鎌倉時代に「生きること」を全力で肯定した僧侶がいました。それが日蓮です。
NHK「100分de名著」では、『日蓮の手紙』が取り上げられます。
今の時代だからこそ、知っておきたい日蓮の教え。『日蓮の手紙』について解説しながら、日蓮のことがわかる、おすすめ本も紹介していきます。
『日蓮の手紙』を学べるおすすめ本
まずは『日蓮の手紙』について知ることができるおすすめ本を紹介します。
『日蓮の手紙』
日蓮は激しい生涯において、たくさんの手紙を書いています。
人生相談だったり、激励だったり、生き方指南だったり。少年に向けて、夫や息子を亡くした女性へ。相手の境遇を踏まえて、相手に寄り添った内容になっています。
この日蓮の手紙のなかから、25通を収録。原文、現代語訳、解説で、日蓮の手紙を多角的に味わうことができます。
『NHK100分de名著 日蓮の手紙』
仏教思想研究家の植木雅俊さんによって、日蓮の手紙を解説。「NHK100分de名著」の副読本になります。
日蓮の手紙の魅力について、植木さんは「相手に応じて、文体、文章、表現を自在に変えながら、徹底的にその人自身に寄り添うことを考え抜いている」としています。
日蓮の生涯を把握しながら、この時代に日蓮の教えがどう活用できるかまでが分かります。
日蓮を学べるおすすめ本【入門編】
日蓮について学べる入門書を紹介していきます。
『よくわかる日蓮宗 』瓜生中
日蓮宗の教えについて、基礎的なところを把握したいなら、まずはこの本を。
日蓮がなぜ『法華経』を信奉したのか、なぜ他宗派を攻撃したのか、が把握することができます。よく読まれる重要経典12をふりがな付きの原文と丁寧な現代語訳で収録。
『増補 日蓮入門 現世を撃つ思想』
日蓮の人柄や波乱の生涯について言及した入門書。日蓮が大事にしていた「法華経」についてもしっかり解説しています。
後半は、『立正安国論』『開目抄』『観心本尊抄』『三大秘法抄』といった日蓮の主要な著作を解説しています。
日蓮を学べるおすすめ本【上級編】
日蓮についてさらに深く学ぶためのおすすめ本を紹介します。
『日蓮「立正安国論」「開目抄」』
日蓮の『立正安国論』『開目抄』について解説。角川ソフィア文庫なので、ていねいでわかりやすさがあります。
『立正安国論』は鎌倉幕府への訴えであり、『開目抄』は末世の導師になることを宣言した書。この2つから、日蓮の本質に迫っていきます。
『日蓮「立正安国論」全訳注』
立正安国論は、日蓮が鎌倉幕府に提出した意見書です。本書では、立正安国論について全訳をつけて解説。
立正安国論の内容がとにかく激しい。今すぐ浄土宗に危機感があり、法華経の教えに収れんすべきと説きます。
今の世の悲惨さを伝えながら、法華経の必要性へと流れるように展開していくので、説得力がある文章になっています。日蓮の熱い真っ直ぐな思いを感じることができる内容です。
『日蓮大聖人御書全集 新版』
文字が大きなり読みやすくなった『日蓮大聖人御書全集』の新版。新たに公開された御書32編が収録されています。
日蓮を学べるおすすめ小説
日蓮を主人公にしたおすすめ小説を紹介します。
『日蓮』山岡荘八
なにより日蓮がイキイキとしているのがすばらしい。少年期や青年期はさわやかさもあり、修行中には愛欲に悩むなど、とても身近に感じられる存在として、日蓮が描かれます。
『徳川家康』をはじめ、歴史小説の第一人者である山岡荘八なので、おもしろさは間違いありません。
『日蓮』佐藤賢一
立宗宣言から身延入山まで、日蓮の半生が描かれます。日蓮の前提知識があったほうが楽しめますが、物語として読み応えがあります。
今の時代こそ必要とされる日蓮の教え
先行きが見えない時代だからこそ、日蓮の教えは心に響きます。今を生きることを全肯定する日蓮の教えに、ぜひ触れてみてください。
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