2004年、メフィスト賞でデビューして以来、話題作を提供し続ける辻村深月。
読んだ作品のなかからおすすめしたい小説を紹介していきます!
辻村深月 まず初めに読んでほしい作品
辻村深月の作品のなかで、まず初めに読んでほしい作品を紹介します。
『傲慢と善良』
婚約者・坂庭真実が姿を消した…。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。
真実がストーカーに追われていたことから、架は大きな後悔をします。ですが、これがただの失踪ものではないんですね。
「謙虚で自己評価は低いのに、自己愛だけはやたら高い。だから傷付くことや変化を怖がる」
この言葉がグサッとくるなら必読。人間の内面に深く入り込んでいく小説になっています。
『ハケンアニメ』
アニメ業界のお仕事小説。天才アニメ監督の王子と、新人監督の斉藤瞳が、同じクールでアニメを制作することに。覇権をとるのはどちらか!?
とにかく熱い!作品に向き合う姿に胸を打たれること間違いなし。吉岡里帆主演で映画化された作品です。
『かがみの孤城』
学校に通えなくなった中学生・こころは部屋の鏡が光っていることに気づく。鏡をくぐり抜けると、城のような不思議な建物があった。そこにこころと近い境遇にある7人が集められていた。
この7人が個性豊かなんですね。関係性が変わっていって、それぞれの悩みが見えてきます。さらには、7人の共通点がわかってきて…。ミステリー性がありそして子供たちの絆を感じさせる内容になっています。
2022年冬に、劇場アニメとして公開されて、話題を集めました。
辻村深月 さらに深くハマる作品
ここからはさらに深く辻村深月作品にハマっていきたいという方におすすめしたい小説を紹介します!
『冷たい校舎の時は止まる』
雪が降りしきる中、高校生8人が校舎に閉じ込められてしまう。そのなかで同級生が自殺したことを思い出したことで、疑心暗鬼に陥っていく。
第31回メフィスト賞を受賞した辻村深月デビュー作!ドンデン返しを見せていく本格ミステリー作品となっています。
『凍りのくじら』
高校生の理帆子は、父が失踪していた。夏の図書館で写真を撮らせてほしいと1人の青年があらわれる。
ドラえもん好きの著者の愛が全開な作品。章タイトルがひみつ道具になっています。そして理帆子は身近な人を「少し○○」とつけているんですね。自分のことは「少し不在」。この呼び名が変わっていくのもおもしろい点です。
『スロウハイツの神様』
アパート「スロウハイツ」は、人気脚本家・赤羽環がオーナーとなり、クリエイターを志す人たちが集まっていた。夢を語りながら物語を作る。切磋琢磨していた6人の生活が、新たな入居者によって大きく動き出す。
前半は青春小説となっていますが、最終章で伏線回収をしていて、その手腕は圧巻です!
『ぼくのメジャースプーン』
小学4年生の「ぼく」は、幼なじみのふみちゃんを助けるため、復讐を誓う。大学生がうさぎの命を奪ったのだ。ぼくには、受け継がれている特殊能力があった。
命の重さとは?復讐とは?かなりずっしりとくるテーマに向き合った作品です。
『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』
チエミが自分の母親を殺してしまった事件が起こる。それから半年、失踪して指名手配中のチエミを、幼なじみのみずほが追う。
浮かび上がってくるのは、女性の格差について。仕事や結婚、子供について、自分と他人を比較することの悲劇を描き出します。
やさしいミステリー小説
辻村深月は正統派ミステリー作品でありながら、やさしさがある物語を描く作家だなと。読み味がいいんですね。映像化も続いているので、ぜひ興味がある作品を手にとってほしいと思います。
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