ドラマ『私たちが恋する理由』は、怖がられている上司と、その部下の社内恋愛を描いた作品です。王道といえば王道なのですが、上司側の視点がしっかり描かれるのが新しいんですよね。各話を簡単にまとめたうえで、その構造を考えます。
ドラマ『私たちが恋する理由』あらすじ
寡黙で近寄りがたい上司と、彼に緊張しっぱなしの若手社員。あるきっかけで距離が縮まりますが、職場という場所が2人の関係に制約をかけ続けます。互いの気持ちが伝わるまでに、いくつもの行き違いが起こります。
各話あらすじ(簡易版)
各話の流れを簡単にまとめます。詳しい展開は本編でご覧ください。
- 1話:葵が上司の黒澤に助けられ、印象が変わりはじめる
- 2話:気持ちが芽生えるが、職場での態度との差に戸惑う
- 3話:黒澤が自分の感情を自覚し、嫉妬を覚える
- 4話:出張先での出来事が、周囲にも波紋を広げる
- 5話:黒澤が気持ちを伝え、社内恋愛が始まる
- 6話:すれ違いが起き、黒澤が別れを覚悟する
- 7話:誤解が解けるが、新たな知らせが届く
- 8話:周囲を交えた時間のなかで、2人の将来が問われる
【感想】上司側の内心を見せる構成が効いている
この手の作品は普通、部下の側から描かれます。怖い上司が実は優しい、という発見が物語になる。
この作品は、黒澤の内心をかなり早い段階から見せてきます。怖がられていることを本人が気にしている。そうすると、彼の無愛想さが冷たさではなく不器用さだと分かる。印象がまるで変わるんですよね。
菊池風磨の「感情を出せない」芝居
黒澤は、表情をほとんど変えません。それでいて、内心では相当動揺している。
菊池風磨さんは、動かない表情のまま視線や間で内心を出してきます。台詞で説明しないぶん、視聴者が読み取る余地がある。ここが気持ちいいところだと思います。
【考察】この作品の主題は「職場という制約」
私は、この作品の障害が恋愛感情ではなく、職場という場所そのものだと考えています。理由が2つあります。
理由①上下関係が消えない
2人が交際を始めても、職場では上司と部下のままです。この非対称は、気持ちの問題では解消できません。
評価する側とされる側である以上、対等になれない。恋愛ドラマの障害として、これはかなり現実的なんですよね。
理由②秘密にすることが関係を歪める
もうひとつ、関係を隠すという選択が、すれ違いの原因になります。隠すこと自体が、相手への不信に見えてしまう。
守るために隠しているのに、それが相手を不安にさせる。この悪循環が丁寧に描かれていると思います。
【考察】タイトルが「理由」を問う意味
なぜ「恋する理由」なのか。この2人は、条件で言えばまったく噛み合っていません。年齢も立場も性格も違う。
それでも惹かれる。理由を説明できないものに、あえて理由という言葉を当てているところに、この作品の立場が出ていると思います。説明できないから恋なのだという開き直りですよね。
ドラマ『私たちが恋する理由』登場人物
- 黒澤智也(菊池風磨):入社11年目の営業部第一課の課長。
- 森田葵(久間田琳加):黒澤の部下。
- 坂元凌(七五三掛龍也):葵の同期。
- 小津京(齊藤なぎさ):葵と坂元の同期。
- 大島蛍(佳久創):黒澤の同期。
- 市川絢香(山崎紘菜):黒澤と大島の同期。
- 伊丹瑞貴(杢代和人):黒澤の部下。
ドラマ『私たちが恋する理由』スタッフ・主題歌
- 主題歌:timelesz『because』(Over The Top)
- 原作:ma2『私たちが恋する理由』(シュークリーム「OUR FEEL」連載)
- 脚本:山田由梨、綿種アヤ、藤平久子
- 演出:湯浅弘章、吉野主、松浦健志
- 音楽:桶狭間ありさ
- エグゼクティブプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
- プロデューサー:残間理央(テレビ朝日)、島本講太(ストームレーベルズ)、疋田理紗(ザフール)
- 制作協力:ザフール
- 制作:テレビ朝日、ストームレーベルズ
『私たちが恋する理由』は職場という制約の話
というわけで、ドラマ『私たちが恋する理由』の感想と考察でした。王道のオフィスラブですが、丁寧に作られている作品だと思います。皆さんはどう見たでしょうか。
