をここまで描くのは珍しく、そこが良かったです。
岸井ゆきのの「割り切れない」芝居
万琴は、職業人として割り切ろうとします。でも割り切れていない。
岸井ゆきのさんは、その中途半端さを演じるのがうまいんですよね。プロとして振る舞いながら、どこかで傷ついている。この二重性が作品の温度を決めています。
【考察】この作品の主題は「知りたい欲望の正体」
私は、この作品が扱っているのは事件そのものより、事件を知りたがる気持ちだと考えています。理由が2つあります。
理由①主人公の職業が報道である
刑事ではなく報道ディレクターを主人公にしたのが重要だと思います。彼女の仕事は、犯人を捕まえることではなく、伝えることです。
伝えるためには、遺族に踏み込まなければならない。知ることと、傷つけることが同じ行為になる。この職業だからこそ成立する葛藤ですよね。
理由②タイトルが恋愛を指している
もうひとつ、事件ものなのにタイトルが恋愛の言葉です。これは偶然ではないと思います。
誰かを知りたいという気持ちは、恋愛でも取材でも同じ形をしている。知りたいという欲望が、対象によって愛にも加害にもなる。このタイトルは、その等号を示しているのだと思います。
【考察】危うさをどう着地させるか
この構造の危うさは、取材対象に感情を持ってしまうことです。それは職業倫理としては失格ですよね。
ただ、この作品はそれを失敗として描くのか、人間として当然だと描くのか。そこの扱い方で作品の評価が決まると思います。ここは最後まで見たいところです。
ドラマ『恋は闇』登場人物
- 設楽浩暉(志尊淳)
- 筒井万琴(岸井ゆきの)
- 内海向葵(森田望智)
- 小峰正聖(白洲迅)
- 夏八木唯月(望月歩)
- 木下晴道(小林虎之介)
- 松岡慧(浜野謙太)
- 大和田夏代(猫背椿)
- 蔵前沙樹(西田尚美)
- ????謎の男(萩原聖人)
- 野田昇太郎(田中哲司)
ドラマ『恋は闇』スタッフ・主題歌
- 主題歌:WurtS「BEAT」(EMI Records / W’s Project)
- 音楽:末廣健一郎
- 脚本:渡邉真子
- 演出:小室直子、鈴木勇馬
- チーフプロデューサー:道坂忠久
- プロデューサー:鈴間広枝、能勢荘志、松山雅則
- 制作協力:トータルメディアコミュニケーション
- 製作著作:日本テレビ
『恋は闇』は知りたい欲望の話
というわけで、ドラマ『恋は闇』の感想と考察でした。事件ものと恋愛ものの組み合わせとして、かなり攻めた作品だと思います。皆さんはどう見たでしょうか。

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