『LOST10』第3話、ラスト1分でひっくり返されました。山で行方不明になっているはずの門伝が、渋谷の防犯カメラに映っている。
この1カットで、これまでの前提が全部崩れます。遭難事故を追っていたはずが、そもそも遭難だったのかという話になってきました。今回はそこを考えます。
『LOST10』第3話のあらすじ
田畠の死は自殺と処理され、捜査は亜矢へ絞られていきます。新たに出てきた借金と薬の処方歴が、彼女を追い詰めます。納得できない小駒は直とともに東京へ向かい、そこで予想外のものを目にします。
【感想】組織の圧力の描き方がうまい
取引を持ちかけられる場面
今回いちばん苦いのが、小駒が上から取引を持ちかけられる場面です。自供を取れば希望の部署へ。
断れば自分が損をするし、受ければ恩人を売ることになる。こういう追い込み方のほうが、暴力的な脅しよりずっと怖いですよね。横浜流星さんの、何も言い返せずに黙る芝居が効いていました。
乃々の問いが刺さる
母を亡くした乃々が直に電話して、「一人で生きていくのにいくらかかりますか」と聞く。あの質問、重かったです。
保険調査員という職業の人に、子どもがお金の話を聞く。この作品が最初から扱ってきた「金と命」のテーマが、いちばん素直な形で出た場面だと思います。
【考察】遭難はすべて芝居だったのか
私は、あの遭難が仕組まれたものだったと考えています。根拠は3つあります。
理由① 行方不明者が都内を歩いている
決定的なのがこれです。山で消息を絶った人間が、捜索が続いているあいだに東京にいた。
遭難して生還したなら、名乗り出ない理由がありません。名乗り出ないということは、遭難していないということです。そして一人が偽装できたなら、他の行方不明者も同じでしょう。
理由② 参加者同士が初対面ではなかった
亜矢の証言に重要な情報がありました。田畠が二階堂を別の名前で呼び、出発前から避けていたというものです。
ツアーで初めて会った客とガイドなら、こうはなりません。二人は以前から知り合いで、しかも良好な関係ではなかった。偶然集まった6人という前提が、ここで崩れます。
理由③ 保険の設計が事故を前提にしている
二階堂の生命保険は2か月前に増額されていました。参加者全員が同じ山岳保険に入り、受取人の設定も揃っている。
偶然の事故で、こんなに都合よく金が動く設計にはなりません。誰かが先に絵を描いて、そこへ全員を乗せたと考えるほうが自然です。
【考察】1億5000万円は誰のものになるのか
金額を整理すると、構図が見えてきます。
二階堂にかけられた生命保険は1億5000万円。妻のハルネは「夫の意思で増額した」と説明していますが、その直後に資産を見せる約束を破って逃げている。説明が本当なら、逃げる理由がありません。
この金額を一人で持ち逃げするなら、ここまで手の込んだ段取りは不要です。複数の人間で分けることが前提だったから、全員を山に連れていく必要があったのではないでしょうか。
田畠が口を封じられたのも、分け前の話を知っていたからだと見ています。
【考察】亜矢はやはり仕組まれた側
ここまでくると、亜矢の立ち位置もはっきりします。
水を渡したのは事実でも、そのペットボトルは田畠のリュックから出たもので、渡すよう頼んだのも田畠でした。指紋が残るのは当然です。借金も父親のもので、薬の処方歴も本人は知らなかった。
外から見ると真っ黒に見えるが、一つずつ辿ると全部他人の事情。こういう組み立て方をされた人間が、計画の主犯であるはずがありません。
第3話は事件の形が変わった回だった
遭難事故の捜査から、偽装された事件の捜査へ。扱っている話の種類が変わりました。
門伝が東京で何をしていたのか、残る行方不明者はどこにいるのか。次回で一気に動きそうです。詳しい展開はぜひ本編でご覧ください。

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