Amazon Original ドラマ『龍が如く ~Beyond the Game~』は、竹内涼真主演で、原作ゲームを題材にオリジナル脚本で描かれるクライムサスペンスアクションです。
ドラマ『龍が如く ~Beyond the Game~』は1〜3話が配信された時点で、原作改変が激しくて炎上気味でした。
後半巻きかえすかと思いきや…4〜6話の最終話までが配信されて、さらに酷評の嵐に。Amazonレビューは星1.5という数字になっています。
いったいなにが酷評の理由なのか、ドラマ『龍が如く ~Beyond the Game~』について、あらすじ・ネタバレで解説していきます。
Prime Videoにて2024年10月25日、11月1日より配信。
- 『龍が如く ~Beyond the Game~』酷評3つの理由
- 『龍が如く ~Beyond the Game~』脚本がダメな理由は企画段階から?
- 『龍が如く ~Beyond the Game~』続編ある?残念すぎる作品
『龍が如く ~Beyond the Game~』酷評3つの理由
『龍が如く ~Beyond the Game~』が酷評されている理由を3つあげて、それぞれ解説していきます。
①脚本のクオリティが低い
まずなんといっても脚本が酷いんですね…。
ドラマ全体が中途半端な印象を受けます。テーマがぼんやりとしていて、「アクション」「ヤクザ」「人間ドラマ」などそれぞれに良い要素はありますが、まとまりがなく、何を描きたかったのかが不明瞭だったと感じました。
例えば、アクション映画にするなら、アクションが盛り上がる展開にしてもよかったんです。竹内涼真さんの鍛え上げられた身体を活かした迫力のある動きや、地下格闘技場での戦いが見どころでした。街中で大勢に囲まれて拉致されそうになる場面も緊張感があり、惹きつけられる部分はあったんですね。
また、ヤクザの世界観についてもリアルさを出したいのか、よくわかりませんでした。新宿の悪魔と呼ばれる人物が登場するのもおもしろいけど、なにをしたいのか最後までよくわからず緊張感が持続しませんでした。
主要キャラクターである桐生と堂島、育ての親である風間、そして錦山彰といった登場人物たちの関係性も深まらないまま、終わってしまいましたね。エピソードの蓄積がないため、物語の軸がぼやけています。
ゲームでも有名な親殺しのエピソードや、錦がダークサイドに堕ちる過程も感情の連続性がないんですね。なぜ桐生が錦を庇ったのか、その理由もわかりにくいです。
さらに、時代設定が1995年や2005年といった異なる年代が混在していて混乱を招きます。台詞も浮いていて不自然なものが多く、キャラクターの行動原理がチープに感じられる点も気になりました。
②主人公の動機がわからない
主人公の桐生一馬が、物語を通して受け身のままで、なにをしたい人物なのか、なにを大事にしているのか、見えにくいまま終わってしまった印象があります。
1995年の設定では、彼が本当にヤクザになりたいのかどうかが曖昧で、彼の行動の動機が理解しづらかったです。2005年に発生する「100億強奪事件」でも、桐生がどのような目的で誰と対峙しようとしているのかがはっきりせず、キャラクターの魅力が伝わりにくくなっていました。
竹内涼真の熱演が光っているだけに、彼の演技力が十分に活かされていないのは残念。
竹内涼真は、『六本木クラス』や『君と世界が終わる日に』といった、どう考えても難易度が高い作品を引き受けてくれますが、もったいないですね…。
③キャラクターの魅力がない
キャラクターの魅力がないのは致命的ですね。
原作ゲームでは、それぞれのキャラクターが魅力あるだけに、これはもったいないと感じました。
改変が度を過ぎており、キャラクターの性格も大きく変更されてしまっているため、原作ファンにとっても違和感が強いでしょう。
キャラクター改変もドラマ自体がおもしろければよいのですが、ドラマの出来が悪いため、どうしても苦言を呈してしまう状況になっています。
例えば『ミッション・インポッシブル』シリーズが、原作ドラマの『スパイ大作戦』と違うと、批判があったものの、今や人気のスパイアクションシリースになっていますよね。
ドラマ『龍が如く』も、原作とは違う魅力で、評価される可能性もあっただけに残念すぎます…。
『龍が如く ~Beyond the Game~』脚本がダメな理由は企画段階から?
『龍が如く ~Beyond the Game~』の物語が、ここまで破綻しているのはなぜでしょうか?
あくまで憶測ですが、制作スタッフを見るとその原因ではないかと考えられる要素が見えてきます。
- 監督:武正晴、滝本憲吾
- 脚本・ストーリー:Sean Crouch&中村勇吾
- 日本語脚本:吉田康弘 山田佳奈
脚本がいて、それとは別に「日本語脚本」があるんですね。
武正晴監督がインタビューで、制作過程を語っています。
「もともと、アメリカの脚本家(ショーン・クラウチ)が参加していて、 話の大筋はすでに完成していました」
武監督はそこから、吉田康弘&山田佳奈と共に約5か月かけて日本語脚本を完成させた。
引用:シネマトゥデイ
そもそもアメリカの脚本家がベースで完成したものがあったんですね。そこから日本人スタッフで5ヵ月かけて調整したということなんです。
このベースの脚本がひどかった可能性が高いと思います。もちろん日本人脚本家がおかしくさせたということもありえますが、改悪するのは考えづらい。
脚本家のショーン・クラウチが手掛けた作品はこちら。
- 龍が如く ~Beyond the Game~2024TV 脚本
- ロア ~奇妙な伝説~ (シーズン2)2018TV 製作総指揮脚本
- HELIX -黒い遺伝子- (シーズン1)2014TV 脚本
- アンフォゲッタブル3 完全記憶捜査 2014TV 脚本
- 一分間タイムマシン 2014 脚本
知っている作品が少ないのですが、そこまで実力のある脚本家とはいえないのではないかと思います。
企画や放送タイミングも決まっているなかで、なんとか制作したのかもしれません。あくまで予測ですが…。
『龍が如く ~Beyond the Game~』続編ある?残念すぎる作品
『龍が如く ~Beyond the Game~』はいい要素があるものの、傑作になる可能性もあったと思うんですね。
それがここまでひどい作品になったのは、本当に残念です。
続編をにおわせる終わり方でしたが、この評価だと、制作はできないでしょう。
ただ竹内涼真をはじめ、役者さんはがんばっているので、ぜひ視聴はしてほしいと思います。