『変な家2 〜11の間取り図〜』は、映画も小説も大ヒットした『変な家』の第2弾!
11の間取りの話が語られ、すべてがリンクしたとき、驚きの真相が明かされます。『変な家2 〜11の間取り図〜』について、あらすじやネタバレを交えて解説していきます。
『変な家2』あらすじ
さまざまな変な家の中から、11軒に関する調査報告が収録されています。
廊下に先がなかったり、ネズミ捕りのような家だったり、殺人事件が起こった家だったり、そのどれもが奇妙な話が語られていきます。11軒の変な家を見ていくと、ある1つの真実が浮かび上がってくるのです…。
『変な家2』目次
変な家2は、11のエピソードと、設計士の栗原の推理で構成されています。
- 資料①行き先のない廊下
- 資料②闇をはぐぐむ家
- 資料③林の中の水車小屋
- 資料④ネズミ捕りの家
- 資料⑤そこにあった事故物件
- 資料⑥再生の館
- 資料⑦おじさんの家
- 資料⑧部屋をつなぐ糸電話
- 資料⑨殺人現場へ向かう足音
- 資料⑩逃げられないアパート
- 資料⑪一度だけ現れた部屋
- 栗原の推理
『変な家2』ネタバレ
『変な家2』の各エピソードについてネタバレで紹介していきます。
資料①行き先のない廊下
富山にあった彼女の実家には「行先のない廊下」があった。母親の遺品整理で、封筒に入った68万円、押し入れから片腕と片脚が折られた木彫りの人形が発見された。
建設中の実家の写真には、小さな一輪の赤い花が写っていた。
行先のない廊下の先は玄関だったが、通りで交通事故が起こり、玄関の場所を変えたというのが真相だった。ただ、母親は娘の部屋の取り壊しを依頼していたという。いったいなぜなのか?
資料②闇をはぐぐむ家
特殊清掃作業員である飯村さんの話。津原一家の自宅清掃を担当した。それは16歳の少年が家族を包丁で殺害するという事件だった。母親は台所、祖母は和室、弟は台所の入口で息絶えていた。
「ヒクラハウス」という建築会社による間取り。プライベートが皆無な空間だった。間取り図を見ていると、祖母を殺したのは母親だったのではないか?という可能性が見えてきた…。
資料③林の中の水車小屋
1940年に出版された『明眸逗留日記』からの抜粋。財閥の娘・水無宇季は、叔父の家へ。そこにあった水車小屋は、水車を回すことによって内壁が動くからくりだった。
叔父の家の赤ちゃんは、左腕の付け根が膿んでいるようだった。あの水車小屋は、罪人に懺悔をさせるための小屋だったのかもしれないと、憶測が生まれる。
資料④ネズミ捕りの家
33歳の会社経営者である早坂さんは、中学生のころにミツコちゃんと友達になる。彼女は「ヒクラハウス」の娘。
ミツコちゃんの家に行くと大豪邸。おばあさまと2人で暮らしているという。おばあさまが、転倒死をしてしまう。どうもこの家には、死のしかけがあったのではないかと早坂さんは感じていた。ネズミとりのように。
資料⑤そこにあった事故物件
長野の事故物件の話。1938年に梓馬家当主が首吊りで死去したことがわかった。この家は『明眸逗留日記』にあった水車小屋を増築したものではないか?と思い当たる。
資料⑥再生の館
某月刊誌に掲載された記事。カルト教団「再生のつどい」の潜入レポート。
ステージで「ヒクラハウス」社長、緋倉正彦が演説をはじめた。教団を信奉する、聖母様には左腕と右脚がなかった。その姿を見取り図で再現していた。
資料⑦おじさんの家
子どもの日記がつづられている。1994年愛知県で9歳の三橋成貴くんの遺体が発見された。栄養失調による合併症。
資料⑧部屋をつなぐ糸電話
父と娘は糸電話で夜ごと会話していた。ある日、となりの家が火事に。
大人になって糸電話を見てみると、糸が長すぎた。となりの家の和室から父は話していたのではないか? 殺人をしながら話していたのではないか? という疑惑が湧き上がった。
父の新居で遺品を整理していたら、小さな男の子の写真が。三橋成貴くんだった。
資料⑨殺人現場へ向かう足音
火事が起こっていた松江家へ。父が母を殺したことを疑っていた。母を押入れに入れて放火したと推測していた。
資料⑩逃げられないアパート
借金を重ねた親子が、山梨県の置棟という売春宿へ。
となりのヤエコさんは左腕がなかった。交換システムで、息子とヤエコさんが外出。そのときに息子が事故になりそうなときに、ヤエコさんがかばってくれた。右脚を失う。
その後、ヤエコさんはヒクラの社長の息子に、惚れ込まれた。1回10万円、4人しか住めない。なにかウソがあるのではないか?
資料⑪一度だけ現れた部屋
子どものころに現れた部屋。実家に行くと、地震がきっかけだったことがわかる。二重扉によって部屋が隠されていた。
なかには左脚と右脚がない人形が隠されていた。この家の見取り図と、教団施設の見取り図が、うり二つだった。
栗原の推理
すべては「再生の館」を中心として起きている出来事だった。教団から、罪の意識を清めるために、聖母さまの子宮を模した部屋で、何度も眠ることが求められた。そのために信者は、自宅を改築した。そして教団は、信者に家の改築工事を売りつけていた。「ヒクラハウス」が請け負っていた。
笠原さんの父親、おじさん、再生の館で暴れた男、この3人は同一人物。笠原は三橋成貴くんを救おうとしたが、金髪の男に連れ去れられた。教団に抗議をした。改築した家を葬ろうとした。
糸電話つながるのは一箇所。松江家の母親の部屋のみ。笠原は不倫をしていた。火災当日、部屋に行くと松江の母親が亡くなっていた。自殺…。妊娠が原因だった。松江家の夫は、すべてが明るみに出ないように証拠隠滅のために家を燃やした
入信の条件は、親の罪によって生まれた子どもがいること。三橋成貴くんは笠原の隠し子だった。根岸。家の減築も聖母さまの見取り図にするため。
売春をしていたのは明美ではなく満だった。
ヒクラが教団を創設した。ヤエコのおばあさまが、聖母さま。
すべての謎が明らかになる
『変な家2 〜11の間取り図〜』は巧妙に謎が張り巡らされていて、また読み返したくなります。あの証言にはこんな意味があったのかと驚きが待っています。
『変な家』とセットでぜひ楽しんでほしいと思います。