ドラマ『アンサンブル』は、効率を最優先する弁護士と、まったく逆のやり方をする同僚が組む話です。法廷ものと恋愛ものが、きれいに半分ずつ入っている。各話を簡単にまとめたうえで、その配合について考えます。
ドラマ『アンサンブル』あらすじ
費用対効果を重んじる弁護士のもとに、別の事務所から移ってきた弁護士が加わります。仕事の進め方がまるで違う2人が同じ案件を担当するうちに、互いの考え方が少しずつ変わっていく。扱う依頼も、人間関係のこじれを扱うものが続きます。
各話あらすじ(簡易版)
各話の流れを簡単にまとめます。詳しい展開は本編でご覧ください。
- 1話:瀬奈が婚約破棄をめぐる依頼を引き受ける
- 2話:真戸原が事務所に加わり、2人で慰謝料請求の案件を担当する
- 3話:互いを意識しはじめるなか、私生活にも変化が起きる
- 4話:つきまとい被害の相談を受け、依頼人の事情に踏み込む
- 5話:瀬奈が自分の気持ちに気づくが、過去の関係が絡んでくる
- 6話:2人が交際を始めるが、職場との折り合いに悩む
- 7話:関係が周囲に知られ、それぞれの立場が動く
【感想】「コスパ重視の弁護士」という設定が効いている
瀬奈というキャラクター、いまっぽくて良いんですよね。費用対効果で判断し、無駄を嫌い、感情に時間を使わない。
弁護士という職業は本来、依頼人の感情に付き合う仕事です。そこに最も向かない性格の人物を置いたことで、毎回の案件が主人公の課題になる。設定が物語装置として機能しています。
川口春奈と松村北斗の温度差
2人の芝居の質が、はっきり違うのが良いです。川口春奈さんは速くて明快、松村北斗さんは遅くて含みがある。
これは演技の巧拙ではなく、役の設計通りなんですよね。テンポの違う2人が同じ場面にいると、それだけで会話に摩擦が生まれる。
【考察】この作品の主題は「割に合わないことの価値」
私は、この作品が問うているのは恋愛の成否ではなく、効率で測れないものをどう扱うかだと考えています。理由が2つあります。
理由①依頼の中身が全部「割に合わない」
毎回持ち込まれるのは、金額的には小さく、手間ばかりかかる案件です。婚約破棄、昔の浮気、つきまとい。
費用対効果で考えれば、どれも受けるべきではありません。それでも受ける。この選択の積み重ねが、瀬奈の変化を示しているのだと思います。
理由②恋愛が最も非効率な題材
もうひとつ、恋愛は本質的に効率が悪いものです。時間がかかり、結果は読めず、失敗する可能性が高い。
効率を信条とする人物にとって、これ以上相性の悪いものはありません。だから恋愛パートは余興ではなく、主題の実験になっているんですよね。
【考察】タイトルが「合奏」である意味
アンサンブルは、複数の演奏者が息を合わせることです。一人で速く弾けても、合奏では意味がない。
効率だけを追えば一人でやったほうが速い。それでも合わせる意味がある、というのがこの作品の立場だと思います。タイトルに主張が込められている良い例です。
ドラマ『アンサンブル』登場人物
- 小山瀬奈(川口春奈)
- 真戸原優(松村北斗)
- 園部こずえ(長濱ねる)
- 早川崇(じろう(シソンヌ))
- 安田樹理(戸塚純貴)
- 真戸原凛(香音)
- 星野藍(東野絢香)
- 澤北千尋(橋本マナミ)
- 庄司秋帆(SUMIRE)
- 小山祥子(瀬戸朝香)
- 和泉可奈子(横田真悠)
- 長谷川朱利(中田クルミ)
- 宇井咲良(稲垣来泉)
- 真戸原有紀(八木亜希子)
- 真戸原和夫(光石研)
- 小鳥遊翠(板谷由夏)
- 宇井修也(田中圭)
ドラマ『アンサンブル』スタッフ・主題歌
- 脚本:國吉咲貴、諸橋隼人、ニシオカ・ト・ニール
- 演出:河合勇人
- 音楽:澤田かおり
- エンディング:aiko「シネマ」
- チーフプロデューサー:荻野哲弘
- プロデューサー:後藤庸介、大倉寛子、金澤麻樹
- 撮影監督:宮本亘、山﨑聖史
- 編集:阿部裕生
- 制作:AX-ON(協力)
- 製作:日本テレビ
『アンサンブル』は効率で測れないものの話
というわけで、ドラマ『アンサンブル』の感想と考察でした。軽やかに見えて、芯にあるテーマはしっかりしている作品だと思います。皆さんはどう見たでしょうか。

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