MENU

平野啓一郎おすすめ小説・本11選!『マチネの終わり』『空白を満たしなさい』

平野啓一郎作品の映像化が続いています。

『マチネの終わり』が福山雅治と石田ゆり子で映画化。『空白を満たしなさい』がNHKでドラマ化、『ある男』も今秋、映画が公開されます。

その作品は、エンタメ性が高いながらも、深みのあるものが多く、読み応えがあります。

平野啓一郎作品で、読んだものから、おすすめ作品を紹介していきます!

平野啓一郎おすすめ小説(映画化・ドラマ化編)

まずは、平野啓一郎作品のなかから、映画化・ドラマ化されたものを紹介していきます。

目次

『空白を満たしなさい』

3年前に死んで、生き返った男。自殺だとされていたが、彼自身も死んだ理由がわからない。

かなり突飛な設定でありながら、職場の人や妻などがどのような反応をするのかを突き詰めていて、すんなりとこの世界に入っていけます。物語の行き着く先に、人生とはなにかを考えさせられます。

本作はNHKによってドラマ化。主演は柄本佑で、阿部サダヲの怪演に引き込まれる内容になっています。

『マチネの終わり』

天才音楽家と女性ジャーナリストの純愛を描いた作品。世界でも有名なクラシックギタリストの蒔野聡史が、小峰洋子と出会ったところから、物語ははじまります。

この2人の距離感が絶妙で、偶然のいたずらによって、関係性がどうなるのか、ハラハラする展開が待っています。もっとも印象に残っているのは、蒔野のセリフ。

「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?」

福山雅治と石田ゆり子によって、映画化されています。

『ある男』

愛したはずの夫は、名前も違うまったくの別人だった。弁護士の城戸は、里枝から、夫の身元調査の相談を受けることになります。ある男の正体を追っていくうちに、城戸にも大きな変化が生まれることになります。

人が名前を偽って、別人となる場合は、どういう心理が生まれているのか。別の人生を生きたいという気持ちは、誰もが思い浮かぶことがあるのではないでしょうか。人間の存在意義とは?といった大きなテーマを扱った作品です。

2022年秋、妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝で映画化されます。

平野啓一郎おすすめ小説

まだ映像化されていない作品を紹介していきます。

『本心』

母は、自由死への希望を息子に伝えていた。朔也は亡くなった母を、VFというクローン技術によって蘇らせる。

近未来の話でありながら、今の社会問題や生きることの問いも詰めこまれていて、読みごたえありました。エンタメ性が高いので、平野啓一郎作品のなかでも読みやすいです。

『ドーン』

人類初の火星での有人探査飛行に成功!世界で注目されることになった佐野明日人は、大きな秘密を抱えていた…。

壮大なSFでありながら、主人公が抱える問題や状況は、ものすごく共感を呼べる内容になっています。

『決壊』

地方都市で家族と暮らすサラリーマン沢野良介は、エリート公務員の兄への違和感について、匿名日記に残していた。ある日、良介は姿を消してしまった。そして、いじめにあっている中学生の北崎友哉が殺人の妄想をふくらませていた。

2つの物語が、接点を持っていくわけですが、かなりサスペンス度の高いです。ネット社会への警鐘と人間の罪と罰について、平野啓一郎が向き合った作品になります。

『日蝕』

芥川賞を最年少受賞した平野啓一郎のデビュー作。

錬金術、両性具有者(アンドロギュノス)、中世キリスト教、さまざまなテーマが盛り込まれています。とにかく難解ながら、作家の根幹を感じられる内容になっています。

『葬送』

ポーランドの音楽家であるショパンは、19世紀いっきに時代の寵児となっていった。女流作家ジョルジュ・サンドとショパンは、恋愛関係になっていき、画家のドラクロアも絡んでいく。

音楽や絵画の世界をここまで小説で描けるのかという驚きを受けました。圧倒されること間違いなし。平野啓一郎が現地滞在しながら書き上げたという魂のこもった作品!

平野啓一郎おすすめ本

平野啓一郎が執筆している小説以外の本を紹介していきます。

『私とは何か 個人から分人へ』

分人主義を提唱していて、この考え方に救われました。「分人dividual」とは、「個人individual」に代わる新しい人間のモデルとして提唱された概念なんですね。

個人は、分割することのできない本当の自分がいるという考え方。分人は、対人関係ごと、環境ごとに分化した、異なる人格のこと。私たちはいくつもの分人を生きているというわけです。

この分人主義は、平野啓一郎作品にも通底しているので、その点でも読んでおきたい一冊です。

『カッコいいとは何か』

カッコいいという概念について、かなりの分量で考察しています。

カッコいいかどうか、その基準は「しびれる」という自らの体感にもとづいているんですね。主観的な概念ということです。カッコいいを考えるのは、そのまま自らの生き方に直結するわけです。

いまの時代を考えるうえで、考えが深まる内容になっています。

『理想の国へ 歴史の転換期をめぐって』

平野啓一郎と、社会学者・大澤真幸の対談。いまの時代について語り尽くしているという点で、貴重な対談といえるでしょう。コロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻について言及しています。

人生とは?人間の根幹を考えさせられる作家

平野啓一郎作品は、読み終わったときに、人生とはなにかといった大きなテーマを考えさせられるところがあります。

これからも映像化されますし、新作が出たら必ず読むべき作家だと思いますので、ぜひおすすめした作品を手にとってみてください!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次