ドラマ『フォレスト』は、互いに嘘を抱えた恋人同士が、事件をきっかけに崩れていく話です。誰が黒幕かより、誰がどんな嘘をついていたかのほうが重い。各話を簡単にまとめたうえで、その構造を考えます。
ドラマ『フォレスト』あらすじ
交際1年の2人が、それぞれ相手に隠していることを持っています。やがて家族をめぐる事件が起き、隠していたものが次々に表に出てくる。過去に起きた事件との関わりも明らかになり、関係の前提そのものが崩れていきます。
各話あらすじ(簡易版)
各話の流れを簡単にまとめます。詳しい展開は本編でご覧ください。
- 1話:楓と純が、それぞれ相手に嘘を抱えていることが示される
- 2話:楓が純の嘘に気づき、母をめぐる不穏な動きが始まる
- 3話:誕生日会を機に、3年前の事件が話題にのぼる
- 4話:母が倒れ、毒殺の可能性が浮上する
- 5話:3年前の事件と現在の関係者がつながりはじめる
- 6話:純が自分の家族に関わる真実を告げ、別れを選ぶ
- 7話:新たな事件が起き、純に疑いがかかる
- 最終話:楓の出自を含む一連の真相が明かされる
【感想】「嘘」が全員に配られている
この作品、嘘をついていない人物がほとんどいません。主役の2人はもちろん、家族も、医師も、秘書も。
しかも、どれも保身のための嘘ではなく誰かを守るための嘘だというのが厄介なんですよね。善意で隠したことが、最終的に全員を傷つける。この設計が一貫していて、見ていて気持ちよく騙されました。
比嘉愛未の「疑いはじめる顔」
楓は、恋人を信じたい気持ちと、事実が合わないという認識の間で揺れ続けます。この状態を長く保つのは、かなり難しい芝居です。
比嘉愛未さんは、疑っていることを相手に悟られまいとする表情を作り続けます。だから真実が出たときの脱力が効くんですよね。
【考察】この作品の主題は「出自は選べない」
私は、この作品が描いているのは犯人探しではなく、生まれをめぐる不自由だと考えています。理由が2つあります。
理由①登場人物の行動が全部「親」に縛られている
楓も純も、自分の意思とは関係なく、親の選択の結果を背負わされています。純が隠していたことも、楓の出自も、本人には何の責任もない。
それでも人生が決まってしまう。この理不尽が、全編を通して繰り返されているんですよね。
理由②最後に明かされるのが「血縁」
そして最終話で明かされる最大の秘密が、事件の犯人ではなく楓の本当の親が誰かという点です。
ミステリーとして見れば、犯人のほうが重要なはずです。それを後景に回して血縁を最後に置いたということは、そちらが主題だということだと思います。
【考察】タイトルが森である理由
森というのは、入ると方角が分からなくなる場所です。木は見えるのに、全体が見えない。
この作品の構造そのものですよね。個々の嘘は見えるのに、全体像が最後まで掴めない。舞台となる施設の名前にもかかっていて、うまい付け方だと思います。
ドラマ『フォレスト』登場人物
- 幾島楓(比嘉愛未):ホテルグループ社長・鈴子の一人娘。
- 一ノ瀬純(岩田剛典):楓と同棲中の恋人。
- 水原真琴(ファーストサマーウイカ):楓のいとこで良き理解者。
- 槙野俊太郎(中川大輔):楓の職場の同僚で年下の先輩。
- 篠田塔子(水野美紀):鈴子専属の医師。
- 葉山修(堀部圭亮):鈴子の秘書。
- 幾島鈴子(松田美由紀):ホテルグループを一代で築き上げたカリスマ経営者。
- 井上千智(川島鈴遥):とある施設で働くヘルパー。
- 三倉翔平(石山順征):幾島家に住み込みで働く使用人。
- 高岸陽太(町田悠宇):フリーの週刊誌記者。
- 間宮和彦(森田甘路):ホテルグループの顧問税理士。
- 水原孝子(ふせえり):鈴子の妹で、真琴の母。
- 小林広輔(佐伯新):純に店を譲った小林ランドリーの元オーナー。
ドラマ『フォレスト』スタッフ・主題歌
- 脚本:山岡潤平
- 原案:龍居由佳里
- 音楽:木村秀彬
- プロデューサー:辻知奈美、山下浩司、三田秀平、山本喜彦(MMJ)、小路美智子(MMJ)
- 演出:高橋朋広、松嵜由衣、日暮謙
- 制作協力:MMJ
- 制作著作:ABCテレビ
『フォレスト』は選べない出自の話
というわけで、ドラマ『フォレスト』の感想と考察でした。サスペンスとして最後まで引っぱりつつ、根にあるテーマは重い作品だと思います。皆さんはどう見たでしょうか。

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