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【司馬遼太郎】おすすめ小説15選!どれから読めばいいのか初心者向けベスト5も紹介


司馬遼太郎は歴史小説の大作家です。

なかなか読むのはハードルが高いと思っていた時期があるのですが、むちゃくちゃエンタメ作品が多いんですね。歴史嫌いであっても間違いなく読み進めることができると思います。

そんな司馬遼太郎作品、なにから読めばいいのか、歴史小説初心者にもおすすめしたい個人的なベスト5と、時代に分けて作品を紹介していきます!

大阪にある「司馬遼太郎記念館」についてもレポートしています!

司馬遼太郎 個人的ベスト5

まずは個人的におすすめしたいベスト5から。エンタメ性が高い作品が中心になっています!

1位『燃えよ剣』

はじめに読んでほしいのは『燃えよ剣』です。司馬遼太郎本人がベストワンに選んでいる作品です。

新選組副長である土方歳三を主人公に、近藤勇や沖田総司など、いきいきとした人物の魅力が描き出されます。土方歳三はこれまでは悪役として描かれていて、司馬遼太郎はもっと生身の土方歳三に迫りたいという思いがあったんですね。

冒頭を読めばわかると思いますが、かなりエンタメ性が高い。土方歳三の命をつけ狙う七里研之助を登場させて、この2人の戦いを見せる。

ほかもキャラクターが立っているし、歴史上の出来事がリンクして、おもしろさ全開で読み切れてしまいます!

2位『竜馬がゆく』

坂本龍馬の魅力を世に知らしめた司馬遼太郎の代表作!

とにかく坂本龍馬のスケールのでかさに魅了されます。明治維新というのは坂本龍馬にとっては片手間の仕事でしかなくて、狭い日本ではなく世界に照準をしていたんですね。

倒幕か佐幕か攘夷か尊王かといった価値観で、殺し合いをしていたなかで、坂本龍馬の発想はキラキラしている。だから憧れる。

「余談だが」「ついでながら」といったように物語の途中に、歴史解説が入るようになったのも本作から。

エンタメ性に加えて、歴史解説の重厚さが相まって、司馬遼太郎の傑作が生まれたわけです。

3位『峠』

大政奉還となったあとの戊辰戦争で、東軍・西軍いずれにも属さない武装中立を目指した男がいた。越後長岡藩をひきいる河井継之助です。民を守るために、戦争を避けようしたんですね。

とにかく河井継之助の誠実さに惹かれてしまいます。

しかし、和平を訴えた談判は決裂してしまい、河井継之助は戦火のなかへ。徳川譜代大名としての義のもと、西軍と対峙することを決断します。

2022年、役所広司主演で『峠 最後のサムライ』として映画公開が決まっているため、いまのうちに読むのをおすすめしたいです!

4位『国盗物語』

乞食の身分から天下盗りを目指す松波庄九郎の野望を描く。松波はやがて斎藤道三と名乗るようになる…。とにかく斎藤道三がかっこよすぎて、魅了されること間違いなし!

後半は織田信長と明智光秀がメインとなっていくのですが、この2人よりも断然、斎藤道三のほうが存在感があるんですね。エンタメ性の高い作品。

5位『十一番目の志士』

長州藩の暗殺者・天堂晋助。彼は、高杉晋作の意向から上洛します。そして土方歳三と対決し、坂本竜馬と語らい合う。歴史の裏側でどのような動きがあったのか、天堂晋助の視点から見えてきます。

しかし、天堂は司馬遼太郎が創作した人物。歴史の史実を踏まえて、どこまで想像力をふくらませるか。司馬遼太郎の小説家としての巧みさが詰まっています!

司馬遼太郎作品 幕末編

幕末はこの国をどうすべきか、命をかけて考えて行動を起こした人たちがいます。ロマンがありながら殺伐とした世界を描く作品を紹介します。

『最後の将軍』

15代将軍である徳川慶喜を軸に、江戸時代の最後を描きます。

司馬遼太郎は、徳川慶喜のことをずっと書かねばと思っていたそうです。才能がありながら時代の荒波に飲まれていく慶喜の悲哀を感じさせます。

『世に棲む日日』

明治維新の源流には、ひとりの男がいます。吉田松蔭。

彼が開いた松下村塾には、久坂玄瑞、高杉晋作、木戸孝允、伊藤博文、山縣有朋といったように、維新の傑物たちが通っていました。『世に棲む日日」は、吉田松陰と、その弟子である高杉晋作を中心にして描いた作品になります。

とにかく松田松蔭が魅力的!知への探究心があり、奇想天外に行動していく。たくさんの人に慕われたことがよくわかります。

そして吉田松陰の志が弟子たちに受け継がれていくわけですね。後世に何が残せるのか、継承とはなにかということが、深く突きつけられる作品です!

『花神』

大村益次郎を主人公に据えて、長州藩の軍事的側面にフォーカスした作品。

大村益次郎は無口でつかみどころのない人物で、軍事的才能を感じることができます!

司馬遼太郎作品 戦国編

戦国時代の人気武将を司馬遼太郎がどう描くのか、傑作ぞろいです!

『新史太閤記』

司馬遼太郎作品には、立身出世した歴史人物が多く登場します。だから、百姓から天下統一をした豊臣秀吉のことを、司馬遼太郎が描くのは必然。

戦国時代という乱世を切り開いていく秀吉の魅力に触れてもらいたいです!

『関ヶ原』

天下分け目の決戦を、司馬遼太郎が描く。重厚でありながらエンタメ性の高い作品に仕上がったのが『関ヶ原』です。

秀吉亡きあとでも忠義を尽くそうとする石田三成、天下取りに執着する徳川家康。対極な人物として描くことで、人はどう生きていくのかといったことを考えさせられる作品になっています。

『覇王の家』

徳川家康の奥の深い人間性を描き出す。

司馬遼太郎は、徳川家康の二面性に注目します。信長、秀吉に仕えていたときは羊のように従順でありながら、天下が目の前にきたときには強烈な力強さを見せる。

ぜひ徳川家康の変遷を堪能してほしいと思います!

『功名が辻』

山内一豊と、その妻・千代。この2人が土佐二十四万石の領主となるまでを描きます。

「あなたを一国一城の主にしてみせる」。千代が語るとおり、内助の功を発揮するんですね。立身出世ものとしても夫婦ものとしても読ませます!

『梟の城』

織田信長によって、伊賀忍者の多くは殺された。それから10年後、生き残りの伊賀忍者・重蔵のもとへ、かつての師匠がやってくる。重蔵に、豊臣秀吉暗殺の密命が下されるのだった…。

司馬遼太郎は、本作で直木賞を受賞。1冊完結で、忍者エンタメ作品なので、かなり読みやすいと思います!

司馬遼太郎作品 近代史編

近代史では今の時代と地続きだということが垣間見える作品で、司馬遼太郎の歴史観が色濃く出ています。

『翔ぶが如く』

西郷隆盛は、なぜ新政府を分裂させる西南戦争を起こしたのか。この謎に真っ向から挑んだのが、『飛ぶが如く』です。

明治維新にいたるまでは、日本という国を作るために奔走する革命家たちの思いがほとばしる。そこから新政府樹立にいたっていく大きな歴史の流れを描き切ります!

『坂の上の雲』

司馬遼太郎が近代史を描く。本作は日露戦争をテーマにした作品です。

俳人の正岡子規、松山藩で育った秋山好古、秋山真之兄弟の3人を配置するのが、さすがの視点。軍事の面と文化的な面で、戦争に突入していく日本の姿を浮かび上がらせていきます。歴史大作です!

「司馬遼太郎記念館」に行ってみた!

司馬遼太郎記念館は、大阪府東大阪市にあります。司馬遼太郎の自宅と、安藤忠雄さんが設計した建物で構成されています。

司馬遼太郎の書斎を窓越しから見ることができます。机に万年筆があるのがわかりました。

館内は、高さ11mの吹き抜け空間に2万冊の蔵書が展示されています!これが大迫力!

司馬遼太郎の自宅には6万冊あったそうですが、これだけのインプット量だったのかと圧倒されますね。一滴一滴を絞り出して、小説にしていたことが伝わって、司馬遼太郎作品の偉大さを感じることができます。

■司馬遼太郎記念館

  • 住所:大阪府東大阪市下小阪3丁目11番18号
  • 開館時間:10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
  • 休館日:毎週月曜(祝日の場合は開館し翌日休館)、9/1~9/10、12/28~1/4
  • 入館料:大人500円、高・中学生300円、小学生200円(20名以上の団体は入館料が2割引)

ぜひエンタメ性の高い作品から手にとってほしい

司馬遼太郎作品はまったくハードルが高くないため、今回ご紹介したエンタメ性の高い作品から手にとってほしいです。

そこから重厚な歴史を描いた作品へと入っていけば、司馬遼太郎の作品世界にどっぷりひたれると思います!

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コメント

コメント一覧 (9件)

  • なんか個人的には花神ですね。プロテリアルで早期から人工知能の研究をなさっていてアルゴリズム革命の旗手とも呼ばれる某博士の人生とも重なりますが。

  • なんか個人的には花神ですね。プロテリアルで早期から人工知能の研究をなさっていてアルゴリズム革命の旗手とも呼ばれる某博士の人生とも重なりますが。

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  • 「花神」久しぶりにネット動画で見ました。高杉晋作が上位戦争の敗北のつけを古事記を延々と朗読して彦島割譲をはぐらかせたシーン懐かしかった。

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  • 姫路文学館のいつぞやのセミナーは素晴らしかった。軸受理論が国富論になるとは。

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