『VIVANT』第14話で、乃木憂助(堺雅人)が一時的に連絡を取れなくなる場面がありました。移動中だから電波が届かない——そう見せる描写なのですが、私はこれ、乃木が意図的にやったことだと思っています。そしてここから、乃木がいま何を準備しているのかが見えてきます。
第14話のあらすじ
乃木がある人物の行方を追って移動する一方、組織の側でも状況が大きく動く回です。その移動の途中で、乃木と別班のあいだの連絡が一時途切れる場面が描かれます。
【考察】乃木はわざと連絡を絶った
あの場面を入れる必要が、物語上ない
まず前提として、移動中に通信が不安定になること自体は珍しくありません。問題は、それをわざわざ画面で見せた理由です。
重要な連絡が届かず、相手が苛立つ。それだけの描写に尺を使っています。物語を進めるうえでこの場面がなくても何も困りません。必要ないものが入っているときは、必ず意味があります。
それに、あの立場の人間が「連絡が取れない時間」を無計画に作るでしょうか。連絡手段の確保は基本中の基本のはずです。つまり、繋がらなかったのではなく、繋げなかったと考えるほうが自然なんですよね。
乃木はいま、誰も信用できない
では、なぜ連絡を絶つ必要があったのか。答えは単純で、いまの乃木には信用できる相手がほとんどいないからです。
公安の側には疑いが向いています。別班の内部にも怪しい人物がいて、乃木とドラムはすでにそれを把握しているはずです。テント側は組織そのものが揺れていて、頼れる状態にありません。
つまりどこに連絡しても、その通信自体が把握される可能性がある。自分の動きが筒抜けになる状況で唯一できるのは、通信ごと消すことです。あの空白は、誰にも知られずに接触するために作られた時間だったと考えています。
【考察】乃木が集めているのは「組織の外」にいる人間
では誰と接触しているのか。条件から考えると答えは絞れます。どの組織にも属していない人間です。組織に属している限り、その組織経由で動きが漏れるからです。
この条件を満たす人物が、いま4人思い浮かびます。
東条——命と引き換えに動く技術者
東条翔太(濱田岳)は、いま最も追い詰められている人物です。追い詰められた人間ほど、取り込みやすい相手はいません。
そして何より、東条は技術面で替えの効かない人材です。情報戦を仕掛けてくる相手と渡り合うには、その領域を任せられる人間が絶対に要ります。しかも現状、その役割を担っていた人物にも不安が残る描写が入っていました。必要以上に疲弊している様子を見せられると、どうしても勘ぐってしまいますよね。乃木が自前の技術者を確保しようとしても不思議ではありません。
新庄——追われない立場になった駒
新庄浩太郎(竜星涼)が生きているという説は、このチャンネルでずっと言っています。そして生きているなら、いまの新庄は誰からも追われない人間です。
元の組織には戻れず、行き場もない。その状態の人間に「消える」という選択肢を提示できる立場にいるのは、乃木くらいしかいません。別班に入るのではなく、乃木個人の手足として動く。そのほうが筋が通ると思っています。
黒須——最悪の状況でも情報を取っている
黒須駿(松坂桃李)は、かなり厳しい状況に置かれています。それでも相手の名前を覚えようとする描写が入っていました。
あれは折れていない人間の動き方です。しかも、その情報はいずれ外に出ることを前提にしている。つまり作り手は、黒須が戻ってくる前提で書いているということだと思います。
ベキ——いま最も自由に動ける存在
そして最大の札がノゴーン・ベキです。いまベキが動いても、誰も警戒しません。公安も別班も、そして敵側も、ベキはもういない前提で世界を見ているからです。テント側ですら弔いの準備をしている。
これほど都合のいい立場はありません。もしベキがすでに乃木と繋がっているのだとしたら、終盤でとんでもない絵が見られることになります。
終盤の大仕掛けに向けて、乃木は準備している
こうして並べてみると、組織に属さない人間ばかりの混成チームが浮かび上がります。乃木はいま、反撃のための駒を静かに集めている最中なのではないか。
そして終盤で「実は全部準備していた」という形で回収される。この作品なら絶対にやってきますし、そのときの高揚感はすさまじいはずです。あの短い音信不通の場面は、その最初の一手だったと思っています。
この記事のもとになった動画
この記事は、YouTubeチャンネル「Kのエンタメ日記」で配信した考察動画の内容を、あらためて文章に書き起こし・再構成したものです。
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