『VIVANT』第13話、ラストで声が出ました。野崎守(阿部寛)。シーズン1からずっと乃木と並んで歩いてきた人物の名前が、そこで出てくるとは思いませんでした。このチャンネルでは別の人物が本命だと言っていたので、完全に外したことになります。ただ——私はまだ、野崎が裏切ったとは思っていません。その理由を書いていきます。
第13話のあらすじ
別班の情報を外部に流した人物を特定していく回です。疑わしいとされていた人物への追及が進み、そこで得られた結果をもとに調査の範囲が絞り込まれていきます。そして終盤、まったく予想していなかった名前が浮かび上がります。
【感想】「白」を積み重ねてから当てにくる構成が見事だった
容疑者を潰していく順番が計算されている
今回の構成、本当にうまいと思いました。疑わしい人物を一人ずつ潰していって、候補がなくなったところで本命を出す。推理ものの王道ではありますが、これを1話の中でやり切るテンポがすごい。
しかも潰していく過程が雑ではないんですよね。それぞれにきちんと別の事情があって、疑われていた理由も納得できる形で解消されていく。「実は無関係でした」で済ませない丁寧さがあるから、最後の一撃が効くんだと思います。
読み合いの気持ちよさ
前半の確保をめぐる攻防も見応えがありました。追う側の想定を上回ろうとする動きがあって、それすらも読まれている。この作品の「一手先」ではなく「二手先」を見せる呼吸が、今回もしっかり効いていました。
こういう場面があると、乃木側の情報精度の高さが自然に伝わるんですよね。だからこそ終盤の衝撃が大きくなる。あれだけ正確に読める側が、内側を読み違えていたことになるわけですから。
【考察】振り返ると野崎のフラグは立っていた
冷静になって振り返ると、野崎まわりには引っかかる点がいくつもありました。
まずジャミーンが野崎にだけ心を開かなかったこと。シーズン1の時点では理由が明かされないままでしたが、あれが伏線だったのかもしれません。次にポスターの構図。野崎だけが他と違う位置に配置されていたことが、当時から話題になっていました。
そして、公安の内部でも野崎の動きが不審がられていた描写がありました。疑いの目は、実は組織の中からも向けられていたわけです。こうして並べると、今回の展開は突然ではなかったことになります。
【考察】それでも野崎は裏切っていないと考える3つの理由
ただ、私は野崎が二重スパイとして動いていると思っています。根拠は3つです。
理由①シーズン序盤で最大の切り札は切らない
いちばん大きいのがこれです。野崎はシーズン1から積み上げてきた、乃木にとって最も重みのある関係です。その関係を本当に壊すなら、それは終盤に置くカードでしょう。
まだ物語は前半です。ここで本当に決着をつけてしまうと、残りの話数で野崎は「もう敵と分かっている人物」でしかなくなる。それはあまりにもったいない使い方です。作り手がこのカードをこんなに早く消費するとは思えません。
理由②裏切りの見せ方が親切すぎる
もうひとつ引っかかるのが、証拠の出方があまりにも分かりやすかったことです。
野崎は、痕跡の消し方を誰よりも知っている立場の人間です。その野崎が、調べれば行き当たる形で足跡を残すでしょうか。私にはそうは思えません。むしろ「見つかること」を前提にした残し方に見えました。
だとすると、これは疑いを自分に集めるための仕掛けということになります。自分が疑われている間、他の誰かが自由に動ける。スパイものの基本的な戦術ですよね。
理由③いま野崎にしかできない役割がある
そもそも、拉致された別班メンバーがどこにいるのかは誰も掴めていません。外側から追う手は尽きかけている状況です。
ここで最も効果的な手は、内側に入ることです。そして内側に入るには、外側との関係を切っていると相手に信じさせる必要がある。つまり裏切ったように見えなければ成立しない。野崎の現在の立ち位置は、この作戦の必要条件をきれいに満たしています。
気になるのは、これを誰が知っているのかという点です。乃木すら知らないとしたら、野崎は完全に単独で動いていることになります。それはそれで、かなり危うい状況ですよね。
第13話は情報量が膨大な神回だった
というわけで、『VIVANT』第13話の感想と考察でした。このチャンネルは「野崎は裏切っていない」というスタンスで次回以降を見ていこうと思います。もちろん外れるかもしれません。前回も外していますし。皆さんはどう考えるでしょうか。
この記事のもとになった動画
この記事は、YouTubeチャンネル「Kのエンタメ日記」で配信した考察動画の内容を、あらためて文章に書き起こし・再構成したものです。
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