ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』は、父を亡くした娘が、残された手紙をたどって過去の事件に踏み込む話です。手がかりが出るたびに、信じていた前提が崩れていく。各話を簡単にまとめたうえで、その構造を考えます。
ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』あらすじ
クリスマスイブに父を失った大学生が、父の残した手紙をきっかけに、過去の未解決事件と向き合うことになります。弁護士や記者が関わるなかで、身近な人の証言が次々と食い違いはじめます。
各話あらすじ(簡易版)
各話の流れを簡単にまとめます。詳しい展開は本編でご覧ください。
- 1話:心麦が父を亡くし、残された手紙を手にする
- 2話:事件の関係者である友哉の生い立ちが明かされる
- 3話:血縁をめぐる事実が突きつけられ、身近な人物への疑いが生まれる
- 4話:手紙が偽造されたという供述が出て、前提が揺らぐ
- 5話:関係者が亡くなり、過去の弁護人を訪ねる
- 6話:捜査側の人物の過去が報じられ、事態が動く
【感想】広瀬すずの「何も分かっていない側」
この作品、主人公が一番情報を持っていないんですよね。周囲の大人たちは何かを知っていて、彼女だけが後から知らされる。
広瀬すずさんは、そこで強い主人公をやりません。混乱したまま、それでも聞き続ける。推理して解決する探偵役ではなく、巻き込まれた当事者として演じているのが正しいと思います。
手紙という装置の使い方
父が残した手紙が物語を動かすのですが、その手紙自体が疑われる展開になるのが面白いところです。
唯一の拠り所が信用できなくなる。ミステリーとしての足場を自分で崩しにいく構成で、かなり意地が悪いと思いました。
【考察】この作品の主題は「誰の言葉を信じるか」
私は、この作品が問うているのは真犯人ではなく、証言の信頼性だと考えています。理由が2つあります。
理由①物証がほとんど出てこない
捜査が進んでも、決定的な物的証拠はなかなか出ません。出てくるのは、誰かの記憶と誰かの言葉ばかりです。
しかも関係者が次々といなくなる。確かめようがなくなっていく構造は、意図的に作られていると思います。
理由②身内ほど信用できない
もうひとつ、疑わしくなるのが常に近しい人物だという点です。家族、親族、父の知人。
遠い他人ではなく、味方だと思っていた人から前提が崩される。この作品の恐怖は事件ではなく、身近な人の顔が変わることにあるのだと思います。
【考察】タイトルが問いかけている相手
クジャクが羽を広げるのは、見せるためです。誰も見ていなければ意味がない。
つまりこのタイトルは、誰かが何かを見せようとしていた、その相手は誰かという問いになっています。父が手紙を残したのも、誰かに見せるためですよね。受け取る相手を間違えていたとしたらという可能性まで含んだ、良いタイトルだと思います。
ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』登場人物
- 山下心麦(広瀬すず)
- 松風義輝(松山ケンイチ)
- 波佐見幸信(森崎ウィン)
- 阿南由紀(瀧内公美)
- 秋貞隆雄(絃瀬聡一)
- 赤沢守(野村康太)
- ありさ(清乃あさ姫)
- 西陣誠(斉藤優・パラシュート部隊)
- 染田進(酒井敏也)
- 遠藤友哉(成田凌)
- 遠藤力郎(酒向芳)
- 赤沢正(藤本隆宏)
- 赤沢京子(西田尚美)
- 山下静香(仙道敦子)
- 木村夏美(原日出子)
- 山下春生(リリー・フランキー)
- 神井孝(磯村勇斗)
ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』スタッフ・主題歌
- 原作:浅見理都『クジャクのダンス、誰が見た?』(講談社「Kiss」所載)
- 脚本:金沢知樹
- 警察監修:志保澤利一郎(チーム五社)
- 法律監修:市川寛(かなえ国際法律事務所 弁護士)
- プロデュース:中島啓介、内川祐紀、丸山いづみ
- 演出:田中健太、青山貴洋、福田亮介、棚澤孝義
- 音楽:桶狭間ありさ
- 主題歌:Ado「エルフ」(ユニバーサル ミュージック)
- 製作:TBSスパークル、TBS
『クジャクのダンス』は誰を信じるかの話
というわけで、ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』の感想と考察でした。情報が出るたびに前提が変わる、見応えのあるミステリーだと思います。皆さんはどう見たでしょうか。

コメント